【INTERVIEW】anemone

左:ninomiya tatsuki 右:yikii



新潟在住のトラックメイカーninomiya tatsukiと中国のトラックメイカー/ボーカリストYikiiによるユニット anemoneが1stアルバムをリリースした。
元々ソロの活動を知っていた二人がユニットを結成したという驚きと、anemoneとして作り上げた音源の質の高さからずっと活動を追っていたユニットだけに活動を開始してから1年ほどでアルバムリリースの報を聞いた時はは嬉しさと納得があった。
今回anemoneのコンポーザーであるninomiya tatsukiにインタビューを試み、彼らがどのようにアルバムリリースに至ったかを掘り下げて見た。

お互いがインドアな感じで音楽的に繋がれたのが私にとって大きな変化でした

–:アルバムのリリースおめでとうございます。今回のアルバムのリリースはどのような経緯で決定しましたか?
ninomiya tatsuki:PROGRESSIVE FOrMにデモを送って、nikさんから返信を頂いて決定しました。
–:デモを送った後のnikさんの反応はいかがでした?また、リリースが決定した時のninomiyaさんの気持ちについて聞かせていただければ。
ninomiya tatsuki:デモを送った時はそんなに期待していなかったのですが、思いのほかいい反応をいただいてビックリしました。普段からPROGRESSIVE FOrMの作品を聴いていたので、リリースが決まった時は嬉しい反面、クオリティ的な問題で申し訳ない気持ちもありました。
–:私の記憶だとanemoneとして音源を公開し始めたのは2017年の頭ぐらいだったと記憶していますが実際にはどのぐらいから活動を始めていたんですか?
ninomiya tatsuki:2017年2/20に活動開始しました。
–:Yikiiさんとのやりとりはどのようにして始まりました?
ninomiya tatsuki:SoundCloudにてお互いがお互いの楽曲を聴いた事がきっかけで、コメントやTwitterでのやりとりが始まりました。


–:ninomiyaさんの音楽の経歴について聞かせてください。
また、PROGRESSIVE FOrMに公開していたプロフィールを拝見すると「人と音楽をやる楽しさが見出せなかった」とありますが、anemoneというユニットを始めるに祭してどのような心境の変化がありましたか?
ninomiya tatsuki:私が大学を卒業した2015年にDTMでの音楽制作を始めました。キャリアもなければ、これといって誇れる功績もございません。
私は小さい頃から他人と物事を合わせるのが苦手なので、大学時代に一時期バンド活動をした時は人と音楽をやる楽しさが全く分かりませんでした。ですが、私が制作を始めた頃、SoundCloudで私の楽曲を見つけて好んでくれたYikiiさんとは話が合い、後に「夢うつつ」という楽曲を共作した際にお互いがインドアな感じで音楽的に繋がれたのが私にとって大きな変化でした。
それが、anemoneの結成に繋がりました。
–:そのような経緯でスタートしたんですね。Yikiiさんの楽曲に最初に触れた時にどんな印象でしたか?
また、Yikiiさんからはninomiyaさんの楽曲はどのような印象だったか聞いていますか
ninomiya tatsuki:初めてYikiiさんの楽曲を聴いた時は衝撃的でした。幻想的かつダークな世界観にマッチする透明な歌声に一気に惹き込まれたのを覚えています。私の楽曲に対しては、詳しく聞いていないので分かりませんが、私は当初とにかくダークな楽曲を制作していたので世界観に共感を覚えたのではないかと考えております。
–:anemoneとしての楽曲制作はどのような手順で進めていますか?以前Twitterでネット越しのやり取りで楽曲の制作をしていると読んだ記憶があるのですが、やり取りで大変なところがあれば聞かせてください。
ninomiya tatsuki:私が楽曲を制作して、作詞して仮歌を歌って、そのデータをYikiiさんに送って歌ってもらい、歌のトラックを送ってもらってミックスをする、という手順で進めております。
やり取りで大変なところは、基本的に英語でやり取りをしているのですが、特に大変だと思ったことはないです。ただ私の英語が変なので、Yikiiさんには迷惑をかけていると思います。申し訳ないことこの上ないです。
–:M10「夢うつつ」は日本語で歌っていますし、時々日本語でのツイートも見ているので以前から気になっていたんですが、Yikiiさんって日本語は話せるのですか?
ninomiya tatsuki:多少話せるみたいですね。日本のアニメや戦車が好きみたいです。


–:作詞についてはクレジットされていないようですが、これはYikiiさんが?
ninomiya tatsuki:作詞は基本的に私が担当しております。時々歌詞やメロディをYikiiさんに委ねることもあります。

anemoneのカラーとしては、幻想的で、物語のような楽曲を制作するユニットにしようと決めていました

–:anemoneのポジションはninomiyaさんがトラックを作成してYikiiさんがボーカルを担当する形と認識をしていますが、元々そのような構想でスタートを?
ninomiya tatsuki:そうですね。Yikiiさんの素敵な歌声を活かしたトラックを制作したいと思ったのが現在の構想に繋がっております。
–:ninomiyaさん個人の作品はAmbient / DroneからPost Rock、Trip Hop、Heavy Metalとかなり幅広いジャンルで作品を発表していますが、ninomiyaさん自身が聴いてきた音楽について教えてください。
ninomiya tatsuki:聴いてきた音楽と言われると難しいのですが、昔からジャンル問わず何でも聴いていました。
–:雑食的に聴いてきた事が精査したトラックの幅に繋がっているわけですね。ninomiyaさんの幅の広さに加えてYikiiさんもPopなボーカルものからExperimentalなトラックまでかなり多岐に及んでいるので、最初にanemoneを聴いた時にこのようなPopさに着地しているのが以外な印象を受けました。
これはanemoneというユニットのカラーというものに起因していると思うのですが、ninomiyaさんに取ってanemoneのカラーとはどのようなものでしょう。
また、楽曲制作の際に意識している方向性があれば聞かせてください。
ninomiya tatsuki:anemoneのカラーとしては、幻想的で、物語のような楽曲を制作するユニットにしようと決めていました。それでいてメロディは綺麗に、Yikiiさんの声を立たせるような意識を持ってanemoneの楽曲制作に臨んでおります。


–:今後、anemoneとして現在の方向性と異なる音源を作る可能性はありますか?
ninomiya tatsuki:Yikiiさんの声質を活かしたASMRのようなトラックも作りたいですし、Yikiiさんが相対性理論というバンドが好きなこともあり、そのようなトラックを制作するのも面白いかなと思っています。トラックの方向性に関しては、完全にその時の私の気分次第なので今後どのようなトラックが出来るのかはまだ分かりません。
–:フィジカル化するにあたって、リミックスやリマスタリングをしていますか?
ninomiya tatsuki:リミックスはしておりません。マスタリングは私がしています。ですが、私は技術やセンスに乏しいため、ミックス・マスタリングに関してはとても未熟です。今後そのような技術を身につけ、さらにanemoneのトラックを良くしていきたいと心から思っております。
–:Yikiiさんもトラックを制作しますしninomiyaさんもご自身でボーカルを入れたトラックを制作されていますが、ポジションを交代して…という事を考えた事は?
ninomiya tatsuki:それは考えたことはありません。
–:過去にSoundCloudで発表した作品のうち、「sad」は今回のアルバムには入らなかったようですが、今回のアルバムの選曲基準はどのようなものでしたか?
また、anemone名義の未発表曲はありますか?
ninomiya tatsuki:選曲基準はあまり考えずに、今までSoundCloudにアップロードした中でお互いの好みの楽曲を選びました。とりあえず曲が完成した時点でSoundCloudにアップロードしているので、未発表曲はありません。



–:アートワークはYikiiさんとうかがっていますが、アートワークについてお互いに意見を出し合ったりして制作をしていますか?
ninomiya tatsuki:今回のアートワークは、見ての通りYikiiさんの写真を使っております。CDケース内側のイラストもYikiiさんが描いたもので、アートワークの担当をYikiiさんにしました。写真の加工をしたのは私です。
–:加工は具体的にはどのような作業をしましたか?
ninomiya tatsuki:具体的に言うと、私はPhotoshopやIllustratorなどのソフトを所持していないので、Macのプレビュー機能やInstagramの写真を加工する機能で作りました。作ったって言える程でもないのですが。


–:最後に、読者の方にメッセージをお願い致します。
ninomiya tatsuki:anemoneはマイペースに活動していくユニットですが、2ndアルバムの制作も考えていますのでどうか末永く応援していただけると幸いです。何卒よろしくお願い致します。




『anemone』/ anemone
2018年1/17リリース
フォーマット:CD/デジタル配信
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD75(CD)
価格:¥2,100(CD)
【Track List】
01. materia
02. killing me softly
03. tablet
04. vain
05. insomnnia
06. pain
07. requiem
08. float
09. memory
10. 夢うつつ
11. sakayume
12. fill
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Tower Records




2018.1.28 17:00

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