【INTERVIEW】onett『LAST ROMANTIC!』

「誰かと一緒につくること」と「締め切りの設定」により、アルバムへのモチベーションが爆上がりし、つくることができました〜!
- –:『LAST ROMANTIC!』拝聴しました。常にonettさんのテーマにはロマンティックがあると思っているんですが、今回タイトルからして「LAST ROMANTIC!」なんですね。
- onett: 聴いていただきありがとうございます!はい!おっしゃるとおり私の音楽に通底するテーマとしてロマンティックはあります。それは姿形を変えながらも今後も続いていくでしょう。
『LAST ROMANTIC!』という今作のタイトルにはロマンティックに「last」という形容詞がくっ付いてますが、これは「いちばん最後の」という意味であり、この「いちばん最後の」というニュアンスは「final」のような終末感ではなく、「最新の」というニュアンスに近いです。もう少し言うと、私やあなたの毎日には常に膨大な量のニュースが漂流し続けますが、ロマンティックは更新されることはなく常にいちばん最後に残り続ける!というニュアンスになります。
- –:アルバム制作はいつ頃からスタートしましたか?また、今作はM10「エブエブ」とM03「真・三井のために」以外は未発表かと思うんですが、主にいつ頃作られた楽曲なんですか?
- onett: おっしゃるとおり「エブエブ」は2023年のデジタルシングル、「真・三井のために」は2015年に発表したアルバム曲のリメイクですが、それ以外の曲は主に2024年の8月頃にゼロからつくり始めました。必ず曲をつくるときは複数の曲を同時進行につくるのですが最初にM14「ドレスたち」とM15「Y2K」という曲が出来て、8月のライブで演奏しています。それから2ヶ月は歌詞が浮かばず、制作が停滞していたのですが、10月に家族旅行で韓国を訪れた際に帰りの飛行機の中で10曲ほどを一気に書き上げました。自分の生活圏内にいるとどうしても同じことをぐるぐる考えちゃうのですが、韓国のソウルで好きな映画のロケ地を巡ったり、お店をまわったりしているうちに思考が切り替わり、インスピレーションを得ました。そして、いつでもオンラインに繋がる状態だとインターネットを見ちゃうのですが、機内モードにしていたおかげで集中して歌詞を書くことができました。この時点でアルバムとしてのボリュームの曲数はクリアしましたが、アルバムとしてよりバランスが取れて満足度の高い作品に仕上げたかったので11月下旬から12月の上旬にかけて3曲つくりました。

韓国旅行中のonett(大好きな映画『パスト ライブス/再会』のロケ地にて)
- –:本アルバムを作ろうと思ったきっかけやモチベーションについて聞かせてください。
- onett: 「誰かと一緒につくること」と「締め切りの設定」により、アルバムへのモチベーションが爆上がりし、つくることができました〜!
まず、前作のアルバム『エスプリ』を2020年にリリースしてからすぐにまたアルバムをつくりたいと思っていたんです。でもLAZYな性分だからどうしてもシングルやE.P.ばかり優先してつくってました。
でも本作をリリースするPASSiON RECORDSの高橋元希さん(easy、ex.フジロッ久(仮)
)がいてくれたおかげで、1人だとサボりがちで横になってばかりの自分のお尻に火がつきました。また、元希さんにリリースまでのスケジュール感を教えていただいて、だいたいの締め切り、納期がわかるようになり、どういう感じでつくっていけばいいかイメージがわくようになりました。自分の場合、孤独で締め切りがない状態だと全然アルバムができないことがはじめてわかりました(笑)
すみません、質問の意図としてそういう話じゃないですよね!実はE.P.もアルバムも制作するときに作品のテーマやメッセージやおおまかな全体像は最初に考えられないんです。1曲単位の作曲でもそうかもしれません。やりたいアレンジと降りてきたメロディとフレーズが部分的にまずあって、それらを少しずつ積み上げるようにつくっていき、その途中か完成してはじめて自分がどういうメッセージを作品に込めたいかがようやくわかるんです。そういうつくりかたをするソングライターの人、けっこう多いんじゃないかなと思ってます。今作で言うと表題曲『Last Romantic!』は収録する曲が8割くらいまで出来たときに自分が込めたいテーマがわかってつくりました。 - –:表題曲で見えてきたテーマを具体的におうかがいしてもいいですか?
- onett: それは『移動、憧れ……(ロマンスと表記したいところですが「憧れ」という言葉にしましょう)と言説的理解について』です。『(What’s So Funny ‘Bout) Peace, Love, and Understanding』みたいに言いましたが(笑)。
移動についてはアルバムのブックレットに手紙という形で記しましたので、(読者の目をチラチラ見ながら)もしよければご購入いただきご覧ください。憧れについてはそうですね……緊密な国際情勢、長期間のデフレから急速にインフレが加速する日本の経済、政治の腐敗や情報社会に翻弄され、そんな中で過酷な条件で長時間労働を引き受ける昨今の私たちですが、どんな状況でも私たちはその中にある何かに憧れを見出します。組織の先輩だったり、好きなフィクションのキャラクターだったり、YouTuberだったり、動物だったり、同じ給食を食べる友達だったり、海や山だったり、そこには男女二元論からなるシスヘテロな恋愛関係がマイノリティに見えるほど多種多様なロマンスがたくさんあることに曲を書きながらは私は気づいたのです。この気持ちはなんだろう。出したいLOVEだったら言葉や行動でその方向に伝えることができれ良いのですが、秘めたいLOVEが溢れてる。ノイズとともにシェアしたくない気持ちがいつでも眠ってる。しかも、それは私たちが生まれる前から昔の人たちがすでに持っていた気持ちであるような気がします。凄いスピードで膨大な情報が流れ、経済的に切迫している今の時代だから顕在化してるだけで。そのことを本作で自分はアルバムが8割くらいできたときに思ったんです。そしてそれは、いちソングライターとしての音楽である以上そういう気持ちはインタラクティブに展開しないし、ナラティブでなくてはならないと思います。それが本作のテーマ『移動、憧れ、言説的理解について』になります。 - –:今作の制作には高橋元希さんの存在が大きいようですが、元希さんとはどういうご縁で知り合われたんですか?
- onett: フジロッ久(仮)も好きですが、元希さんのソロ活動がめちゃ好きで10年以上前からこちらは一方的に知っていたのですが、2021年12/26に調布Crossで行われた『The Third Time』というイベントにonettが出演したときに元希さんも遊びにいらしてて、私のライブを見てくれて終演後に話しかけてくださったのが知り合ったきっかけになりますね。

PASSiON RECORDSのイベントにて(中央、高橋元希氏。右端、onett)
- –:あ、その時私、現場にいました。元希さんがonettさんのステージ見た後で「onettいいじゃん!」って口にしていたのを覚えてますね。

onett出演イベントフライヤー
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『LAST ROMANTIC!』
/ onett
2025年2/28リリース
フォーマット:CD
レーベル:PASSiON RECORDS
カタログNo.:PSON-045
【Track List】
01.Stay Alive!
02.ドライブ
03.真・三井のために
04.Losing
05.Calcifer We Are
06.追憶の調べ
07.Last Romantic!
08.事物的
09.Misery
10.エブエブ(アルバム・ヴァージョン)
11.誰もが帰りたい、その後
12.結ぼれ
13.喜びの朝、アゲイン
14.ドレスたち
15.Y2K
Amazon
【初回特典】
『LAST ROMANTIC!』ジャケットイラストステッカー
※特典はなくなり次第終了となります。
【レーベル直販&ライブ物販】
初期活動秘蔵音源CD-R『ポップパンク期のオネット』
01.恋に恋した日々は終わった
02.彼氏になってよ
※特典はなくなり次第終了となります。
PASSiON RECORDS
7周年party『Thanks!』
2025年2/23(日)吉祥寺WARP&WARPスタジオより、onettの8th New Album『LAST ROMANTIC!』の先行発売が決定
吉祥寺WARPフロア内のonett物販ブースにて販売開始されます!
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PASSiON RECORDS
7周年party『Thanks!』
2025年2/23(日)吉祥寺WARP&WARPスタジオ
ACT:easy / 超右腕 / HOGO地球 / onett / fish / bulbs of passion / ちゃんちゃらおかしいズ / ゆ〜すほすてる / Superyou / ピーナッズ / ヒュードロズ / Milk&Cookie / どついたるねん / ひびわれつ / 僕のレテパシーズ / periwinkles / MEGA X / スーパーアイラブユー / オイッス / サイキシミン / さんだるズ / ゆっくり走れ / RUNRUNRUNS / THE DO DO DO’s / QUINCAMPOIX / LIFE IS WATER BAND / OMOHIDE-KYO / 山本狼煙 / 嵯峨山諒 / 森川あづさ / hypermiri / おれ、夕子。 / DJ yamapee / and more..
SHOP:HALO HALO RECORD / tunelessmelody bookstore / たざきたかなり / megumi yamazaki / ニシダキノコ / 大橋裕之 / 夕暮宇宙船 / まるちゃん食堂 / 寺田食堂
Open 13:30 / Live Start 14:00
Entrance ¥4,000(+1d)
※再入場自由(リストバンド確認あり)
チケット予約:
Tiget
PASSiON RECORDS 公式HP
PASSiON RECORDS 公式Twitter(現X)
※マスクの着用は個人のご判断となります
2025.2.21 12:00
カテゴリ:INTERVIEW, PU1 タグ:JAPAN, onett, passion records, pop, rock