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imdkm：今回のアルバムにはCwondoさんのほかにも、「証明」ではヴォーカルにエアコンぶんぶんお姉さんがアーティスト名義のAIR-CON BOOM BOOM ONESANとして参加、「貴方を誘う」にはギターで伊東真一さん（HINTO / SPARTA LOCALS）が参加されていますね。

ぶっ恋呂：もともと「ゆれるせいかつ」にエアコンぶんぶんお姉さんが主役のひとりとして出演されていて。ぜんぜんつながりはなかったんですけど、音楽活動もされているし、歌ってもらったら面白いんじゃないかと監督さんと話していて。それで決まりました。

いざレコーディングしてみると、完成がどうなるかまったくわからなかったんです。あまりにも歌声の毛色が違うから。私とは逆の、感情が乗っていない無機質な歌声で、それが彼女の良さでもあるんですけど。ミックスがあがってきて、自分の声と合わせて聴いたら、その無機質さがむしろハマっていましたね。実際、彼女に歌ってもらっている部分は、自分が人に見せたくないような、感情が乗っかっているような部分なんですよ。それが彼女の声と合わさって、めっちゃバランスがとれてるなって。

imdkm：「貴方を誘う」に参加されている伊東さんは、木下百花時代にサポートとしてギターを弾いていましたよね。今回のアルバムに参加してもらおうと思った理由は？

ぶっ恋呂：またいつかやってほしいと思っていたんです。DTMで曲をつくるようになって、ベースとドラムとかは自分のなかで好きな音を見つけられているんですけど、ギターソロに関しては、自分では弾けないし、再現しようもない。なので、このタイミングで伊東さんに、どうせならめっちゃ長いのを弾いてもらおうと思ってお願いしました。

imdkm：今回のアルバムはいい意味で木下百花からの一貫性を感じて、伊東さんの参加もまさにそうだと思います。

ぶっ恋呂：歌モノを意識したアルバムにすると決めたときから、木下百花名義の曲に寄せるとまでは言わないけど、そういう要素があってもいいのかもなって思うようになりました。名前が変わったからってぶつ切りにしなくてもいいか、みたいな。それがアルバムをつくるなかで一番大きい気づきだったと思います。

「もうやりたいこと全部やっちゃおう」

imdkm：そして、いざアルバムが出るぞと発表されたと思ったら、リリースまでに怒涛のミュージックビデオ3連発があって……

ぶっ恋呂：まだあと3本出ます。

imdkm：まだ出るんですか！？（※インタビュー後、8/14に「貴方を誘う」のMVが公開された）

ぶっ恋呂：3本で我慢しようと思ってたんですけど、実際出してみると「なんかめっちゃいいな……」って。MVがあると歌詞までじっくり聴けるし。やっぱり、声をかけたかった人全員に声かけて、もう3本つくってしまおうと。このアルバムに関して自分の思い入れが強いから、もうやりたいこと全部やっちゃおうっていうのも大きいかな。

「証明」MV撮影の様子（photo by 高柳透）

ぶっ恋呂：エアコンぶんぶんお姉さんと撮った「証明」は、「ゆれるせいかつ」制作チームの方が声をかけてくれて実現しました。なので、私から具体的にこういうものにしたいと提示したわけではないんですけど。「幽霊のように」と「死体」に関しては、自分で監督を探して声をかけて制作しました。

imdkm：「幽霊のように」は映画「地獄のSE」の監督・川上さわさんが手掛けていますね。アスペクト比が4：3の、画質もホームビデオっぽい画面が中心で、シュールな映像がつづく面白いMVでした。

ぶっ恋呂：自分のイメージにめっちゃぴったりでした。私以外誰もいないし、私がこの世にいるかいないかすらがわからない。これからいなくなるのかもしれない。そのへんが全部あいまいな感じが映像になっていて、すごくいいなと思いました。元ネタは黒沢清なんです。Jホラー的な不気味さで撮りたいとだけ、ちょっと話してました。

imdkm：現時点で最新のMVは、「死体」。これは没 s.k.a NGSさんが監督ですね。

ぶっ恋呂：めっちゃいいですよね。納期がめっちゃタイトで、没さんもDos Monosでの活動ふくめてお忙しいなか、ギリギリで仕上げていただいて。最後の最後まで粘ってらっしゃいましたね。特に反響がよくて、映像監督されている方とか音楽やってる方、相互フォローだけど普段はDMをしたこともないような人からも連絡が来ました。

「死体」MV撮影の様子（photo by 生田大起）

imdkm：9月に開催されるツアーでは、東京公演にCwondoさんに加えてvqさんの出演が発表されています。大阪と名古屋では、弾き語りのセットもやるということで。自分と対バン、ということですよね？

ぶっ恋呂：はい。大阪・名古屋はセルフ対バンですね。今回のアルバムでは、過去の自分とのつながりを自分で感じることができたことが大きかったので、せっかくだったらどっちもやろうかな、みたいな。

imdkm：Cwondoさんはもちろん今回のアルバムに参加されているわけですが、vqさんとももともと交流が？

ぶっ恋呂：一切ないです。でも、今回vqさんにはリミックスをお願いしていて。「耽溺」っていう曲です。もともとアルバムに入る予定だったんですけど、納期がぎりぎりだったし、お互いにもっとこうしたいという考えがあったので、ツアーにあわせて出すことになりました。同じくらいの時期に、もう一曲新曲を出したいとも思ってます。

自分が元気になったタイミングで、やれることはやりたいんです。いままでちょっとできない期間があったので、今回は頑張りたいっていう気持ちが強い。単純にめっちゃいいアルバムだから、聴いてほしい。