【INTERVIEW】もりばやしみほが語る、ハイポジ今昔物語

ハイポジといえば、カセットテープ、もしくはそれを題名に関した漫画を連想する人も多いことだろう。だが、日本のポップ・カルチャー史を振り返ってみた場合、忘れてはならないのが、もりばやしみほを中心に88年に結成された伝説のユニット、hi-posi(ハイポジ)の存在だ。近藤研二、松前公高、山口優、荒木尚美など多数の天才奇才鬼才ミュージシャンが在籍し、ワールド・ミュージックからテクノ・ポップまで、多種多様な音世界を自由に縦断したカラフルな音世界は、まさに唯一無二のものであった。
そんなハイポジの初期自主カセットを初CD化した『ハイポジ・カセット hi-posi early days 1988-1993』が、今話題になっている。購入層は当時のファンがメインかと思いきや、ネットなどを通じてその魅力を新発見した若い世代も多いという。こうした再評価の広がりをさらに盛り上げるべく、もりばやしみほの最新インタビューをお届けする。

まさか、テープがちゃんと聴けるなんて思ってなかったし……くっついてたりして聴けないんじゃないかと思ってました

–:まず、初期の自主制作カセット「天下のハイポジ」 (1989年)と「ハイポジデモテープ 93 秋」 (1993年)が、2in1で初CD化されることになった経緯を教えてください。
もりばやしみほ(以下、M):ディスクユニオン金野さんに声をかけていただいて♪
–:もりばやしさんも、いつか機会があったらCD化したいと思っていたのでしょうか?
M:全く考えていませんでした(*^_^*)まさか、テープがちゃんと聴けるなんて思ってなかったし……くっついてたりして聴けないんじゃないかと思ってました(*^_^*)
–:もとのマスターテープは誰が所有されていたのですか?
M:けんちゃん(近藤研二)。
–:近藤さんがマスタリングされた音を聴いてどう思われましたか? 新たに発見したことはありましたか?
M:けんちゃんが、ものすごく一生懸命やってくれて……確か11バージョン位あって!!
途中、私が重低音好きなこともあって全体にローを上げてもらったら、曲によってバランスが変になったりしたのですが、けんちゃんの試行錯誤の結果、ベストな音になったと思います♪ 新たに発見したこと……当時はまだ自分が重低音好きなことを分かってなかったのもあるし、ミキシングでどこまでいじれるのか、あまり分かっていなかったことかな。



わたしのアレンジのやり方は、とにかく自分の好きなものを詰めこむというやり方なので、面白い化学反応が生まれるという予感があったというより、むしろヘタウマ・ブラス・バンドが主役の意識でした

–:もりばやしさんはハイポジの前に森林倶楽部、WOOD the POPといったいくつかのバンドをされていたそうですが、それはどういったバンドだったのでしょうか?
M:森林倶楽部は、名前こそわたしの名前が入ってますが、実態は高校のころ長崎でバンドをやっていた友人(アップルヘッドのフレディ氏)が通っていた専修大学の軽音楽部の中の1バンド。歌わないかと誘われてやっていたバンドですので、リーダーではなかったですよ。アップルヘッドのさゆキャンディ氏も在籍してました。
WOOD the POPは、ギター近藤研二、ドラム夏秋冬春、ベース西嶋二郎ほか……メーザーハウスという音楽学校の橋本一子さんのバンド・アレンジのクラスで一緒だったメンバーで作ったバンドでした。
実は最初に組んだバンドは、コンプレックスという名前で、高校時代、長崎で初めて組んだ、ベースが河村徹(現・フレディ)+キーボード矢田勲の3人の打込みユニットでした。
ちなみにバンド名はフレディ君の命名です。当時は長崎大学のシンセサイザー研究会からいろんな機材を貸してもらって、最初の録音はラジカセ2台を使って空気ピンポンしてました。
–:それらの音楽活動を経てハイポジが結成されるまでの流れはどういったものだったのでしょうか?
M:ほとんど覚えてなくて、けんちゃんじゃないとわからない。
–:もともとハイポジではどういった音楽をやろうとしていたのですか?
M:当時は、とにかくヘタウマのブラス・バンドのアレンジがやりたくてしょうがなかった。あと変拍子とか転調とかテンポ・チェンジが楽しくてしょうがなかったです。
–:ヘタウマのブラス・バンドのアレンジ、という発想には、通常のロック・バンドのフォーマットにおさまらないハイポジの音楽性が早くも現れていると思います。そもそも、ヘタウマのブラス・バンドのアレンジをやりたくなったのは、自分の歌とブラス・バンドが合わさることで面白い化学反応が生じるだろう、という予感があったからなのでしょうか?
M:いえいえー。長崎時代、近所の中学校のブラス・バンドの音がヘタウマでなんとも可愛らしくて、とっても好きでした。わたしのアレンジのやり方は、とにかく自分の好きなものを詰めこむというやり方なので、面白い化学反応が生まれるという予感があったというより、むしろヘタウマ・ブラス・バンドが主役の意識でした。とにかくヘタウマ・プラス・バンドのアレンジがやりたかった!歌の方が、添え物だったかもです(*^_^*)。
あと、父がクレージーキャッツが大好きで、毎日クレージーキャッツの歌を歌ってるような人だったので、わたしもめちゃくちゃ影響を受けて。京浜の社長(岸野雄一)とも最初クレージーキャッツのことで盛り上がって仲良くなった記憶があります♪



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『ハイポジ・カセット~hi-posi early days 1988-1993~』
/ hi-posi
2020年8/19リリース
フォーマット:CD
レーベル:SUPER FUJI DISCS
カタログNo.:FJSP399
価格:¥2,500(税抜)
【Track List】
01.さかさまの世界地図
02.君の成分表示
03.デンワ DE デート
04.セミ・ヌード
05.エヴァ エヴァ ペー
06.じのじの
07.すてきな GOGO
08.あべこべカタコンブ
09.POOL’S PARADISE
10.だんご虫の歌
11.だんご虫の歌 カラオケ決定版!
12.隠しトラック
13.僕でありたい
14.体重分の愛
15.いいわけ
16.Moon River
17.All You Need Is Circle
18.悲しいことなんかじゃない
*1-12:天下のハイポジ(1989)
*13-18:バカザルテープ(1993)
ディスクユニオン
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【ハイポジ】
もりばやしみほ:vocal, keyboard, percussion, chorus
近藤研二:guitar, banjo, ukulele, chorus

・1-12 Members
松前公高:MC500
菊地成孔:tenor sax, baritone sax
西岡弘之:trumpet
増井朗人:trombone
荒木尚美:bass
池松由美子:chorus
佐藤園美:chorus
渡辺等:contrabass
夏秋冬春:drums
神戸誠:chorus
石井ミンコ:chorus
山口優:MC500
engineer:山口優
Sep.-Dec.,1988

・13-18 Members
栗原正己:bass. recorder. keyboard, programming
横銭ユージ:drums.
ピノ晃:accordion, keyboard, percussion, chorus
川口義之:sax. recorder. percussion, chorus
関島岳郎:trombone, recorder.
駒沢裕城:pedal steel guitar
engineer:坂井利徳、栗原正己(M18)
Autumn, 1993

words:もりばやしみほ
music:もりばやしみほ、Henry Mancini(M16)
arrangement:もりばやしみほ(M1-12)、ハイポジ & Members(M13-17)、栗原正己(M18)
produce:ハイポジ




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2020.10.20 12:00

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