【INTERVIEW】ninomiya tatsuki『5PM』

2018年1月にボーカリストYikiiとのユニットanemoneとして同名タイトルの処女作をリリースしたコンポーザーninomiya tatsuki、2018年6月リリースのソロ名義での1st『homebody』、2019年2月リリースの2nd『laidback』、2020年10月リリースの4th『scat』に続き、スムースかつソフィスティケートされたジャジーでメロウなHip Hopプロダクションが堪能出来る秀逸な6thアルバム『5PM』をリリースしたninomiya tatsukiにアルバムを中心に話を伺った。

聞き流して作業するのにちょうどいいアルバムを想定しました

–:まずはリリースおめでとうございます!今回の『5PM』はninomiya tatsukiさんの音楽についての愛情が感じられ、全てに渡って素敵な曲が満載ですね。まずはninomiya tatsukiさんの作曲を含む創作への発想の源的なところを教えて下さい。
ninomiya tatsuki(以下、nt):ありがとうございます。日常の中で浮かんだイメージやその時に見た情景、精神の動きなどをベースに制作しています。



–:本作『5PM』で聴いて頂きたいポイントを教えて下さい。また全体でも個別でも何かコンセプト的なポイントはありますか?
nt:タイトル曲の「5PM」が一番思い入れのある楽曲なので、ぜひ聴いていただきたいです。2020年10月にリリースした「scat」と同じく、聞き流して作業するのにちょうどいいアルバムを想定しました。
–:「5PM」というは興味がそそられるアルバムタイトルに感じました。このタイトルにした意図といったところを教えて下さい。
nt:タイトル曲「5PM」をメインにしたかったので、そのままアルバムタイトルにしました。また、夕方5時に何気なく作ったようなラフなビートで構成されているアルバムなので、「5PM」というタイトルがしっくり来ました。

ステイホームを強いられていた時期、夕方5時に窓から見えた綺麗な夕日を見てこのビートのイメージが浮かびました

–:では各曲についてお聞かせ下さい。アルバムのオープニングを飾る「blue dream」は弦の響きが綺麗な心あたたまる楽曲ですね。聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
nt:ありがとうございます。何気なく作ったビートなので、なんとなく落ち着いた気分でお聴きいただけたら幸いです。

PROGRESSIVE FOrM · ninomiya tatsuki "blue dream" from "5PM" PFCD102

–:続くM2にアルバムタイトル曲でありピアノが美しい「5PM」がきます。どのようなイメージで制作されたのでしょうか?
nt:ステイホームを強いられていた時期、夕方5時に窓から見えた綺麗な夕日を見てこのビートのイメージが浮かびました。

PROGRESSIVE FOrM · ninomiya tatsuki "5PM" from "5PM" PFCD102

–:M3「routes」はエレクトリックピアノの響きが綺麗な叙情的なロービートですね。聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
nt:子供の頃にプレイしたゲームの楽曲からサンプリングしたビートです。好きなフレーズをワンループにしてシンプルにまとめました。

PROGRESSIVE FOrM · ninomiya tatsuki "routes" from "5PM" PFCD102

–:M4「VIT」は一転し、サンプルがちりばめられたノリノリな雰囲気なビーツですね。どのようなイメージで制作されたのでしょうか?
nt:特にイメージはなく、サンプルを聞いて浮かんだイメージをそのままビートにしました。昔観たアニメ映画のセリフや効果音をサンプリングしています。



–:M6「daydream」はまるで夢心地のような気持ちの良さが魅力的なダウンビートです。聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
nt:M1と同様に難しいことは考えず、なんとなく音の流れに身体の動きが合えば幸いです。

PROGRESSIVE FOrM · ninomiya tatsuki "daydream" from "5PM" PFCD102

今後も今までと変わらず淡々と曲を作り、ラフをSNSに載せながらアルバム制作に取り組んでいきたいと思います

–:楽曲制作に対するアプローチや、楽曲制作で常に意識していることは何ですか?
nt:最初の項目で述べた日常や情景、精神のイメージに沿った音をサンプルやソフトシンセで探し、自分の心地いいと思う音を構築して、漠然とした全体像をはっきりさせていく感覚で制作しています。
–:これまでに影響を受けたアーティストを教えて下さい。
nt:インストヒップホップでは、NujabesとGREEN ASSASSIN DOLLARの影響を受けています。
–:今後の活動に関してどのようなイメージをお持ちですか?またどのような創作を続けていきたいと思われますか?
nt:楽しく制作することを継続していきたいです。今後も今までと変わらず淡々と曲を作り、ラフをSNSに載せながらアルバム制作に取り組んでいきたいと思います。
–:音楽の作り手としてのninomiya tatsukiさんなりの今後の音楽シーンに対する思い的なところを教えて下さい。
nt:音楽シーンに対する思いは特にありません。変化していく音楽市場や、アーティスト向けサービスについてもっと勉強しなければならないようです。



『5PM』/ ninomiya tatsuki
2021年7/14リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD102
【Track List】
01. blue dream
02. 5PM
03. routes
04. VIT
05. ein
06. daydream
07. incomplete
08. arrogance
09. nightcap
10. twins
11. journey
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2021.8.23 12:00

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