【INTERVIEW】「ぶっ恋呂百花」で胸張っていく――ぶっ恋呂百花『幽霊のように』インタビュー

『幽霊のように』ぶっ恋呂百花アートワーク

8/7、ぶっ恋呂百花が初のフルアルバム『幽霊のように』をリリースした。2023年2月、所属事務所からの独立を経て木下百花から改名したぶっ恋呂百花。E.P.「ときめきガチリアル」を皮切りに“12ヶ月連続リリース”を敢行し、翌年1月には見事達成。その後も多数のライヴ出演や楽曲提供など、精力的に活動してきた。

弾き語りやバンドサウンドからDTMを駆使した「トラックメーカー」的なアプローチへと音楽性を見事に変化させた一方で、2024年はある種のスランプに陥っていたという。そんな状況を乗り越えて完成した『幽霊のように』は、「ぶっ恋呂百花」という新しい名前を堂々と掲げつつ、「木下百花」として活動してきた過去に再び向き合うアルバムになった。

今回のインタビューでは、そんな自信作となった『幽霊のように』について、そして「ぶっ恋呂百花」としての2年半について率直に語ってもらった。

– インタビュー・文:imdkm


私はもっと歌が聴こえてほしい

imdkm:ぶっ恋呂百花名義では初のフルアルバムとなる『幽霊のように』ですが、いつごろからつくりはじめたんですか?
ぶっ恋呂百花(以下:ぶっ恋呂):名義を変えてすぐ、一昨年にはじめた12ヶ月連続リリースのときは、めっちゃひとりで突っ走っていた感じで。去年の2月にそれが終わってからはちょっと鬱っぽくなっちゃって、なにをやろう? みたいな状態が続いていたんですけど、昨年末か今年の始めくらいに、「ゆれるせいかつ」というスマホ向け縦型ドラマシリーズの劇場版に、テーマ曲を書いてくださいと言われて。「証明 feat. AIR-CON BOOM BOOM ONESAN」という曲を書いて、それでようやくまた自分の曲がつくれた。そのまま、2月くらいにアルバムの制作に着手しました。曲をつくること自体はすらすらできましたね。吐き出しているみたいな感じで。



imdkm:2年半、ぶっ恋呂百花として活動を続けて、環境も制作スタイルも大きく変わりましたよね。
ぶっ恋呂:事務所をやめて自分でDTMで曲作りをはじめて、活動のあり方が大きく変わっていくだろうなと思ったんです。だからこそ、自分のなかである程度の覚悟を持たないといけない、自分自身に責任を持ちたいと考えて。そういう理由がいろいろ重なって、名前を変えました。そこから2年半、ようやく私のことを「木下さん」って呼ぶ人が少なくなってきたんですよ。
imdkm:いまはどう呼ばれるんですか?
ぶっ恋呂:「百花さん」とか「ぶっ恋呂さん」って言われます。私も最初は違和感があったんですけど、いまはふつうに返事しますね。特に、新しくライヴに来てくれた人や、ライヴで一緒になった演者の人とかは「ぶっ恋呂さん」です。この名前をある程度定着させないと、「名前変えたのはなんだったんだ」って思われちゃうので、そこの意地もありました。「木下百花」の名義でも弾き語りの曲をリリースしたいと思ってるんですけど、まずはこっちが主軸だってきちんと示さないとダサいなと思っちゃって。おかげで、徐々に定着してきましたね。

ライヴ中のぶっ恋呂百花

ライヴ中のぶっ恋呂百花(photo by 高柳透)


imdkm:アルバムはまだリリースされたばかりですが(※インタビューの収録はリリース翌日の8/8)、もうなにか反応はありましたか?
ぶっ恋呂:アルバムでは、「ポップス」をめっちゃ意識した曲をつくりたいと思っていて。歌モノというか、歌を聴きやすい構成にしたかった。それが伝わっている感じがします。「前は音数が多くてあまりハマらなかったけど、今回のアルバムはめっちゃ聴きやすくていい」みたいに言ってもらえたり。
imdkm:12ヶ月連続リリースのころは、本当に次から次へといろんなことをやって、DTM武者修行みたいな感じでしたよね。出来ることをどんどん増やしていこう、みたいな印象でした。なので、アルバムはいわゆる「トラックメーカー」っぽいというか、サウンドやビートに凝ったものになるかと思ったら、歌をしっかり聴かせる作品になっていたのが意外でした。
ぶっ恋呂:ぶっ恋呂百花としてクラブイベントに呼ばれるようになって思ったのが、「歌詞あんま聞こえねーな」ということで。なにを言っているのかあんまりわからない。私はもっと歌が聴こえてほしい。自分で書く歌詞も好きだし、なにを言ってるのかわかってもらえたほうがいいな、って思うようになりました。

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『幽霊のように』ぶっ恋呂百花アートワーク
『幽霊のように』
/ ぶっ恋呂百花
2025年8/7リリース
フォーマット:デジタル配信
【Track list】
01. 証明 feat. AIR-CON BOOMBOOM ONESAN
02. 死体 (Arrangement by Cwondo)
03. 恋するとしたら
04. 幽霊のように
05. サプリメント
06. 耽溺
07. ラーメン替え玉ヒキニート
08. 貴方を誘う (Guitar by 伊東真一)
マルチリンク





1st Full Album “幽霊のように” Release Tour
『幽霊としての証明』開催決定

2025年9/6(土)東京 表参道WALL&WALL
ACT:ぶっ恋呂百花 / Cwondo / vq
Special Guest/ AIR-CON BOOM BOOM ONESAN / 伊東真一
VJ/ Humungas

2025年9/13(土)名古屋 sunset BLUE
ACT:ぶっ恋呂百花 / 木下百花(弾き語り)

2025年9/14(日)大阪 environment 0g
ACT:ぶっ恋呂百花 / 木下百花(弾き語り)

前売りチケット・詳細・感染症に関する表記

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2025.8.21 19:00

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