【INTERVIEW】nemo asakura & 結川ユイ『haruno yuki EP』
迷われレコードのフィジカルリリース第7弾としてリ3/16に全国流通版を開始した『haruno yuki EP』。
これまでソロワークが目立っていた千葉の宅録エモーショナルnemo asakuraが北海道出身のシンガー・結川ユイをプロデュースして生み出された作品である。
ネットレーベルとしては老舗の域に達してきた迷われレコードが昨年から打ち出しているフィジカルリリースというネットレーベルの一つの到達点と言うべき活動。
そして、各所でその才能と技術力に対する高評価を受けつつもbedroom music的な路線を続けてきたnemo asakuraが見せる全国流通版という作品に対するスタンス。
シンガー、結川ユイが見せる「歌う」という活動と、その活動のために見せるエネルギー。
これらの思いが2016年という時代に交錯して出来上がった傑作『haruno yuki EP』。
その“現象”に対し、indiegrabでは彼らにインタビューを敢行してみた。
一つ間違えれば見逃してしまいそうな、大きな音楽界というフィールドから見ればささやかな動きから出来上がった傑作に対するサブテキストとしてどうぞ。
『haruno yuki EP』/ 結川ユイ
2016年3/16リリース
フォーマット:CD
レーベル:迷われレコード
価格:¥1,080
【Track List】
1 春の雪
2 must be there
3 Apple girl
4 夕暮れ過ぎて恋花火
迷われレコードリリースページ
amazon
歌っているうちにもっと本格的にやりたいなと思って。それで仕事を辞めてフリーター期間を経て上京してきました。
- — :結川さんは東方界隈でも活動をされているんですよね?
- 結川ユイ(以下 Y):そうですね。
- — :ずっとそのような感じで活動されていたんですか?
- Y:最初はニコニコ動画で「歌ってみた」をあげていたんですが、上京してきてから東方界隈の人に知り合いが増えたので声がかかりやすくなったんです。
- — :じゃあ東方界隈に関わり始めたのは上京後なんですか?
- Y:そうですね。
- — :元々は北海道にお住まいでしたよね。上京されたのはいつ頃ですか?
- Y:大体3年前ですかね。
- — :プライベートな質問になってしまうんですが、結川さんが北海道から東京に来られたのにはどのような理由が?
- nemo asakura(以下 N):(いきなり)師匠(nemo asakuraはsabadragonをこう呼ぶ)の写真録ってビリー・コーガンと並べてtwitterにアップしていいっすか?
- 一同:(爆笑)
- — :ど、どうぞ(笑)で、質問いいですか?
- Y:なんでしたっけ?(笑)えーっと…私普通に北海道で就職して一人暮らしをして部屋で宅録してたんですけど、歌っているうちにもっと本格的にやりたいなと思って。それで仕事を辞めてフリーター期間を経て上京してきました。
- — :じゃあ歌い手としてもっと大きいフィールドでやるために東京へ…。
- Y:そんな感じですね。
- N:俺との活動がでかいフィールドかどうかわかんないけどね(笑)
- — :(リリース時の)営業とか行かれたんですか?
- Y:初めてタワレコに行きました。
- — :あ、タワレコって行かないんですか?
- Y:地元になくって「都会のもの」ってイメージが強くて。タワレコとかHMVは。だから敷居が高くて今まで入った事なかったんですよね。
- — :北海道ではどうやってCD買われてたんですか?
- Y:TSUTAYAですね。
- — :ああ、なるほど!結川さんはルーツとしてはどんな音楽を聴いてきたんですか?
- N:俺、今回結川さんにボーカル依頼しておきながら結川さんの音楽性一切知らない!
- — :それ凄いな!!(笑)
- N:結川さんがtwitterであれが好きこれが好きみたいなのを書いてるのは知ってるけど、特に音楽の話とかしたことがない。まあ誰とも音楽の話ってしないんだけど(笑)
- Y:私も深く音楽を知ってるわけじゃないからなんとも言えないんですけど、私小学校3年ぐらいまで凄くオタクだったんですよね。アニメが好きで。で、その時に初めて買ったCDが米倉千尋さんのCDで。私はほぼアニソンしか聴かずに育ったんですよね。それで今に至るんですけど。
- — :今も現役で聴かれていると。
- Y:中学生の時にマキシマム・ザ・ホルモンにはまりベースボール・ベアも聴き始めて。周りがすごいバンプ・オブ・チキンとかRADWIMPSとか言ってるから…周りと違うものを聴きたくなって。
- nemo asakura・sabadragon:すげー(笑)
- — :北海道にいらっしゃった頃は一人でやっていたんですか?
- Y:1人ですね。私が中学生ぐらいに頃にニコニコ動画が始まって、最初は普通に見てたんですけど高校に入った頃に「歌ってみた」が盛り上がってきたので高2ぐらいの頃に投稿し始めたのが始まりですね。
- — :じゃあそこから上京していろんなところのゲストボーカルをやるようになったと…。今回迷われレコードからのリリースですが、どういう経緯でリリースに至ったのかという事を聞かせていただけますか?
- N:迷われレコード自体がフィジカルリリースするという話になって、レーベルオーナーの山岡迷子から「nemo asakuraとしても何か出さないか」という話になったんですよ。で、せっかくリリースをするので商品価値の高いものを作ろうと。ちょうど結川さんには以前自分の企画で歌ってもらったりしていて。じゃあ結川ユイの作品集を作ろうと。で、リリースの順番の問題もあって(迷われからのリリースは)一番最後ぐらいに出そうという話になって。ちょいちょい作ったりイラストレーターの方に発注したりしてかなり時間が経ってしまって。
- — :じゃあ話としてはだいぶ前から?
- N:だいぶ前から。
- — :迷われレコードのフィジカルリリースが始まった頃からって事ですね。じゃあお二人はずっと前からお知り合いだったんですね。
- N:ずっと前ではないよね?
- Y:ずっと前ではないですね。
- N:結川さんが上京してきたあたりに自分の企画でボーカリスト探していて。twitterで誰かいないかなーとチラチラみていたら見つけたという。
- Y:私がそのtweetをみてふぁぼったんですよね。
- N:俺ふぁぼとか全部チェックしてるからね(笑)んで、「ああ、この子上手い」と。
- — :ネットでの自意識の高いnemo asakura的に(笑)ふぁぼから始まったコラボという事ですね。じゃあnemoさんからのオファーでEPの制作に取り掛かったと。そのオファーを受けた時の結川さんの印象は?
- Y:割とこう…ふわっとしてて…。
- N:軽いノリだったね。「どうすかね、やってくれます?」って感じで。その時はまだ全国流通って話では無かった気がするんですよ。
- — :迷われレコードのフィジカルリリース立ち上げ頃だとそうかもしれないですね。
- N:山岡さんからね、「CD出したい」って言われて「ああ、そうですか」って感じの話だったと思って。そこからどんどん話が膨らんでいって…。
- — :最初はとりあえずフィジカルを出すという話があってから、山岡さんが流通経路をどんどん作っていったという事なんですね。という事で全国流通という事なんですが、その辺いかがですか?Amazon等にも名前が出ていますが。
- N:ヨドバシドットコムのサイトで予約できるの無茶苦茶笑ったんですけど。なんだよ、ヨドバシドットコムって(笑)
- — :その辺も山岡さんの努力の結果という事で(笑)
- N:まだなんか実感として、全国流通って感じがなくって。ああ、そうなんだって。ショップが置いてくれるかどうかはわからないからね。
- — :でもネットではボタンひとつでどこからでも買えるようになるって事ですよね。
>>次ページ「そう、俺のプロデュース作品(笑)」へ
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2016.4.9 21:00
カテゴリ:INTERVIEW タグ:emo, JAPAN, nemoasakura, pop, 結川ユイ, 迷われレコード
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