【INTERVIEW】エレファントノイズカシマシ
なんかね、最初は友達になりたかった。
- —そもそもノイカシっていつぐらいに結成したんですか?
- 片岡:初ライブの時は多分2012年の夏ですね。
エレファントノイズカシマシ、初ライブ
- —じゃあもう4年ぐらい?結構長くやってるんですね。
- 剤電:僕は途中で入ったんです。
- —エレファントノイズカシマシ結成当初はどういう感じで始まったんですか?
- 片岡:んー、俺と小林ムークで、「なにか2人でやろうよ」みたいな感じで。
- 小林:あんまり演奏とか考えてなくて。なんか、でかい音。
- 片岡:そう、なんかでかい音(笑)俺はノイズとかよくわかんなかったんで。
- 小林:僕もエフェクト2個だけで演奏してました。
- 片岡:俺も、リバーブとフェイザーしか持ってなかった。ディストーションさえ持ってなかった(笑)
- 小林:何もなかった。音が出てんのかすらわかんない(笑)
- 片岡:何から音が出てんのかすらよくわかってなかった(笑)
- 小林:最初の演奏はクラブ棟(多摩美術大学奥地に存在する魔窟)のちっちゃい部室みたいなとこでやりました。最初は二人でやってたけど途中で片岡が窓から出てブロックかなんかを壁に投げて…
- 片岡:後からすごく怒られてね(笑)当時は、ノイズも全然詳しくなかったんですよ。
- —そういう所がスタートなんですか。
- 片岡:そうそう。なんかね、最初は友達になりたかった。
- 小林:ノイズで?
- 片岡:小林くんと何かを一緒にやりたくて。で、彼の好きなものって何なのかなって考えると普通のバンドって感じでもなさそうだったし、俺も曲作ってバンドやるってのは、当時は時期的に色々あってちょっと辛かったから。じゃあノイズかな?って。
- —比喩とかじゃなくて本当にコミュニケーション目的だったんですね(笑)
- 剤電:それ、やばくないっすか?「友達になりたいからノイズやる」って(笑)かなりジブリ感ありますね(笑)
- —しかもブロック投げて(笑)
- 片岡: sachikoMさんがインタビューで言ってたんですけど、繋がりたいから、関わりたいから勉強する。英語とかと一緒みたいな感覚で、コミュニケーションをとりたいから共通言語になるものを学ぶ。それがノイズだった。
- —それでコミュニケーションが始まった側としてはいかがですか?
- 小林:それを始める前から結構目立ってたからね、片岡(笑)
- 片岡:あざす(笑)
- 小林:面識がない頃ぐらいから、なんかオシリペンペンズみたいな動きしてライブやってるところを見てるんですよ。
- 片岡:あー、バンドでボーカルをやってた時ね。
- 小林:なんか動きが、自分のライブ以外でも動きがやばくて。「あいつやばいぞ」って。だから、ある程度やばいのは了解済みみたいな所があった。
- 片岡: ウエスタンっていう軽音サークルが多摩美にあるんですけど、一年生はそこで、自分の好きな音楽のミックスCDを作るんですよ。それを勝手に全部持って帰って聞いたんですけど、みんなつまんなかったのに彼(小林の音源)のは面白くって。で、この人、なんだろうと。
- —そしてノイズでのコミュニケーションに至るわけですね(笑)
- 片岡:(盛大にくしゃみ)
- —花粉ですか?
- 片岡:鼻が詰まって息ができません。
- 小林:鼻で息出来ないって生き物として大分やばいんじゃ…
- 剤電:僕は最初ただのファンだったんですよ。
- —あ、そうなんですね。
- 小林:最初どの辺で見てたんでしたっけ?オルグ?(オルグ:かつて池袋で営業していたライブハウス)
- 剤電:オルグでしたね。その時、僕、法政のサークルで別のバンドやってて。ちょうどノイカシを知る前後くらいからソロとかで音源出してたりしてて、その関係で早稲田のミュージックインっていうインカレのサークルと仲良くなったんですよ。そのミュージックインでオルグで企画やってる子がいて、その縁でオルグでやってるノイズの企画に僕が即興で出て。その時にみんなが「エレファントノイズカシマシ」っていう酷い名前のバンドが出るんだよって言ってて。
エレファントノイズカシマシ / 南池袋ミュージックオルグ
- 一同:(笑)
- 剤電:その時はドラムにモギさん(MOGIKOJIN)がいたんですよ。他に…抜けちゃったんですけどギターの人が二人いて、僕の前のベースの人がいて。それ+この2人の6人でやってた。そしてライブ見たらすごく良くて。そういう話をしていたら片岡さんの個人企画に僕のバンドが呼ばれたり僕のバンドの企画にノイカシ呼んだりしていたら、(ノイカシから)ベースの人が抜けちゃったんですよね。そして募集かけてたから僕が入ったんですけど、その時に僕のバンドでドラム叩いてた岡本ノイズ広場…彼、ノイズすごく好きだったんで「一緒にやらない?」って言ってノイカシに入れて。そして今は彼、金属をこすったり料理作ったりしてます。
- 片岡:後、叩いたりね。
- 剤電:叩いたり。後、赤ちゃんの世話をしたり(笑)
- —かなりオールラウンダーな方ですね(笑)
- 剤電:一番料理ができるんですよ。クッキングパパみたいな(笑)
- —その辺、知らなかったんで、この間、四谷アウトブレイクでのトイレ工事とのセッションを見ていたら、いきなり岡本さんが鍋を出してきて料理が始まった時、やばさを感じた。
エレファントノイズカシマシ VS トイレ工事
- 片岡:真面目な話、3時間もかけてライブやってると(トイレ工事とのセッションは演奏時間が4時間ほどあった)お客さんとの境界がなくなってくるじゃないですか。「一緒にあと1時間がんばろう」ってなってから最後一緒にお客さんと同じご飯を食べる。ってのはかなりのカタルシスがあるなって。
- —最初、いったい何が始まるのかと思いましたよ。
- 片岡:あの人、ナンも作れるしピザも作れる。ノイズもできるコック(笑)
- 剤電:料理もできるノイズミュージシャン(笑)
- 片岡:新しいですね(笑)
- 剤電:岡本さんは最初ドラム叩いてたんだけど、そのうち進化しちゃって(笑)なんか鉄の塊とかを…タワーみたいなのを作っちゃって。
- —先日の四谷のコイルみたいなのとか??
- Z・K:あんなレベルじゃない(笑)
- 剤電:片付けで1時間ぐらいかかる(笑)その時、ノイカシはまだリハっぽい事してたんですけど、練習終わって控え室でだべってても岡本さんが帰ってこないんですよ。で、見たらスタジオの廊下で何かを紐で縛ってるっていう。
- 小林:なんか木片みたいなのが散らばってて。
- 剤電:で、あの人、船乗りの結び方とか全部知ってるんですよ。何結びとか…ロープワークを。それだけのために凄い勉強して。
- —ノイズから料理からロープワークまで(笑)全てにおいてガチな人なんですね。
- 剤電:その時は凄いデカい金属を使ってて、アンプラグドでやってたんで、ライブの最後に岡本さんが金属の束に巻きつかれてぐちゃぐちゃになって終わるとかやってましたよね。
- 小林:そうそう。面白かった(笑)
- —小松(成彰)さんって結構気になっているんですが、彼はどのくらいのタイミングで加入したんですか?
- 剤電:彼は僕と岡本さんが入って、その後ですね。
- 剤電:当時、ギターの子が2人いたんですけど抜けちゃって。それと前後する感じで小松さんが片岡さんと対バンで知り合って。そしたら小松さんがノイカシに興味あるから一緒にやりたいって言って、一緒にスタジオ入って。最初ギターだったんですけど、ディジュリドゥ習い始めて、ライブで使い始めたらいい感じで。
- —四谷で(トイレ工事)ライブ後にお話伺った時も「小松さんのディジュリドゥがいないんで…」ってお話でしたよね。
- 剤電:そうそう。あの時はいなかったんで…。
- 片岡:あの時の小松さんは魔術監修。
- 剤電:儀式監修。
- 片岡:ステージに祭壇があったんですけど、そこに置く祭具、ナツメグとかみたいなのを監修してもらいました。
- —前日に、儀式で使う穀物とかをtwitterで募集してましたね。小松さんは魔術師って触れ込みでしたが…。
- 剤電:(真顔で)ガチです。
- 片岡:本物ですね。悪魔召喚できるので。小松さん怒らせるとやばいです。
- 小林:今日はものが壊れるから気をつけた方がいいって言ってる時に怪我したりとか。
- 剤電:あー、そうでしたね!そういえば!!
- 小林:多摩美のライブの時ね。
四谷のコイルみたいなの
小松成彰 / 悪魔召喚の模様
片岡フグリ、多摩美でのライブで鉄骨を殴打し拳に3針縫うケガをしたときのライブ
2016.6.26 20:00