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そこから抜けだしたくてどこか遠くにいこうかな、と何となく考えてたんですけど

–：地元の岡山から東京に出てきてからどのくらいになるんでしたっけ？

かねこきわの：今年で3年目ですね！永遠に岡山弁が抜けないです……。

–：東京に出てきたのはどんな理由で？きっかけなんかもあれば。

かねこきわの：地元にいると甘えが出てきて、何かと理由をつけて音楽が出来ない言い訳を作っちゃってたんですよね。バイトが忙しいとかアイディアが降りてくるまで友達と遊ぼう、とか。
そこから抜けだしたくてどこか遠くにいこうかな、と何となく考えてたんですけど、東京でライブをさせてもらった時に思った以上に見に来てくれる方がいたんですよね。地元だと友達が1人来てくれたらすごい！って感じだったんですけど。
東京の方が怖いけど、聴いてもらえる可能性が広がる！と思って飛び出して来ました。

–：実際東京出てきて可能性広がりました？

かねこきわの：東京はライブハウスの数も多いし、出会うアーティストさんがたくさんいるのでやる気はどんどん増えていきましたね！意識の問題でもあるとは思うんですが、私は東京に来てよかったなと思いました！

–：東京で出会って印象深いアーティストさんやライブハウスってどんなところあります？

かねこきわの：大体、今仲良くしてくださってるアーティストさんは岡山にいる時に出会ってるんですけど、東京で出会った縛りで言うとabenieのうちだゆうさんですね。abenieの曲も岡山にいる時から聴いててハマってたんですけど、ライブを見に来てくださっててそこからパフェを食べに行きましょうって約束をして、いつも聴いてる大好きな音楽はどうやって作られてるんだろう？って毎回質問しちゃうんですけど気づいたら世の中のヤバいことについての話題になってるんですよね（笑）そしていつもパフェしようって言って遊びの約束をするのに、未だに一回もパフェを食べたことがないんです。カレーとかケーキとかばかり。
ライブハウスで言うと、ずっとお世話になってる高円寺U-hAは店長がアーティストの事を第一に考えてくれているのが伝わっていつも心が癒されます。
あと、大久保ひかりのうまでライブする時なぜか毎回「今、私東京にいるんですけどーー！」みたいな気持ちになります（笑）どっちも大好き！

自分にプレッシャーをかけるために始めました

–：12ヶ月連続のシングル配信企画お疲れ様でした。あれってどういうきっかけで始めたんですか？

かねこきわの：東京に来てから、月に4回ほどライブをするようになったんですけど、上京した年の終わりに「私結局何も頑張ってないな？？」と気づいたんですよね。
そこで、とりあえずどうにか作曲のレパートリーを増やそうということで タイトルテーマを決めてTwitterのフォロワーさんたちに宣言したら逃げられないから……って自分にプレッシャーをかけるために始めました。

–：毎月プレッシャーすごそうだなと思いながらTwitter追ってました（笑）曲の振り幅をかなり作っているのを楽しんでましたが、曲を作るときは曲調を最初に決めるんですか？それともテーマを先に？

かねこきわの：まず最初にタイトルを決めて皆に宣言して、そのあと曲調を決めたりします！まだ挑戦したことない音楽を色々考えて、そこから歌詞とかアイディアを練っていきます。月末に（笑）

–：あのシングルリリースのシリーズは作詞、作曲、レコーディング、マスタリング、ミックス全部一人でやってるんですよね？

かねこきわの：マスタリングはやり方わかってなくて、毎月ごとに音量が大きくなっていってると思います（笑）
でも全部自分で演奏までやり遂げましたね！テーマというか、曲調が被ったら聴いてくれる人がつまらなくなっちゃうからと思って 気づいたらジャニーズ系の曲にまで手をだしてましたね。
アレンジの方法やミックスの仕方、リバーブのかけ方とか勉強しながら出来たらすごくパワーアップするのでは、と思っていたんですけど、毎月曲を作り始めるのが遅すぎて結局「もう時間がないから、とりあえずこれでいいな！」と自分に言い聞かせてわからないまま……って感じですね（笑）

–：ジャニーズ系って「シトラス」ですよね。嵐テイストの。これどういう時にテーマ思いついたんですか？

かねこきわの：「8月のテーマだから、夏の爽やかな曲作ろう」ってなってシトラスっていうタイトルが決まって、サビの「暑くて～逃げられない」部分のメロディーが思い付いて、これちょっと嵐っぽくない！？と思って5人になりきって歌いました（笑）普段は絶対書かないような男の子目線の歌詞とかラップとかに挑戦しましたね。

シトラス

–：ああ、男性目線ってあまりないかもですね。椿目線はあるのに。そういえばこういう少しファンタジックなものも含めて「ストーリーを仕立てていく」のって「ヘルシーなんちゃらステレオ」（※注釈：かねこきわのが不定期で制作してYouTubeに公開しているラジオ番組）やmoka&canon（同郷のシンガー・ソングライターさとうもかとのユニット）の作中の掛け合い（デートする男女の1日を歌った曲中で2人の掛け合いがある）でも思うんですがかねこさんのテイストの一つとして重要な位置を占めてると思うんです。そういうストーリーを形にしていくのってやはり楽しさありますか？また、音楽以外でそういった表現を露出したりする事はあります？

かねこきわの：私、高校生の時に小説を書いてたんです。今読み返すと本当に頭がおかしいストーリーなんですけど。
それが原点みたいな気がしますね！
曲を作る時にも登場人物はこの二人で、こういう性格で、喫茶店にいてそこの照明は少しオレンジでお水のグラスはちょっと持ちにくい形で……みたいな 細かい設定とかも考えてしまうんです。忘れたりもするけど。でもきっと、だからこそ私の歌詞って意味がわかりにくかったり突拍子もなかったり、って感じられるんだと思って。
昔はそういうのを理解されないのがすごく嫌で悩んでたんですけど、今は私の作品なんだし、って思って楽しんで作れるようになりました！
いつか書きかけの小説を完結させて日の目を浴びさせたいですね。

結構海外の方からコメントやいいねが来てて驚きました

–：ミックスやマスタリングはどんな形で勉強したんですか？

かねこきわの：YouTubeとかで、ミックスの方法を見たり、Googleで調べたりですかね……未だにわからないままなので誰か教えてほしいです。

–：そういえばミックスやマスタリングじゃないけど、クラシックの作り方……というか「この音何？」って質問や（「悲しくなればピザ」という曲の制作中に）「ピザの音」のイメージをリサーチしたりしてましたよね。

かねこきわの：私、人が思っている以上に音楽の知識がなくて オーケストラで使われてる楽器の名前もバイオリンと大太鼓くらいしかあんまりわかってないし、かといってこの気になる音がなんていう楽器なのかどう調べればいいのかもわからないからとりあえずTwitterのフォロワーさんたちに教えてもらったりしました。
ピザの音も、ピザっぽい音ってなんやねん！と思いつつみんなにアイディアをもらったりして無事に完成することが出来ました！制作状況を大っぴらにしすぎて冷静に考えると恥ずかしいんですけど（笑）

–：制作環境ってどんな感じですか？DAWはどんなものを？

かねこきわの：cubaseを使って、キーボードで直接演奏しながら打ち込んでます。パソコン苦手なのでいまだに使いこなせてないのですが、10年後くらいには何がわかってないのかわかるくらいにはなりたいですね……！

–：歌録りは自宅で？

かねこきわの：歌もギターも部屋で録ってます。ただ、楽器禁止なのですごくこっそり録ってます。

–：一番大変だったのってどの曲になります？

かねこきわの：どれも大変だった思い出しかないですけど、本気で諦めかけたのは9月のテーマ「ハートは消えない」ですね。
チップチューン？8bitの曲にチャレンジしようと思ったんですけど、奥が深すぎて短期間でノウハウ得るのは無理だな、と思いました。しかも途中でリズムや拍子が変わるしこれどうやってスムーズに繋げればいいのかわからんわ～！ってなってました。 9月はなかったことにして10月のテーマタイトルを考えたりもしたんですけど何とか発表できてよかったです！9月に間に合ってなかったけど（笑）

–：一番リスナーから反響があった曲ってどれでした？

かねこきわの：「椿」が一番人気ですね……！結構海外の方からコメントやいいねが来てて驚きました。結構苦労せずに作れた曲なので、これがこんなに聴かれるとは！って感じでした。

–：自分で一番気に入っているのは？

かねこきわの：日によって変わるんですけど、「マダムにはならない」っていうタイトルは自分の作品の中で一番好きかもしれません！

–：やり残したジャンルやこれやっとけばよかった！ってジャンルはあります？

かねこきわの：ノラジョーンズみたいな、カフェで流せるような上品なタイプとか、演歌とかいつか作りたいなって思ってます。演歌は多分ラジオ行きだと思うけど（笑）

–：これらの楽曲ってまとめてリリースしたりする予定はありますか？

かねこきわの：12ヶ月まとめて制作時の思い出とかも書いたzine付きのCDとか、生きてるうちに数量限定で作ろうかな～とは考えています！欲しい人いるのかな？？？って感じですけど（笑）