【NEWS】あがた森魚 1980年の作品『乗物図鑑』アメリカのレーベルからCDとLPで再発 & 「サブマリン/エアプレイン」が7インチでシングルカット

あがた森魚による1980年の作品『乗物図鑑』が、11/16にニューヨークのレーベルよりCDとLPで再発される。

1977年のアルバム『君のこと好きなんだ。』発売直後から取り組んだ大作『永遠の遠国』が制作途中で頓挫し約2年も表舞台から消えたあがた森魚が、大阪の最尖鋭カルチャー音楽誌ロックマガジン編集長でヴァニティ・レコードを主宰する阿木譲から声を掛けられ、来るべき80年代に向けリセットすべく、1979年11月に2日間で作った作品が『乗物図鑑』。
この直後、A児となりヴァージンVSを結成、再び成功を収め80年代前半を駆け抜けたあがた森魚の基となった重要作である。

演奏は、北田昌弘(INU)、PHEW(アーント・サリー)、Taiqui(ウルトラビデ)、篠田ジュン(SS、コンチネンタル・キッズ)、向井千恵(シェシズ、イースト・バイオニック・シンフォニア)、SAB、安田隆(飢餓同盟)、藤本由紀夫(ノーマル・ブレイン)といった関西 NO WAVE、パンク、プログレ、現代音楽の各シーンを代表するメンバーが集められた。

コンセプトはテクノ・ポップ、と阿木の明確な意図のもと、飢餓同盟のSABと音を操る現代美術家、藤本由紀夫の2人が中心となりシンセイサイザーなどエレクトロニクスを紡ぎ、今となってはそのビンテージ機材の響きがレトロ・フューチャーと化し、あがた森魚ならではのブリキ製ロックン・ロールとなった。

Telex「Twist a Saint Tropez」を元にした「恋のラジオシティ」で幕を開け、INUの北田と京都ハードコアの篠田のパンク・ギターが鳴る「ブリキ・ロックンロール」に続き、ジョイ・ディヴィジョン”She’s Lost Control”をアレンジした「サブマリン」、向井の胡弓インプロビゼーションが聴きものの「R の解答」に加え、阿木から泣き節 NG との注文がありながら抗しきれず収録したピアノ弾き語り「黄昏ワルツ」など全8曲を収録。
とくに藤本が稲垣足穂の肉声をコラージュ編集しイントロに使った「エアプレイン」は、あがた的タルホ宇宙を結晶化した名曲。

1980年3月、ロックマガジン30号の附録として「恋のラジオシティ」がソノシートで、4月にLPとして300枚が発売され、あっという間に売り切れ。1986年にVIVIDからLP再発、2007年に初CD化された。
この奇蹟のローファイ・ピコピコ・テクノ・ポップは海外でカルト化し、ジム・オルークを始め世界中に影響を与えている。

今回の再発ではその国内独占配給がブリッジより行われる。

さらに、本作より人気の高い「サブマリン」と「エアプレイン」の2曲が7インチでシングルカットされることも発表されている。


『乗物図鑑』
/ あがた森魚
2022年11/16リリース
フォーマット:CD
レーベル:BRIDGE
カタログNo.:
BRIDGE364(CD)
BRIDGE363(LP)
【Track List】
CD:
1. 恋のラジオシティ
2. ブリキ・ロックンロール
3. サブマリン
4. エアプレイン
5. コックテイル・マシーン
6. 黄昏ワルツ
7. R の解答
8. 連続香水瓶
LP:
side-A:
1. 恋のラジオシティ
2. ブリキ・ロックンロール
3. サブマリン
4. エアプレイン
side-B:
1. コックテイル・マシーン
2. 黄昏ワルツ
3. R の解答
4. 連続香水瓶



「サブマリン CW エアプレイン」
/ あがた森魚
2022年11/16リリース
フォーマット:7インチアナログ
レーベル:BRIDGE
カタログNo.:BRIDGE365
【Track List】
side-A:サブマリン
side-B:エアプレイン

【乗物図鑑 クレジット】
あがた森魚:ボーカル、ピアノ
SAB:シンセサイザー、ストリングス、クラビネット、ギター、ベース、リズムボックス、エレクトロニクス、ほか
藤本由紀夫:エレクトロニクス、エフェクト、ほか
PHEW:コーラス
向井千恵:胡弓
安田隆:ドラムス
Taiqui:シンセ・ドラム
篠田ジュン:ギター
北田昌弘:ギター


2022.8.2 18:00

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