【INTERVIEW】宇宙初のポエムコア・アイドル owtn.


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自分にとっての「詩」はそもそも「呼吸」に相当するものだと考えています。

owtn.さんのポエムからは思春期的な自意識や残酷さが垣間見えてその辺りがowtn.さんの核心の部分と思っているのですが、owtn.さんはどのように思われていますか?意識的に出力されているのでしょうか。
o:自分にとっての「詩」はそもそも「呼吸」に相当するものだと考えています。
世界観で言うと、自分の中でコンプレックスに思っていることが裏返しになってそのまま作品になっているとも思います。
思春期って、それまで「うれしい」とか「悲しい」とか単純だった感情が、毛細血管のように細分化していく時だと思うんです。
わたしも人間なので、日ごとに大人になっていってるはずなのですが、何か起こったとき、見たとき、聴いた時の新鮮な感情は思春期の時のままなんです。
友達や、同年代の女の子たちが「そんなことで、もういちいち感動できないよね〜」とか「ドキドキしないよね〜」とか言う些細なことにも、まっさらな感情を抱いてしまうんです。
子どものように感受性が強いのを、恥ずかしく思ったこともありました。それを詩にぶつけたり…。
実体験がそのまま詩になっているわけではもちろんありませんが、見たもの(映画や小説等)に対する感情がそのまま生きていますね。
というわけで、自分の詩の世界は、もともとは無意識に構築されたものです。
最近はようやく計算して書くということを覚えたのですが(笑)、ここでの計算というのは、言葉の選び方—…同じ言葉でも何通りも表現方法があるように、「この詩のこの部分には、どの言葉を選ぶのが効果的か」みたいな計算なので、世界観そのものを意図して作っているというわけではないかな。
アルバムやEPを作成するのには、多少なりともコンセプトは持たせますけどね。

そして、出力の方法に詩を選んでいる(というか、それしか思いつかない)時点で、やっぱり「詩を書く」ことそのものは、自分の中で呼吸をすることに等しいのだと思います。

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おもしろダークネスで披露していた「ウェイン・キャット」やミュージアムとのアプローチなどを拝見しますとアート、特に絵画やイラストレー ションへの志向を感じますが、実際にそういったアートからインスピレーションを受ける事などは多いですか?また、お好きな画家やイラストレーターさんを教えていただけますか?
o:「ウェイン・キャット」はイギリスの画家、ルイス・ウェインの絵をモチーフにしています。猫を擬人化して描くことに長けており、風刺めいたものからダークなものまでさまざまで、彼の生涯そのものにも興味を持ったので、詩にしてみたという経緯があります。
実際に、アートから受ける刺激が多いですね。良い小説や詩集を読んだから書きたくなることもありますがわたしの場合、視覚で捉えたものが文字に変換されるので、画集、映画などに影響を受けることが圧倒的に多いです。
フォトグラファーならMark Borthwick、Nan Goldin。
マンガはあまり読まないのですが、漫画家なら市川春子さん、桂正和さん、河下水希さんかな。3人とも雰囲気は違っても女性を綺麗に描いていらっしゃいますよね。
低年齢向けの作品であれば、やぶうち優さん、上北ふたごさんの絵も好きです。
あ!最近借りた、魚喃キリコさんの「blue」っていうマンガが面白くて、もっと読んでみたいなって思っています。
あと、手塚治虫さんの描く動物が大好きです。「ユニコ」のチャオとか、「W3」のボッコ隊長とか。なんていうか、すごい色っぽさを感じるんですよね…(笑)わたしだけかな…。
手塚さんの描く女性的な擬人化は私も色気を感じますね(笑)今までにもyano munenoli、Franz Snake、SCIBATTLON、mus.hiba、SLATE/Glimusといった面々がプロデュースやコラボレーションという形で制作に参加されていますが、今後コラボをしてみたい方がいますか?
o:たくさんいますが、アイドルなら「校庭カメラガール」さん!
何度か共演させてもらって、仲良し(特に、もるももるちゃん!)なのですが、パフォーマンスも曲もすごくかっこいいのです。ジャンルは全く違うけど、何らかの形で参加したり参加してもらったりできたらうれしいな〜…って。
あとはラブリーサマーちゃん、先ほどお話したPastel Pantsの里本あすかさん(ex.エレクトリックリボン)
など、今までのトラックメーカーさんは「年上の男性の方」が多かったので、女の子のトラックメーカーさんにプロデュースされてみたいな…!
という気持ちがあったりします。(笑)全く違うものが出来て、それも楽しそうですよね!

あと、これは自分の夢なのですが…いつか、宮川弾さん(ex.ラヴ・タンバリンズ)に曲を描いてもらえるくらいになりたいなぁって思っています。
たまたま聴いていた曲で「好きだなぁ」と思ったものはたいてい宮川弾さんなんです。
普段よく聴く南波志帆さんや花澤香菜さんにもよく曲を提供されていて、ウィスパーヴォイスと相性がいいんだなぁ…
いつかわたしも…って。(笑)わー、これ、初めて人に話したかも!恥ずかしいです!
現在ポエムコア・アイドルという言葉が拡散されている最中ですが、owtn.さんにとってポエムコアというジャンルはどのような存在でしょうか。
o:ポエムコアって、難解に見えて実は誰しもできる可能性を秘めたジャンルだと思うんです。
ポエムテープと、3か条(=闇、ナイフのような自意識、スケベ心)とトラックがあれば、物理的にも気持ち的にも本当は踏み込みやすい世界なんじゃないかなって。
わたしのように感情を出力したり、BOOLさんのように綿密に練られたシナリオがあったりして、それぞれの曲に物語が構築されている。
BOOLさんぽく言うと(笑)、そこに「おもしろ」さがあるんですよね、ポエムコアって。
時々ネットで「BOOLとowtn.のポエムコアは全然違う」という意見も見かけますが、一見、まったく別のことをしているようでも、実は概念や根底にあるものは同じだと考えています。

あとはプレイヤー(=ポエムコア人口)が未だに少ない…というか増えないというところで、
まだまだ伸びしろのあるジャンルかと考えています。
もしかしたらこの先ずっと未来、わたしが死んで何十年も何百年も経ってからとか、
音楽の教科書に載るようなジャンルに成長したりして。(笑)
もしそうなったらおもしろいな…。
先のことはわかりませんが、ジャンルが生まれた初期からその音楽にこだわり続けるということって
とてもかっこいいことなんじゃないかなって思います。


インタビュー/テキスト:sabadragon(@sabadragon)

Photo:minaco.(footic)



owticmode.
『owticmode.』/ owtn.
2015年6/17リリース
レーベル:MUSEUM LABEL、sambafree.inc
販売元:ハピネット
価格:¥1,512(税込)
【Track List】
1. 此岸のアリス
2. うしゃぎ’n Bas s
3. Sun Paul_610HOP
4. RE:Meillis h
5. アンドロイドハンター (発禁スレスレ☆owtn.萌え萌えみっくす)
6. jerryfish.
7. 天使志願 (2014 ver.) (Bonus track)
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2016.4.17 21:00

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