【NEWS】タイのプロデューサー スリン・パークシリのコンピレーション『スリン・パークシリの仕事2:特選モーラム集1960s-80s』EM Recordsよりリリース決定

タイのプロデューサー スリン・パークシリ(Surin Phaksiri)のコンピレーション・アルバムが2/25にEM Recordsよりリリースされる。

71年のアンカナーン・クンチャイによるアルバム『イサーン・ラム・プルーン』でタイの伝統芸能と西洋ポップスを折衷し、タイ歌謡の方向を変えてしまったゲームチェンジャー的な革命児 スリン・パークシリ。

本作はスリン・パークシリがプロデュースした現代モーラム*の宝物を詰めた世界初コンピレーション。
(*モーラム:東南アジア/ラーオ系の伝統的な語り芸。モーは達人、ラムは声調に抑揚をつけながら語る芸能。つまり「語りの達人」で、その歌手と芸能の両方をさす名称。モーラムは「歌」ではない。)

本作はレコードからカセットテープへと媒体が移っていく1970年代から80年代、パークシリが手がけた現代モーラム作品をコンパイルした、タイでもいまだ編纂されていない音源集となっている。
これらの曲群が長らく手付かずだった理由は、パークシリが独立プロデューサーだったことと、作品のほとんどが7インチ・シングル盤で流通していたことにある。
1曲単位の制作だったシングル盤時代からカセットテープ時代に入り、フォーマット上の要請で音源をより多く供給する必要がうまれ、多くのプロデューサー達は格式ある難しいモーラムの型を崩し、芸能技術の敷居を下げて対応した。
これが80年代のモーラム・ブームを駆動させたが、パークシリの流儀は芸能の型は崩さないかわりにサウンド(オケ、バンド演奏)で革新を追求することにあり、新旧・有名無名のモーラム達を相手に音楽的バリエーションを生み出すことに成功。
これはモノ・コードで演奏も楽器も固定され、ワンウェイになりがちな同ジャンルでは驚異的。

今回、優雅でオーセンティックなものからラディカルな実験作まで、モーラムという伝統音楽をアヌラック・レ・パッタナー(タイ語:保存と改革)して継承したパークシリの手腕を聞く22曲をセレクト(デジタル版は18曲のみ)。
ほとんどの曲が初再発・初CD化で一部は初レコード化となる。


『スリン・パークシリの仕事2:特選モーラム集1960s-80s』
/ V.A
2022年2/25リリース
フォーマット:CD
レーベル:EM Records
カタログNo.:EM1198CD
【Track List】
01. ラムヤイ・サンカマニー「ラム・プルーン カッコイイ男」
02. ショームサワイ・セーンタウィースック「ラム・プルーン わたしを指名して下さい」
03. トーンミー・マライ「ラム・プルーン 女の子をたしなめる」
04. ゲーオター・プラヤーレー「ゲーオターのラム・プルーン」
05. チャム二ァン・ミットプラチャー「ラム・プルーン 俺とつきあって下さい」
06. チャバープライ・ ナームワイ「ラム・プルーン なだめてくれないと愛さないわ」
07. チャバープライ・ ナームワイ「ラム・プルーン サウジアラビアへの思い」
08. ソンタヤー・カラシン「 ラム・プルーン 親友と親友」(インスト)
09. ホームファン・サクサクン「ラム・プルーン 若いバツイチ男 」
10. パイリン・ポーンピブーン「ラムプルーン カティナ祭り」
11. パイリン・ポーンピブーン「パイリンのラム・タンワイ」
12. バーンイェン・スリーウォンサー「 ラム・プルーン サコンナコーン」
13. ソンタヤー・ カーラシン「ラム・タンワイ ジゴレット」
14. ソムティン・チャルーンチャイ「ラム・プルーン 民謡」
15. チャバープライ・ ナームワイ「ラム・プルーン 野外映画の物語」
16. バーンイェン・スリーウォンサー「ラム・プルーン ナコーンパノム」
17. サックチャイ・ペッチウボン「ラム・プルーン 別れの前に」
18. チャウィーワン・ダムヌーン「ナコーンパノムへようこそ」
19. カンプン・フンスック「ラム・トゥーイ 愛のラムウォン」
20. チャム二ァン・ミットプラチャー「 ラム・プルーン 森の散策の物語」
21. ナリー・ルンルアン「ラム・プルーン 愛しましょう」
22. カンプン・フンスック「ラム・トゥーイ イサーン女の約束」
*ワイドケース、36頁ブックレット封入、帯付
*解説(日本語・英語併記):Soi48
*装丁デザイン:高木伸介(Soi48)
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2022.1.22 17:29

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