【INTERVIEW】錯乱前戦『あッ!』
「高校3年間よりも、卒業後のここ1年くらいがとても濃いですね。」(山本)
- –:さっきまで高校の頃から今の活動に至るまでの話をさせてもらっていて、メンバーが時たま話していたんだけど、山本くんが中心になってやっているのがよくわかったんですよ。
- 山本:はい。
- –:曲のアレンジも山本くんが色々と指示を出したりするということも伺ってたんだけど、歌詞に関しては、山本くんが一人で考えてくるの?
- 山本:歌詞に関しては、曲を持ってきた人が考えるって感じですね、僕が曲をもってきたら僕が作るし、成田が持ってきたら成田が考えてくる。歌いにくいところがあったらガッツリ変えたりもしますよ。でも内容そのものまで変えるっていうのはないですね。言葉が直接的だったら、抽象的にしたりしてね。
- –:バンド名を考えたのも、大元は山本くんが持ってきたネタだったみたいで。
- 山本:僕が確かに持ってきましたね、懐かしいな……
- –:いまは20歳?
- 山本:まだ19歳ですね、これから僕みたいに20歳を迎えるメンバーも何人かいますよ。
- –:高校3年間の話を聞いたとき、とても濃い3年間を過ごしているなと思ったんだけど、山本くんとしてはどう振り返る?
- 山本:うーん……高校3年間よりも、卒業後のここ1年くらいがとても濃いですね。
- –:ライブ活動をやってきたからですか
- 山本:(頷く)高校というと、大学受験のために一旦バンド活動を止めていた時期があって、そこで音楽の聴き方が変わったことを思い出しますね。RCサクセションにハマったんですよ。
- –:どのアルバムをよく聴きました?
- 山本:そのタイミングだと、『Baby a Go Go』です。実は一番最後から逆順に聴き始めたんですよ。その後に『RHAPSODY』を聴いたんですよね。高校3年のお年玉でめっちゃお金があって、「めっちゃ買い漁ってやろう」って思ってやってみたんですよ(笑)
- –:メンバー4人と話しをしていて、全員共通で尊敬するバンドととしてハイロウズを挙げてました。やはりブルーハーツやハイロウズ、甲本ヒロトさんには憧れはありますか?
- 山本(Vo.):うん、もちろんあります。THE BLUE HEARTSと出会ったのが音楽との出会いだったんで、なおさらそうですよ。小学校5年のときだったと思います。太鼓の達人に入っていた「TRAIN-TRAIN」ですね。そこではゲーム用で甲本さんが歌っているわけではなくて、「良い曲だな」と思っていたんです。そのあと、実際にライブで歌っている姿をみて、そこからはもう……。
- –:憧れのバンドマンをあげるとして、甲本さん以外だと誰が上がります?
- 山本:マーシー……っていうとあれですね。でも、カッコイイバンドマンはみんな尊敬してますよ。
- –:ちょっと変な質問をしてしまうんですけど、山本くんのなかで、ロックバンドがカッコイイ瞬間ってどんなときでしょうか?
- 山本:……ジャァーン!(ギターを弾くふり)
- 一同:(笑)
- 天野:わかるわ、うん(笑)
- 山本:瞬間は……どんなときでしょうね。ドカーン!と来るときとしか言いようがないですよね。出てきた音がスゴイカッコイイとき、という感じででしかないですね。
- –:ありがとうございます。バンドを始めるときは、楽器をやろうと思った?それとも最初からボーカルをやろうと思ってました?
- 山本:ボーカルですね。THE BLUE HEARTSを好きになったあとは、ストーンズを好きになって、クイーンを好きになって、ピストルズを好きになったんですけど、みんな手ぶらで歌ってたんですよ。その影響もあって「ボーカルは手ぶらで唄うもの!」と思っていたので、ピンボーカルでやってますね。あと、中学校の時とか、ミック・ジャガーのものまねとかしていたので、「唄いたい!」というよりも、「踊りながらなにかしたい!」っていうほうに憧れが向いていたんですよ。
- –:4人と話していて意外だなと思ったのが、「いまは音楽制作したいんです」という話です。最近は時間が取れてなくて、もっとガッツリと時間をとってやりたいんですって話をしていたんですけど、山本くんも同じような気持ちはあるんでしょうか?
- 山本:うん、確かにそうです。点々とライブがあるよりも、ギュッと音楽を作って、バーッとライブをやる時期があればいいと思うんです。
- –:さっきは2週間くらい曲作りの時間を取りたいなんて話もあったんだけども、新しく曲を作りたい欲求も強いということ?
- 山本:ぼくは1カ月くらいあったほうが良いかな。2月とか寒いし、家やスタジオにこもって曲作りする期間にしたいですよね。
- –:続くような話題ですけど、もしも1カ月くらい曲作りする時間をもらえたら、バンドとしてどんな曲をつくりたいでしょう?
- 山本:それはちょっとわかんないですね、どんなものが生まれるのか…バンドでやってみてからですよ。
- –:ありがとうございます。サマソニ以降、ずーっとライブをし続けてきて、今以上のライブをするならどんなことが必要だと思いますか?、楽しい以外で。
- 山本:気持ちいい(笑)
- –:そりゃそうですね(笑)
- 山本:あと、女の子がたくさんいたらいいなと思います。男の子もいてくれたら、もちろんいいなと思いますよ。
- –:なるほどです。これまでやってきたライブのなかで、印象深いライブや思い出に残るライブはなんでしょう?
- 山本:つい先日ですけど、りんご音楽祭ですね。あとは、京都nanoでのライブです、みんな知らない人ばかりだったんですけど、すごくいいムードでライブができたんです。でも、印象に残ったと言われると、良いときよりも悪い方を思い出してしまいますね・・・僕は。単純に気持ちよく歌えなくて、消化不良だったりして気持ち悪い感じがずっと残るので。
- –:いまバンドで歌っていて、カッコイイ瞬間ってどんなときでしょう?
- 山本:うーん、カッコイイ瞬間より、楽しい瞬間のほうがパっと思い浮かびますね。曲の間奏部分のときは楽しいときですね。
- –:意外ですね。歌っているときだと思ってました。
- 山本:もちろん歌っているときも楽しいんですけど、間奏部分で踊っていられるのが良いんですよね。この4人と一緒にやっていると、ただ聴いているだけでも「うおあああ!!!!」ってなれるんですよ。その気持ち良い感じをうけて、オレも歌に繋げたいんですよね。
- –:バンドでこういうことができれば良いなっていう夢はありますか?
- 山本:カッコいい曲を作って、カッコいいCDを作って楽しいライブをやる、それ以外は特にないですよ。最近バンドマンの人と話す機会が増えて、将来のこととかも話すことがあるんですけど、ロックンロールバンドをやっている以上、コードを鳴らしただけでカッコいいみたいな、そういう瞬間がなけりゃダメだと思うんです。俺はそこにいたいんです。
インタビュー・文:草野虹 2018年9月23日 新宿にて
2018.11.9 22:00
カテゴリ:INTERVIEW, PU3_ タグ:JAPAN, 錯乱前戦
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