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【NEWS】iLU 最新アルバム 『don’t watch the sun』より「blue mind」のMVを公開



先日indiegrabでインタビューを掲載したiLUの最新MV「blue mind」が公開された。
映像ではiLUのメンバーShin Wada、KUROによるセッション光景と共にビートメイキングの軸となっているNative Instruments社の機材「Maschine Jam」を
大々的にフューチャーしている。
また、このMVの楽曲は9月にリリースされた彼らの1stアルバム『don’t watch the sun』に収録されている。



『don’t watch the sun』/ iLU
2017年9/15リリース
フォーマット:CD
レーベル: PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD71
価格:¥2,100(税抜)
【Track List】
01. one
02. inside -time relapse mix-
03. stolen weekend
04. wave trippin’
05. today
06. touch
07. future notes
08. it’s DOPE!!
09. gone heart
10. blue mind

all songs produced, composed and performed by iLU

lyrics by KURO

mixed and mastered by Shin Wada

artwork by mio motoi / codvoid.com

2017.10.17 8:22

【INTERVIEW】『don’t watch the sun』/ iLU



ポップで浮遊感溢れる気持ちの良いコードワークを軸に、疾走する高速ビートやダンス・ナンバーからダウン・テンポまで縦横無尽に展開されるリズムが溶け合った秀逸なトラックに、キュートさとソウルフルさを兼ね備えたKUROの可憐で力強い歌声が重なったサウンドが大きな反響を得ているiLU。今回、そんなiLUのメンバーであるプロデューサーのShin WadaとボーカリストのKUROに話をうかがってみた。

Shinのトラックはイメージが浮かびやすく、メロ付けはどの曲も一瞬でした

–:iLUの結成から本作リリースまでの経緯を教えて下さい。
Shin Wada:「IN YA MELLOW TONE」というmellow hiphopのコンピがあって、最初知人からそれに合うような楽曲を作ってみないかという話をいただきました。そのトラックを去年の夏頃作ったんですが、KUROに歌入れを頼んでみたところ、これが驚くほど作業が早くしかもクオリティが非常に高かったんです。
ただその曲は結局「mellow hiphopではないね」と言われて(笑)使われなかったのですがそこから一緒に楽曲制作をするようになりました。
KURO:私はずっとソロ活動をしていて、基本的に作曲からアレンジ、コーラスワークまで全て一人でやることが多いので、他人のトラックにメロを乗せるということがまず新鮮でしたね。
Shinのトラックはイメージが浮かびやすく、メロ付けはどの曲も一瞬でした。ここに、私たちの音楽的な相性の良さを感じています。
6曲ほど溜まったとき、EPとしてオンライン発表したのですが、そのタイミングでアプローチしたところ、今回リリースするレーベル「PROGRESSIVE FOrM」から良い反応をいただきました。
もう少し曲を増やしてアルバムにしようという提案のもと、何曲か追加で制作し、結果的に今の10曲が収録されました。
ライブはすでに数回していたものの、ユニット名もなかなか決まらず、SNSも立ち上げてない状態だったので、そこからは鬼のスピードで準備していきました(笑)
–:数あるレーベルの中からPROGRESSIVE FOrMを選んだ理由を教えて下さい。
Shin Wada:僕の中では好きなアーティストであるAmetsub、M-KODA 、AOKI takamasa 等を輩出している老舗の名門エレクトロニカレーベルという印象を持っていてまさかiLUでリリースできるなんて想像もしていませんでした。初めて送ったメールも、「Hi check out my demos regards」みたいな感じで、聴いてくれたらラッキーぐらいに思っていたのに、しっかり音を聴いて返信をくれたレーベルオーナーのnikさんには頭が上がりません。
けどその反面、自分のproducerとしてのキャリアを始めるのはこのレーベルしかない!と思っていました。純粋にレーベルのファンでしたね。
じゃあちゃんとメールを送れ、と(笑)

生まれ持った個々の良さや自分の軸を押し殺されないようにしてほしい、という思いからです

–:エレクトロニカだけに留まらない様々なアプローチがバランスよく重なり合った作品となっておりますが、方向性的なものは当初からあったのでしょうか?
KURO:最初は単発で曲を仕上げていったので、ユニットとしての方向性はあまり明確ではなかったように思います。でもその分、ジャンルを縛らずに色んな曲にチャレンジすることができたので、良い意味で自分たちの可能性が掘り下げられたような気がします。
今、こうしてアルバムとして聴いてみると、多様性は持ちつつも自分たちのカラーが見える作品になったと感じています。
Shin Wada:「次はこういうことがやりたい」というのをどんどん試していきました。メロディーが素晴らしいと感じられるトラック作りとミックスは心がけてましたね。
自分の技術で他より優れてるところは「歌に寄り添う」オケ作りだと思っていて、挑戦的でありながらもメロディーを主役に持っていくことが自分の中でトラックメイキングする上での礼儀作法。そのマナーを守ることを1番大切にしました。
–:タイトルの『don’t watch the sun』はstolen weekend歌詞の一節にもありますが、どんな意味が込められていますか?
KURO:直訳すると「太陽を見るな」。太陽というものは、キラキラ輝いていて、時に信仰や時間の象徴ともなり、エネルギーをもたらしてくれる存在、というイメージがあると思います。
でも文字通り太陽を見ようとすると、まぶしくて目が焼けてしまいますよね。そして、近づけば近づくほど、予想を絶する熱さにやられてしまいます。
雲の上にある美しいものばかりみていると、大事なものを失ってしまう。このタイトルには、そういうメッセージが込められています。
表面的なイメージや、見た目、飾り付けばかり重要視され、地位や贅沢が価値あるものとされがちな現代社会の中で、生まれ持った個々の良さや自分の軸を押し殺されないようにしてほしい、という思いからです。
–:「inside -time relapse mix-」は元々はKUROさんのソロプロジェクトBLACKUR0の楽曲のリミックスですが、このアイデアはどちらからですか?
Shin Wada:この曲はKUROの曲で僕が1番好きな曲でした。ただ自分の思い描いてるミックス、アレンジとはまたベクトルが違っていたので自分の好きな感じの質感のクラブミックスにリミックスしました。
4つ打ちのビートって実はあまり得意じゃないんですよ。
M3「stolen weekend」も初めはKUROから「Nina Kravitzみたいなトラックで次はお願い」みたいなことを言われたんですが1mmもそれを感じないオケになってしまって(笑)
でもこの曲のリミックスアレンジはかなりお気に入りです。
KURO:iLUを結成する前から、Shinにはソロの曲を聴いてもらったりしていました。原曲は80’s UKのエレクトロ・ポップを彷彿とするような楽曲なのですが、このリミックスではShinの上品で浮遊感のあるトラックが、曲の新たな一面を見出してくれたと感じています。
–:「future note」は唯一のインスト曲ですが、この曲をあの位置に入れた意図について聞かせて下さい。
KURO:曲順は正直、迷いに迷って何回も考え直しました(笑)でも、最終的にあの位置に落ち着いたのは、アルバムのちょうど真ん中から後半にさしかかるポイントで、一種の切り替えのような、ちょっと耳をリセットするような役割を果たしているなと思います。
Shin Wada:レーベルオーナーのnikさんから1曲だけ他の曲に対して見劣りするのでは?と指摘を受けた曲があって、その曲は個人的にも確かに他の曲と比べて完成度が落ちると感じていた曲でしたのでその曲は一旦なしにして、昔作ったインストのトラックを入れてみたところ流れ的にもハマったのでこの曲を収録しました。
ちょうど touchで少し流れが切り替わるところだったのでアルバムの中でrestartする感じでいいなと。
この異常にこまかいブレイクビーツは打ち込んだビートを5つぐらいの違う音と別々のトラックにアサインしてキックを抜いて適当に並び替えて再生したらあんな感じになりました。こういうどこにもtutorialに載っていない作り方を見つけるのが好きです。

iTunesやSpotifyなどで新しい音楽に常にアンテナを張っているような音楽ファンの人々にアプローチできたらいいなと思います

–:お二人の制作環境について教えて下さい。
Shin Wada:メインのDAWはlogic pro 9、Logic Pro X、を使用しています。
“don’t watch the sun”の収録曲のリズムトラックは全てNative InstrumentsのMACHINE JAMを使用して作りました。
ハード音源はRoland INTEGRA-7。ソフトだとSpectrasonicsのOmnisphere 2、Native InstrumentsのKOMPLETE 11 ULTIMATE等をよく使用しました。
KURO:DAWはCubase Pro 8、インターフェースはRME社のbabyface proやSteinberg UR28Mを使っています。スピーカーはYAMAHA MSP5、モニターヘッドフォンはSHURE SRH-940です。
普段曲をつくるときは、ソフト音源も使いますが、シンセサイザーを数台持っているので、ハード機材も使用します。
–:本作はライブハウスやクラブといったシーンを問わないボーダーレスな作品となったかと思いますが、最後にそれぞれ今後のiLUの活動の展望について教えて下さい。
KURO:iTunesやSpotifyなどで新しい音楽に常にアンテナを張っているような音楽ファンの人々にアプローチできたらいいなと思います。日本ではあまり類をみないような音楽性なので、斬新なインパクトを与えられたら最高です。
これからもどんどん良い作品を残せるよう、楽曲制作に最大限のエナジーを注いでいきたいです。
テクノやドラムンベース系のイベントや、アンダーグラウンドでコアな音楽好きが集まるクラブでライブしてみたいですね。
Shin Wada:曲作りがメインだということは変わりません。
あとボーダレスにシーンを問わない活動っていうのはどんどん難しい時代に突入していると感じています。ジャンルがはっきりしていた方が圧倒的にシーンに自分たちの居場所を作れるんですが、僕はもっと根本的に言うと歌としての魅力があればジャンルは関係ないと思っているので
どうすればこの広いクラブミュージックシーンで友達が増えるかをこれから考えます(笑)







『don’t watch the sun』/ iLU
2017年9/15リリース
フォーマット:CD
レーベル: PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD71
価格:¥2,100(税抜)
【Track List】
01. one
02. inside -time relapse mix-
03. stolen weekend
04. wave trippin’
05. today
06. touch
07. future notes
08. it’s DOPE!!
09. gone heart
10. blue mind

all songs produced, composed and performed by iLU

lyrics by KURO

mixed and mastered by Shin Wada

artwork by mio motoi / codvoid.com




2017.9.28 17:57

【NEWS】Shin WadaとKUROによるユニット iLU 1stアルバム『don’t watch the sun』9/15リリース

キーボードプレイヤー / アンビエントアーティスト / DJのShin Wadaと、BLACKUR0名義で活動するシンガーソングライター / ボーカリスト KUROによるユニットiLUは、1stアルバム『don’t watch the sun』を9/15にPROGRESSIVE FOrMよりリリースする。
浮遊感溢れるポップなサウンド・プロデュースを中心としたclub / danceサウンドにソウルフルなボーカルが重なり、彼らのオリジナリティーを確立している。
現在PROGRESSIVE FOrMではトレーラーをはじめ、代表曲「one」や「inside -time relapse mix-」「today」「future notes」の試聴が可能。



『don’t watch the sun』/ iLU
2017年9/15リリース
フォーマット:CD
レーベル: PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD71
価格:¥2,100(税抜)
【Track List】
01. one
02. inside -time relapse mix-
03. stolen weekend
04. wave trippin’
05. today
06. touch
07. future notes
08. it’s DOPE!!
09. gone heart
10. blue mind

all songs produced, composed and performed by iLU

lyrics by KURO

mixed and mastered by Shin Wada

artwork by mio motoi / codvoid.com




2017.9.7 8:55

【INTERVIEW】『all sheep sleep in yours』/ soejima takuma



音楽家・soejima takuma。
福岡を拠点として活動していた彼が、1stアルバムのリリース後に東京へと拠点を移す。
そのうちに彼が担当し提供する音楽が耳に入ってくるようになり東京での基盤を築いているのだなと実感し出した頃に2ndアルバム『all sheep sleep in yours』リリースの報が飛び込んできた。
ディストピアを生きる人々をテーマにしたという今作は、どのように産まれてどのように制作されたのか。
ディストピアを通して彼が目指した表現はどのようなものだったのか。
それらの疑問をぶつけてみるため、約1年半ぶりに彼にインタビューを申し込んだ。


これからは各々の創作性や活動、生活基準にフォーカス当てて、音楽を作っていけばよいのではないでしょうか

–:ご無沙汰しております。アルバムのリリースおめでとうございます。約2年ぶりのアルバムですが、今作はいつ頃から制作を始めたのですか?
soejima takuma(以下、soejima):ありがとうございます。今作『all sheep sleep in yours』は9曲目のunknown wordsという楽曲のみ4年ほど前の楽曲を少しリアレンジして収録しましたが、それ以外は東京に活動拠点を移してから書き始めました。トータルの制作期間は途中SEA LEVELの活動や他の仕事があったので、だいたい半年程度だったと思います。
–:上京後初となるアルバムかと思いますが、東京に出てきて制作環境に変化はありましたか?
soejima:制作環境については福岡時代のものをほぼ完全な形でそのまま持って来たので、上京をきっかけに機材を追加したり、減らしたりとかは一切なかったです。
東京に来た理由は単純にイベントやクリエイターの総数が圧倒的に多いので、そういう点に価値を見出しました。
会いたいと思った瞬間にすぐに直接会えるというフットワークの軽さは非常に大事なことなので、1stをリリースした時点で名刺代わりになると判断し上京を即決しました。

いまはSNSの普及でプロモーションのチャンスがフラットになりつつあるのに加えて高品質で低価格な機材が増えてるので地方創生とは言われてますが、僕の実感としてはそれが唯一無二の正解ではないように強く感じてるので、これからは各々の創作性や活動、生活基準にフォーカス当てて、音楽を作っていけばよいのではないでしょうか。



ディストピアという舞台は人々の葛藤や抵抗、心の動きなどが非常に掴みやすく、またその舞台における廃墟のような退廃的世界はある意味で幻想的だったり、耽美であったりするので自分の音楽観と非常に近いと感じてます。

–:前作『Bouquet』と比べるとエレクトロニクスの比率が上がり、少しそちらに比重が向いた楽曲が多くなっていると感じましたが、その辺りはいかがでしょうか。また、前作と比べてギターサウンドの扱いやラッパーとのコラボといった音楽の幅の広がりを感じますが、その辺りも意図的なものでしょうか。
soejima:そうですね。今作では意図的にクラシカルな要素は削いでます。
これは年々増加傾向にあると思うんですが、SoundCloudの登場以降、Bandcamp、Apple Music、Spotifyとあらゆる音楽を殆ど無償に近い形で楽しめる時代になったことから、昔のようにCDを買ったらまずは通して聴くという形は主流ではなくなっていて『話題になってる人を30秒ずつくらい掻い摘んで聴いてみる』という傾向が強くなってると思います(散々指摘されてることだと思いますが)。実際Bandcampの配信では各楽曲がどのくらいの時間、試聴されたかのデータを取れるようになってるんですが、だいたい7~8割位が半分程度しか聴かれてないのが分かりました。つまり最初の試聴の触りでダウンロード(購入)するかどうかをリスナーさんは判断するのでこの時間をどう有効に使うかが制作の鍵になってると思いました。
特に若手はイメージが固定されてない状態で試聴されることが多いため、どうしてもそういった部分に比重を置かざるを得ない状況になってるんだと思います。なので、今作では各楽曲を出来るだけ短くし、展開をコンパクトにまとめることで時間当たりの情報密度をより高め、各楽曲間もバラエティ性を重視して意図的に変えています。クラシカルな作品は聴き手に集中力を求める場面も多いので、そういった要素はどうしても削がざるを得ませんでした。
–:今作は「ディストピア」をモチーフにした作品との事ですが、「in a cube」「where i am」「numbers」と、ディストピアをイメージさせるタイトルが並んでいます。soejimaさんの中でイメージしたディストピアとはどのようなものでしたか?
soejima:そうですね。今作の各楽曲には明確なテーマというより元ネタにあたるディストピア作品が存在していて、タイトルが直接的もしくは間接的なヒントになっています。制作にあたって、人間の内面にフォーカス当てたものを作りたいと感じてたこともあって、作品のテーマ設定をどうするかすごく悩んでたんですが、ディストピアという舞台は人々の葛藤や抵抗、心の動きなどが非常に掴みやすく、またその舞台における廃墟のような退廃的世界はある意味で幻想的だったり、耽美であったりするので自分の音楽観と非常に近いと感じてます。
–:M12の「hailsham」はカズオ・イシグロの『Never Let Me Go』から?
soejima:まさにそうです。この作品はごく静かで控えめな抵抗の物語なのですが、興味あれば是非小説を手に取ってもらえたらと思います。


–:今作を制作するにあたってインスピレーションを与えてくれたものなどがあればきかせてください。
soejima:前の質問でも触れましたが、今作『all sheep sleep in yours』ではすべての楽曲にそれぞれモチーフになる作品が存在しています。前述の小説しかり漫画だったり、映画だったり幅広く影響を受けてます。今作ゲーム向けに書き下ろした楽曲も収録してますが、そちらも偶然ディストピア(ポストアポカリプス)が舞台になっていたので、ゲーム作者のところにょりさんの許可を得てアルバムに収録させて頂きました。

→次のページへ
通常の制作とは視点を変えながら書くので、新しい発見が常にあり楽しくやれています

2017.6.30 19:00

【REVIEW】SONASILE / 網守将平(PROGRESSIVE FOrM)

マルチチャンネルのサウンドインスタレーションなどアートシーンとの関わりも多い音楽家、網守 将平による1stアルバムは自身のこれまでの幅広い活動を総括するように、ネオクラシックからラップトップミュージック、ポップ、コンテンポラリーアート等あらゆる要素を丁寧に積み上げたアルバムに仕上……(続きを読む)

2016.12.31 21:00

【REVIEW】Eclectic Color / rakia(PROGRESSIVE FOrM)

塚原啓が6年間の充電期間を経て発表したrakia名義では初となる本作、立体的で奥行きのある電子音楽作品に仕上がった。アルバムは一貫して無国籍でフラットな世界だが、サウンドはあらゆる角度から慎重に奥行きを持ち、ミニマルな世界観を美しく彩る丁寧な印象を受けた。 1.Cherry Pe……(続きを読む)

2016.10.22 11:43

【NEWS】yuichi NAGAO 9月にリリースされたアルバムから「Ending Story feat. Shinobu from Her Ghost Friend」のMVを公開

9月に2ndアルバム『Rêverie』をPROGRESSIVE FOrMよりリリースしたyuichi NAGAOは、アルバム収録曲よりHer Ghost Friendの おのしのぶ をフィーチャーした「Ending Story feat. Shinobu from Her Ghost Friend」のMVを公開した。
Q-TAによる『Rêverie』のアートワークをモチーフに幻想的な作品となっているMVは、映像を中心とした創作活動を小柳淳嗣がディレクターを務めたもの。



H1_square_PFCD61

『Rêverie』/ yuichi NAGAO
2016年9/16リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD61
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. Prelude
02. Ending Story feat. Shinobu from Her Ghost Friend
03. ハルモニア feat. Makoto
04. 雨の庭
05. Luna feat. 秦千香子
06. Ray feat. 加奈子 from 禁断の多数決
07. Interlude
08. 虹
09. 重力の海 feat. Smany
10. Amber Song feat. Makoto
11. Long Way Home
12. 追憶

All Tracks Produced, Composed & Mixed by yuichi NAGAO, 2016 Tokyo

Except:
02. Vocal by Shinobu from Her Ghost Friend
03 & 10 Vocal by Makoto
05. Vocal by 秦千香子
Composed by Kanako Shirakawa and yuichi NAGAO
06. Vocal by 加奈子 from 禁断の多数決
08. Vocal by Miku Hatsune
09. Vocal by Smany

Mastered by Kosuke Nakamura

Artwork by Q-TA http://www.instagram.com/qta3
Design & Layout by nik

Thanks to: nik, Q-TA, Kanako Shirakawa, Tadahiko Yokogawa, Shinobu from Her Ghost Friend, Makoto, 秦千香子, 加奈子 from 禁断の多数決, Smany and friends & family

2016.10.20 8:40

【INTERVIEW】塚原啓によるソロ・プロジェクトrakia 新作『Eclectic Color』インタビュー



サウンドクリエイター塚原啓によるソロ・プロジェクトrakiaが6年ぶりにリリースしたアルバム『Eclectic Color』。
坂本龍一によるオーディション番組での紹介や、前衛舞踏・演劇への楽曲提供、スペイン国営テレビ主催のクラブイベントへの参加といった経歴を持つ彼が、ブランクの間に訪れたヨーロッパの風景や芸術作品、そして日本国内の厳しい景色をモチーフとして作り上げたというこのアルバム。
彼にインスピレーションを与えたもの、そのインスピレーションをどのように吟味し、作品を形作っていったのか。
これらを掘り下げるべく塚原啓=rakiaに行ったインタビューを行ってみた。

美術で培ったノウハウが音楽制作に置き換えられているイメージかもしれません。

:6年のブランクですが、本作のトラック制作はいつころからスタートしたのでしょうか?
rakia:最初の2年間はネットが繋がらない環境に身を置いて居たため、充電期間といいますか…一旦音楽から離れ、旅行と絵画製作等を行い展覧会に出品したりしておりました。その後、震災で実家や東北の親戚が被災した為2年程,DIYのツールを一式揃えてリフォームや再建へのボランティア活動を行っておりました。生活全体が安定するに従って、一度は処分した機材を海外のオークションサイトを利用して買い戻したりして…リペアやメンテナンスも含めて、海外の人とのコミュニケーションをとるのに相当な時間とエネルギーを費やしました。
:確かに6年というと間に震災もありましたね。。機材を買い戻すといっても結構大変だったのではないですか?
rakia:当時は多少円高だったのでタイミングとしては恵まれて、憧れのビンテージシンセをコレクターの方から入手できたり、急激に安価になったサンプラー等の機材も購入する事ができました。又、新しいMacに加え0.S9にしか対応していない使い慣れたアプリケーション用に敢えて古いMacを買い戻したりしました。…そんな感じで、漸くセットアップ期間に入ったのが2014年秋頃で、トラック制作を再開できたのは2015年初旬からです。
:一貫したサウンドの統一性に圧倒されました。すべてのトラックが揃った後で、もう一度全体を見直して整合性をとるといったことを行っているのでしょうか。あるいは、サウンドを組み立てる前に精密に計算したものなのでしょうか?
rakia:僕の場合、義務教育だった頃から絵画(水彩、日本画)版画(ドライポイント)を制作していた時期が有り、無意識といいますか体感的にその制作過程そのものが刷り込まれておりまして。恐らく、美術で培ったノウハウ(組み立てる前に計算、完成型から逆算する習慣)が音楽制作に置き換えられているイメージかもしれません。
:完成型から逆算する習慣、というのはものすごく分かる気がします。
rakia:故に、幸か不幸か…DTMならではのポピュラーな制作手順は行っておらず、絵画制作に於ける“取材~スケッチ~パネル作り~構図/下図作り~本描き=納得がゆく迄描き込む”スタイルがそのまま“取材~モチーフ制作~ベーシックトラックを構築~マテリアル単位での解体~再構築を繰り返す”過程にピッタリと重なり合う感覚で制作を行っております。建築家が模型作りをバインドする流れと全く同じフローです。そのようなアプローチを試みているせいか自ずと一貫した世界観を表現する事が出来ました。

Y.M.Oの“テクノデリック”の様なアルバム構成が理想だったりします。

:アルバムは、1-4曲目までで小さく一周、その後5曲目からは最初の1-4曲目を踏まえて大きく構成を辿るといったような2部構成のような印象も受けました。曲順について意識されているところはありますか?
rakia:曲順に関してはnikさんとのやり取りで決めました。正直、1曲目の選考は非常に悩ましかったです。耳から入る情報は無限ですが、実際リスナーの立場で考えると連続して同系列のトラックが重なると恐らく脳の処理の仕方が漫然とするでしょう。その辺りは起伏を考慮して曲順を変えたセットを幾つか用意して相当に吟味しました。
:かなり慎重に配置されたんですね。オープニングはとてもスムーズで、素晴らしいと思います。
rakia:冒頭としてのスタートダッシュ的な躍動感を持たせる、楽曲としてのフックを提示する、示唆したいイメージを持続させる、持続したイメージを落ち着かせる…といった1サイクル。要するに、DJ的掟のような起承転結を、曲同士の前後関係を通じて役割を持たせている事は確かです。In Blossomで明確に切り替ります。
ご指摘の通り、5曲目からsideBに移行するニュアンスです。おこがましいですが、Y.M.Oの“テクノデリック”の様なアルバム構成が理想だったりします。

美術館等で、工芸品や肉筆絵画をダイレクトに見る行為そのものが、トラックメイキングの発展に繋がる重要なファクターであると考えております。

:ヨーロッパと日本のEclecticというコンセプトですが、例えば「ヨーロッパ的な役割」はすべてこの音響、といった音色による役割指定というよりも、和声感覚であるとか旋律であるとか、伝統的な音楽の部分に静かな折衷を感じました。それはとても抑制された美しさだと思います。ヨーロッパ、日本、それぞれで印象に残る景色というのはありますか?
rakia:確かに、音色あるいは音響で「ヨーロッパ的な役割」は表現そのものが困難かもしれません。音楽的な部分、すなわちコード感及び旋律的な音列(インターバル)を適宜設置する事により平均率に対してよりヨーロピアンだったり、ジャポニズムな折衷感を醸し出していると思います。
:表現そのものが困難というのは確かにあるかもしれませんね。そこに絵画の役割も自然と折り重なるようなところがあったのでしょうか。
rakia:景色に関してですが、ヨーロッパは逆光を差して黄金色を帯びた広大なドイツの麦畑や、朝霞がかったスイスのルツェルン湖がとても印象的でした。そのイメージで当初“Swan”のタイトルでインストとして制作しましたが、後になってリリックとvoiceを作って頂いた為、真逆なモチーフをそのまま“The Desert Of The Moon”として発展させました。日本では、青森県白神山地沿いの夕暮れ時の日本海が絶景でした。さらには奈良の吉野山から見下ろした山桜も圧巻でした。青森、奈良それぞれ晩秋と早春の時期に訪れ“Tidal Flow” 及び“Cherry Petals Falling”のモチーフ制作のインスピレーションの源となっております。
:音楽がキーになって記憶が蘇るということをよく聞きます。ここれはむしろ逆で(音を制作する訳ですから当然ではありますが)、景色がキーになってサウンドを具象化する、ということになりますが、トラック毎に明確にこの景色、といったような分離があるのでしょうか。あるいは大きな物語のようなものが作品全体を覆っているというようなイメージでしょうか?
rakia:前述したものは景色や心象がトラックに具象化されておりますが、曲によっては完全に“無”の状態からモチーフを作りつつ(往々にして季節感は影響しますが)、一旦クールダウンさせて、再度別解釈で構築しトリミングを施した結果、ベクトルが明確になり作品として成立したものもあります。今年の1月にモチーフを作った…White Landscapesはその試みの典型です。逆に、2月に入ると早朝や夕方に“渡り鳥の群れ”を多数見かける様になり“Migratory Birds”のベーシックな部分を作ったり…と身近な日常からヒントを得てます。ですので、トラック毎にこの景色という分離よりも、その後の“高みに昇華/発展させる処理”に重心を置く事が、結果として景色と結びつくのではないかと思われます。
:景色、心象、無、日常、そして再び景色…と。
rakia:更に、個人的な経験則としては美術館等で、工芸品や肉筆絵画をダイレクトに見る行為そのものが、トラックメイキングの発展に繋がる重要なファクターであると考えております。理由は通常の音楽(当然、主軸であり影響もある)からの刺激と比べ、より気分がフラットになり、客観的に“イケてるか、否か?”分別が付き易くなるという空間的な感性が備わる様な気がします。尚、作品全体に関しては、それほど俯瞰しておらず、偶然の賜物とでも言えますが…トラック単位で臨んでいる為、大きな物語といった括り等は特に意識しておりません。
:rakia名義では今後、どのような活動を考えているのでしょうか?
rakia:音の質感やトラックメイキングのスタンスは今まで通りですが、個性的な女性ボーカリストをフィーチャーしたメロディアスな楽曲にもトライしてみたいと思います。機会があればライブ活動も視野に入れたいと思います。

インタビュー 30smallflowers(@30smallflowers)


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『Eclectic Color』/ rakia
2016年10/15リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD62
価格:¥2,000
【Track List】
01. Cherry Petals Falling
02. Day Dream feat. Manami
03. Tidal Flow
04. After The Rain
05. In Blossom
06. Reflection feat. Hiroe Baba
07. Migratory Birds
08. Nostalgia
09. The Desert Of The Moon feat. Hiroe Baba
10. White Landscapes
11. Water Drop


30smallflowersによるrakia『Eclectic Color』レビューはこちら
↓↓↓
【REVIEW】Eclectic Color / rakia(PROGRESSIVE FOrM)

2016.10.15 12:00

【NEWS】塚原啓によるソロ・プロジェクトrakia アルバム『Eclectic Color』を10/15にリリース

坂本龍一によるオーディション番組での紹介や、前衛舞踏・演劇への楽曲提供、スペイン国営テレビ主催のクラブイベントへの参加等の経歴を持つサウンドクリエイター塚原啓によるソロ・プロジェクトrakiaは、10/15にアルバム『Eclectic Color』をPROGRESSIVE FOrMよりリリースする。
6年間の充電期間を経て制作されたraika名義としては初となる今作は、切れ味の鋭いリズムメイキングとポップかつ抒情的なメロディーセンスを伴う作品として完成されている。
現在soundcloudにはアルバムのトレーラーと「Nostalgia」、「Day Dream feat. Manami」、「Tidal Flow」が試聴可能となっている。

楽曲を構築するにあたり、トラックを構成する音色等含め、自己の様々な経験や記憶に結びつけて具象化しました。
6年間のブランクの間に訪れたヨーロッパの風景、直に触れた様々な名画、建築物、さらには国内の日本海沿岸の厳しい景色をモチーフをEclectic(折衷、吟味)させ、各々の持ちうる本来の個性(各地で享受した感性)をColor(楽曲)としてまとめ上げました。
rakia


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『Eclectic Color』/ rakia
2016年10/15リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD62
価格:¥2,000
【Track List】
01. Cherry Petals Falling
02. Day Dream feat. Manami
03. Tidal Flow
04. After The Rain
05. In Blossom
06. Reflection feat. Hiroe Baba
07. Migratory Birds
08. Nostalgia
09. The Desert Of The Moon feat. Hiroe Baba
10. White Landscapes
11. Water Drop



2016.9.27 12:21

【NEWS】yuichi NAGAO おのしのぶ、加奈子(禁断の多数決)他をフィーチャーした2ndアルバム『Rêverie』を9/16にリリース

音楽家yuichi NAGAOは、2枚目のアルバムとなる『Rêverie』を9/16にPROGRESSIVE FOrMよりリリースする。
今回のアルバムは、前作ではボーカロイドを使用して表現していた部分におのしのぶや加奈子(禁断の多数決)、Smany他のゲストボーカルが参加。
幻想、夢想、白昼夢というイメージに名付けられたタイトル『Rêverie』を体現するアルバムとなっている。
現在PROGRESSIVE FOrMのsoundcloudでは、アルバムトレーラーをはじめ「ハルモニア feat. Makoto」「Ray feat. 加奈子 from 禁断の多数決」の試聴が可能となっている。

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『Rêverie』/ yuichi NAGAO
2016年9/16リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD61
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. Prelude
02. Ending Story feat. Shinobu from Her Ghost Friend
03. ハルモニア feat. Makoto
04. 雨の庭
05. Luna feat. 秦千香子
06. Ray feat. 加奈子 from 禁断の多数決
07. Interlude
08. 虹
09. 重力の海 feat. Smany
10. Amber Song feat. Makoto
11. Long Way Home
12. 追憶

All Tracks Produced, Composed & Mixed by yuichi NAGAO, 2016 Tokyo

Except:
02. Vocal by Shinobu from Her Ghost Friend
03 & 10 Vocal by Makoto
05. Vocal by 秦千香子
   Composed by Kanako Shirakawa and yuichi NAGAO
06. Vocal by 加奈子 from 禁断の多数決
08. Vocal by Miku Hatsune
09. Vocal by Smany

Mastered by Kosuke Nakamura

Artwork by Q-TA http://www.instagram.com/qta3
Design & Layout by nik

Thanks to: nik, Q-TA, Kanako Shirakawa, Tadahiko Yokogawa, Shinobu from Her Ghost Friend, Makoto, 秦千香子, 加奈子 from 禁断の多数決, Smany and friends & family






2016.9.2 12:00

【INTERVIEW & REVIEW】gift to her / guitarsisyo (PROGRESSIVE FOrM)

2016年1月に3rdアルバムが配信されたばかりのguitarsisyoだが、早くも4thアルバムが届けられた。従来からリズムトラックに乗せた折り重なるアコースティックギターのアルペジオが印象的な安定した作風を保ち続けているが、今作は淡さを残しながらも音色の多様性やリズムトラックの透明感にも配慮されたトラックが多く収録されている。



1.toou
幾重も重なるギターのアプローチは音響的にも前作とも近い感触を持つが、ややダビーなブレイクビーツがとてもクリアな音色を保っている。外観は前作の延長ともとれる。しかしリズムトラックは今作のオープニングとして新しいアプローチをさりげなく、そして下降する美しいコードと共に深く提示する力強いはじまりかたともとれる。ここでの音響処理は以降のトラックでも随所に埋め込まれているようが気がする。静かだがオープニングにふさわしいトラックだ。

Q1このリズムトラックの音響は前作までの作品と比較してとてもクリアにリズムトラックが押し出された気がします。例えば、トミーゲレロのような要素を一層クリアにしたような印象です。前作から程なくして発表されたアルバムの1曲目としてはとても驚きました。このトラックはいつ頃作られたものなのでしょうか?前作とは明確に区別されているのでしょうか?
guitarsisyo作ったのは多分去年の中頃?だったと思います。基本的に曲作りは、時間があるときに断片断片で作って、あとでまとめる作業をするということが多いので、前作がどうだったから区別するとかそういうことはあまり考えていないです。ちなみに、トミーゲレロという名前くらいしか知らないのです…すみません…。
2.tpgk
冒頭のクリアなピアノのフレーズは絶妙に揺らぐことで、Hip Hop経由のサンプリングカルチャーが透明感を伴って昇華したような印象を残す。電子音を重ねながらトラックは進行するが、時折に挟みこまれるアコースティックギターの叙情的なオブリがECMのレコードのような感触を残す。
3.osk feat. hikyo
続くトラックでは非常にクリアでオンマイクなギターとリバーブに淡く揺らめくhikyoのヴォーカルの重なり具合が心地よい。ここでも繰り返されるフレーズは各所に揺らぎが織り込まれている。そこにリズムボックスの端正なノートが挿入されることでフォークトロニカとHip
Hopが入り混じる奥行きある響きを作り出している。

Q2この揺らぎと端正なリズムボックスのバランスがとても好きです。このトラック、どのパーツもナチュラルメイクというのか、丁寧な音響とナチュラルさが同居していて素晴らしいと思います。例えばヴォーカルRECの際には、例えば歌い方や言葉の散らばし方などあらかじめイメージを共有されていたのでしょうか?
guitarsisyo歌については、すべてお任せです(笑)。お互い離れたところに住んでいるので、カラオケ状態の音源をお渡しして、歌トラックをスタジオで録ってもらい、歌ファイルだけを頂いて、こちらですべてエフェクト処理、ミックスをしました。個人的にhikyoさんの声質が好きで、多分自分の曲に合うだろうなとは以前から思っていたので、私的には想定内(笑)の出来です。
4.dbnrm
細やかに配置されたリズムトラックとサンプリング音が印象的な冒頭部分にギターのアルペジが重なる瞬間、リズムトラックがミュートされギターを中心としたオーガニックな音が目の前に広がる瞬間、ピアノとギターが淡く交差する瞬間、シーンが切り替わるごとにそれぞれの美しさが刻まれているとても繊細な楽曲。どの瞬間も音響がとても印象に残る作りになっている。
5.sra
電子音が静かにコードを刻み、ディレイによってリズムが提示され、ギターはゆっくりと端正なアルペジオを刻む。シンプルなコード進行が物語を進めていく。中間部で入れ替わる細かな電子音の美しさに続くリズムトラックは意外にも高速感を持ったキック。シリアスさに寄り過ぎず穏やかなユーモアさえ感じさせる余裕のある表現に成功している。

Q3このトラックはシーンの切り替えが見事だと思います。特に後半に向けてのJUKEの倍速感覚とも違う、ダビーな音楽でもなく、なんとも予想外の展開なのですが、ある種の余裕とユーモアを感じてしまいました。そのような感じ取り方はどんなものでしょうか?
guitarsisyo私的には、あまり凝った展開ではないと思っています。多分ですが、ポストロックとかマスロックとか言われるジャンルの方々の曲を聴いていたからそういう影響からもしれないですね。そういう中だと「ベタ」かなと感じているくらいです。
6.teks
前曲から程なくつながるが、ここでは再び端正なブレイクビーツが再現されている。リバーブに暖められたスネアと透明感ある電子音に寄り添うギターのアルペジオ。静かに7thを入れ込むアプローチや、中間部以降で強調され繰り返される転調、音の動きがとても絵画的なトラックだ。
7.sbe
複雑な和声が示された前曲との対比でシンプルなコード進行が引き立つこのトラックでは、ピアノにMarei
Suyamaを迎えた淡いインタープレイが印象的だ。ピアノを覆うどのパートも大きく出すぎることなく、シンプルなコード進行を印象付けるべく一体となるようなアレンジと音の分離具合の対比がとても美しい。美しさへの配慮の多いトラックだ。

Q4冒頭にも登場する管楽器の音色からもっとvaporwave的な展開を予想したのですが、むしろ自由に広がるピアノや前曲との対比でのシンプルなコード進行が印象的でした。曲の並び方がとても効果的だと思います。(が、曲順が見えてきたのは制作のどの段階あたりなのでしょうか。こうした繊細な並べ方というのは相当時間を掛けて練った構成なのかなと想像しました。そのあたりのお話を伺えたらと思いまして質問させて頂きました)
guitarsisyo曲順については、レーベルの方と相談して決めました。全曲揃ってからですね。今回のアルバムは今までだったら、全て自分で考えないといけないところを客観的に見てくださる方がいたので、大変助かりました。
8.cbmh
リードトラック的な明快さを持ちつつ、ギターが旋律とアルペジオの中間点のようなフレーズを奏でている。複雑さと明快さを併せ持つトラックだが、端正なバランスがそれらを両立させている。ギターの揺らぎはかつてのミニマルミュージックも連想させる。あらゆる要素が織り込まれている。
9.ansl
朴訥なピアノのブロックコードを支えるブレイクビーツ。美しい転調をはさむコード進行、ギター、電子音、オブリとリズムトラック、表情の移り変わりがとても自然で、楽曲の展開を意識せず、つい聴きいってしまう。中間部以降徐々に音が集まり集中力を増す。このゆったりした淡い変化が美しい。
10.slw
朴訥としたピアノとギター、楽曲は静かにレイドバックしたブレイクビーツに乗せて、美しくもシンプルな進行の中での物語のシーンを切り開いていく。ここでも端正で美しい世界はキープされているが、時折みせるギターのオブリをとらえる音響が美しい。ピアノの細かな打鍵、ゆったりしたフレーズ、旋律以外の要素も一体となって淡い世界観を醸し出している。
11.life is dictionary
最後に収録されたこの曲では、淡さはリバーブの中に残しつつ、ダイレクトな音響のギターがそれを引き立てる。陰影を帯びたコードや、静謐なブレイク、サイン波を引き伸ばしたような低音の余韻、どのパーツも自らの短いフレーズをもっており、それらが揺らぎながら寄せては分離するサイクルに包まれていく。soejima
takumaによるミックスがラジカルな側面と叙情的な背景を同居させることに成功している。とても美しい。

Q5soejima takumaさんとの音楽的な相性はとても良いと感じました。シリアスさやアーティスティックな側面が時折ユーモアでうまく包まれていることがあったり、とてもラジカルな部分が時としてむき出しになっていたり。。ミックスによって変わった部分、変わらない部分というのはありますか?
guitarsisyo元々は、ギターとエレピのかなりシンプルなものだったのですが、soejimaさんがピアノを足してくれたり、ミックスしてくれたことで最後の曲に相応しい感じになったかな?と思います。
Q6どうしても伺いたいと思っていたことがありました。それは不思議な曲のタイトルについてなのですが、、逆に最後のトラックだけは明確な単語になっていますね。そして”dictionary”という言葉。前作までのタイトルも含めてとてもdictionary的だなという集約されたイメージをこのトラックに求めてしまうのですが。。(が、そんな深読みはアリでしょか)
guitarsisyoタイトルは付けるのが苦手なのと、dawのファイル名も製作開始年月日なんですよね。で、尊敬する宮内優里さんの曲タイトルも結構適当だったので(笑)、「あ、もうこれでいいや。」という感じで付けています。一応、ある単語の頭文字のアルファベットを取っているんですが、思い付きでつけているので殆ど覚えていません(笑)。
最後の曲だけ明確な単語なのは、昔、音楽的にかなり影響を受けた人とユニットを組んでいたことがあって、そのときのユニット名なんです。もうその人とは音信不通で今どこで何をしているかも分かりませんが、もしこれを見たら思い出して頂ければありがたいなと。なので、楽曲については全く関係無いですね(笑)。
Q7最後に、このアルバムに込めた「家族への想い」というのはどういったものなのでしょうか。(私は、そこにある種のメランコリーと、自我っていうのでしょうか、、そういうものが縦軸、横軸で交錯する、、とても複雑な、肉親ゆえの、、的な想いを感じてしまいましたが、、そのようなものなのでしょうか)
guitarsisyoあんまり深い意味は無いですが、僕のように嫁や子どもがいて、音楽で生業を立てていない人が、音楽活動を続けるのって意外と難しいのかな?って思います。それが出来るっていうのは、やっぱり家族が理解して許してくれているからだと思うんですよね。そこに対する感謝という意味でこういうアルバムタイトルにしました。ま、結局、楽曲には何の関係も無いですね(笑)。
そういう意味から言うと、次のアルバムタイトルは「gift to her vol.2」とかになりますが、それは避けます(笑)。
基本的にはこれまで通り、不思議な曲名と美しいアコースティックギターが織りなす世界観はしっかりと提示されているが、多様性がその世界をさらに押し広げることに成功しているのではないかと感じる。「家族への想い」をタイトルに込めたという本作は、家族故のメランコリーを持った陰影を残しつつ、自己の透明感はキープする。そういったタペストリーを連想させる折り重なった世界を幾重にも提示してくれる作品に仕上がった。


インタビュー 30smallflowers(@30smallflowers)



gift-to-her
『gift to her』/ guitarsisyo
2016年7/17リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD59
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. toou
02. tpgk
03. osk feat. hikyo
04. dbnrm
05. sra
06. teks
07. sbe
08. cbmh
09. ansl
10. slw
11. life is dictionary
amazon
All Tracks Written, Produced & Mixed by guitarsisyo in Japan
Except:
M2 Vocal by hikyo, Recorded by CatooO NO asoviva
M5 & 11 Additional Production & Mix by soejima takuma
M7 Piano by Marei Suyama
Mastered by Yoshio Machida
Model by mirei
Artwork by rieko w, guitarsisyo
Design & Layout by nik
Thanks to: bit, horse ride park, sexy chocolates, selvasupina, CatooO, NO asoviva, My Family & All Friends

2016.7.26 21:00

【NEWS】M-KODA アルバム『WORKINGS』より「analog107」のMVを公開

6月に5thアルバム『WORKINGS』をリリースした仙台市出身のSatoshi Kodamaによるソロ・プロジェクトM-KODAは、アルバムのリードトラックの1つである「analog107」をPROGRESSIVE FOrMのYouTubeチャンネルに公開した。



WORKINGS
『WORKINGS』/ M-KODA
2016年6/12リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD58
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. october
02. analog107
03. contact
04. nine.5
05. alley
06. call
07. overtone
08. dsfm
09. adbd
10. amp eg on
11. berlin
12. freq
amazon

2016.7.13 8:13

【NEWS】guitarsisyo 初の全国流通盤『gift to her』を7/17にPROGRESSIVE FOrMよりリリース

過去にネットレーベルからのリリースで高い評価を受けているfolktoronica / electronica・guitarsisyoは、4thアルバムにして初の全国流通音源となる『gift to her』を7/17にPROGRESSIVE FOrMからリリースする。
アコースティックギターとサンプリングされた多様な音を組み合わせて作られる音、そして家族への思いが作り出したドラマチックかつセンチメンタルなアルバムとなっている。
現在PROGRESSIVE FOrMのsoundcloudでは「toou」「teks」「ansl」の先行試聴とアルバムトレーラーが公開中。

gift-to-her
『gift to her』/ guitarsisyo
2016年7/17リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD59
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. toou
02. tpgk
03. osk feat. hikyo
04. dbnrm
05. sra
06. teks
07. sbe
08. cbmh
09. ansl
10. slw
11. life is dictionary
amazon
All Tracks Written, Produced & Mixed by guitarsisyo in Japan
Except:
M2 Vocal by hikyo, Recorded by CatooO NO asoviva
M5 & 11 Additional Production & Mix by soejima takuma
M7 Piano by Marei Suyama
Mastered by Yoshio Machida
Model by mirei
Artwork by rieko w, guitarsisyo
Design & Layout by nik
Thanks to: bit, horse ride park, sexy chocolates, selvasupina, CatooO, NO asoviva, My Family & All Friends




2016.7.3 20:30

【NEWS】M-KODA 最新アルバム『WORKINGS』収録曲「call」のMVを公開

6/12に最新アルバム『WORKINGS』を公開した仙台市出身のSatoshi Kodamaによるソロ・プロジェクトM-KODAは、アルバム収録曲「call」のMVをPROGRESSIVE FOrMのYouTubeチャンネルに公開。



WORKINGS
『WORKINGS』/ M-KODA
2016年6/12リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD58
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. october
02. analog107
03. contact
04. nine.5
05. alley
06. call
07. overtone
08. dsfm
09. adbd
10. amp eg on
11. berlin
12. freq
amazon

2016.6.15 0:56

【NEWS】M-KODA 5thアルバム『WORKINGS』を6/12にPROGRESSIVE FOrMよりリリース

PROGRESSIVE FOrMは、仙台市出身のSatoshi Kodamaによるソロ・プロジェクトM-KODAによるアルバム『WORKINGS』を6/12にリリースする。
前アルバム『Synthese』以降にプロデュースされた40曲近い未発表曲から構築されたこのアルバムは、現在soundcloudに試聴音源が公開されいてる他、MV「overtone」がYouTubeに公開されている。

WORKINGS
『WORKINGS』/ M-KODA
2016年6/12リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD58
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. october
02. analog107
03. contact
04. nine.5
05. alley
06. call
07. overtone
08. dsfm
09. adbd
10. amp eg on
11. berlin
12. freq
amazon




2016.5.29 11:27

【NEWS】異端のハイブリッド・サウンド!SATOL2ndフルアルバム発売

あり得ないビートダウンから無拍子の着手、突如鳴りだす叙情派メロディー、PROGRESSIVE FOrMからSATOLの2ndアルバム『Shadows』が4月15日にリリースされる。アルバム発売に合わせ、4月15日より25箇所を越す国内ツアーも敢行。



ドイツBerlinとスペインMadridを拠点とするレーベルmadberlin唯一の日本人アーティストとして2010年にmadberlinよりデビュー作を発表以降、国内外で注目されている彼の待望の新作となる。
日本のO.N.O[THA BLUE HERB/STRUCT]とTAKAAKI ITOH[WOLS]、スペインからIOAN GAMBOA、そしてオランダからHALPがゲスト参加。

H1_PFCD57
『Shadows』/ SATOL
2016年 4/15 リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo:PFCD57
価格:¥2,000

【Track List】
01. follow the crowd
02. あなたの思いと影
03. Koroshiya no tomo
04. voyeurism
05. alertness
06. period of alertness feat. O.N.O [THA BLUE HERB/STRUCT]
07. period of alertness 2 feat. TAKAAKI ITOH [WOLS]
08.?period of alertness 3 feat. HALP
09.?period of alertness 4 feat. IOAN GAMBOA
10. come to oneself

『Shadows Tour 2016』
4/15茨城Octbass  4/16下北沢Three  4/23京都Lab.Tribe  4/24滋賀livehouse B-FLAT  5/06香川iL  5/07徳島King  5/19TBA  5/20大阪Triangle  5/21和歌山  5/27鹿児島Bar Nine  5/28大分CMVC  6/04広島Music Factory  6/05岡山Pepper Land  6/18長野Club Earth  6/19名古屋Daytrive  7/08山形Sandinista  7/09福島Peak Action  7/15 長野the Venue  7/16 岐阜Breath  7/17 新潟Live House Earth  8/19TBA 8 /20 富山Mairo/Minority  8/21TBA  8/27日鹿児島  8/28 熊本 8/ 29 熊本

以下の日程はO.N.O(THA BLUE HERB/STRUCT)とのツアーとなる。
9/02 TBA  9/03 秋田Club Utica  9/04TBA

2016.3.30 19:53

【NEWS】4/7(木)代官山UNITで『Star Cocktail』のリリースイベントを行うfraqseaが収録曲「Always With U」MV公開!

4/7(木)代官山UNITで『Star Cocktail』のリリースイベントを行うfraqseaが収録曲「Always With U」のMVを公開した。



監督はMATSUTO。fraqsea本人が昨年末の海外公演時の飛行機移動などで撮影した素材を中心に制作されたという。

『fraqsea “Star Cocktail” release party』
2016年4/7(木)代官山UNIT
ACT:fraqsea / no.9 orchestra / UN.a feat. Utae / LLLL
Open/Start 19:00
Adv ¥2,800 / With Flyer ¥3,000 (携帯での画像提示可) / Door ¥3,300
より詳しいイベント、リリース情報はこちら

2016.3.23 18:02

【NEWS】fraqsea『Star Cocktail』リミックスコンテスト開催!優秀作品は世界配信

1月17日にリリースされたfraqseaの2ndアルバム『Star Cocktail』PFCD54から、収録曲「Icecream Holic」「Always With U」の2曲のリミックスコンテストがおこなわれる。優秀者は、4月7日のfraqsea『Star Cocktail』リリース・イベントへ招待される他、『Star Cocktail』Remixes(予定)に収録されiTunes Music Store等で全世界へ配信される。詳しい応募方法はPROGRESSIVE FOrMのfacebook pageを参照のこと。

fraqsea “Star Cocktail” Remix Contest▷1月17日にリリースされたfraqseaの2ndアルバム『Star Cocktail』PFCD54から、収録曲「Icecream Holic」と「Always…

Posted by PROGRESSIVE FOrM on 2016年2月5日

2016.2.5 19:59

【INTERVIEW】fraqsea『Star Cocktail』(PROGRESSIVE FOrM)



シャーベットポップと評されることの多いShellingでヴォーカル/ギターとしても活動しているayaのソロプロジェクト 《fraqsea》による、2013年以来約2年半振りとなる2ndフルアルバムが発表された。アルバムは、全体の印象として声を引き立てるために極めて慎重に配置されたトラックのバランスの良さがとても上品に響く作品に仕上がっている。一方でシューゲイズのアプローチもごく自然に配慮されており、主には電子音によって構成されているにもかかわらず必ずしもエレクトリックな印象ばかりではないところや、抑制された出過ぎない音圧などの目新しさも印象的だ。これらの音を取り巻く環境について、indiegrabはayaに伺ってみた。

︎「今回のアルバムは声の加工をほぼせず
ポップソングを意識しました」

Shellingはとても心地よいシャーベットポップなサウンドが印象的です。浮遊感あるヴォーカルはShellingの中では時としてある種の孤高の印象、遠く手の届かないところで歌われている印象もあります。この辺りはソロプロジェクトでは少し距離感が違うようにも感じます。歌詞やメロディーの印象でしょうか。ソロプロジェクトfraqseaとShellingでは歌い分けているという意識はありますか?
fraqsea(以下 f):Shellingでは映像の浮かぶ音楽というものを意識した音作りをしています。歌い方に関しても声を音の一部として捉えているので輪郭をなくした加工作りをして表現しています。fraqseaでは、そういったジャンルや世界観を決めず、自由に創作します。今回のアルバムは声の加工をほぼせずポップソングを意識してのアルバムとなりました。
例えばWe’ll Go To See The Seaは、Shellingよりも、一層バンド的な、つまりギターと声をメインにした楽曲ですが、今回fraqseaでこの曲は不思議とバランスよく収まっているように感じます。この曲を含めて、ソロプロジェクトとShellingでは楽曲は使い分けを意識していますか?
f:楽曲作りにおいてはShellingもfraqseaも、おもちゃで遊ぶような感覚で、始めはイメージの括りをせずにまず機材を触っていく中で形にしていきます。そこでShellingの曲として作るか、fraqseaの曲として作るかと決める場合もあれば、いじっていく内にfraqseaになったりもします。
なるほど、後からこれはfraqseaに相応しいな、ということが見えて来るというときもあるんですね。
f:そうですね。それからShellingでは、バンドとして楽曲のアレンジを出し合い化学変化をしながらどのように完成していくかといったつくりかたをしています。映像が浮かぶ音楽だったり、より芸術性に沿った音響的な部分を意識しているのですが、ソロではジャンルを括らず自由な曲作りをしているので自然と弾き語りの楽曲も増えていきました。We’ll go to see the seaもその内の1曲です。
今回の作品はいつ頃、生まれたものなのですか?
f:今回のアルバムの楽曲ほとんどは、2015年の1月に出来た曲で、1ヶ月で20曲位作りました。元々フロアミュージックを好んで聴いているのですが、この頃は特にハウスミュージックを聴いている内にShellingでもfraqseaとしてでもなく単純に、こういうのやりたいなぁと思い立って作ってみたんです。それは新たな制作の仕方でした。
これらの楽曲は特に発表することもなかったのですが、PROGRESSIVE FOrMレーベルオーナーのnikさんからアルバムリリースのお話をもらった時に、デモでも構わないから今ある曲をいくつか送ってほしいと言っていただいたので今回、日の目をみたという形です。

︎「この2曲はイメージやテーマが始めに自身の中であり制作したので楽曲の世界観が出しやすかったです」

アルバムを通して聴くと、冒頭の曖昧果実とラストのNear The Rainはどちらもとてもオーガニックな印象を併せ持つアンビエントスタイルが印象的ですね。
f:あるアンビエントイベントにお誘いいただいて、そのイベントに向けて作った楽曲がNear The Rainです。曖昧果実も、以前コンピレーションアルバムのお誘いがあり制作した楽曲です。この2曲はイメージやテーマが始めに自身の中であり制作したので楽曲の世界観が出しやすかったです。
収録曲や曲順は、つまりこの2曲で全体を挟む構成は、アルバム制作のどこ段階で見えてきたものなのでしょうか?
f:アルバム収録曲を決める時に送ったデモ曲の中にこの2曲も送っていて、nikさんがセレクトしたという形です。収録曲、曲順などもお任せしました。
PVを作られた2曲(My Own Way, Always With U)はフロア仕様でありながら抑制の効いたトラック、タイトル曲(Star Cocktail)はポップなメロディーが印象的な仕上がり、これらの曲はアルバムの軸になっていると思います。
f:Always With Uについては、メロディーの構成は元々あり、それに装飾していくような形で始めはうわもののシンセサイザーからフレーズを作っていきました。後からリズムをどう作ろうかと考えた時に、自分の思う幻想性(音響、空間的な)のある音とクラブミュージック寄りのリズムを融合させたらどうなるだろうという試みから出来た曲です。抑制という風には自身では思わなかったのですが、こういった経緯からそう思う方もいらっしゃるかもしれませんね。イメージとして近未来都市や再生、前進、といった楽曲作りに努めました。歌詞に”舞い上がる好奇心を再生させる”とあるのですが、実は昔作った曲の歌詞の一部で。過去に書いたものだけど今もそれは残っていて、その歌詞には未来に前進する気持ちが書かれていて。それが不思議に思ったし、おもしろいと思い、そのまま使用しました。それからMy Own Wayはリズムトラックから作り始めました。メロディは後から作ったパターンです。90年代に流行った風のシンセサイザーを取り入れて、女性目線のメッセージ性のある歌詞作りを意識しました。キャッチーな楽曲になったと思います。
そこでお伺いしたいのはこのアルバムタイトルの意味です。アルバム全体の言葉の 絵画的なイメージを集約しているようにも思えますし、一方で本作の中ではやや異色な仕上がりという引っかかりもありますが、この曲がタイトル曲になった理由はありますか?
f:楽曲Star Cocktailは、リリースの話が決まってから収録曲を決めるときに、あと数曲作ろうと思い、制作して出来た曲です。それで新たにStar CocktailとTake Me Awayが収録曲に加わったんです。夏をイメージした曲でよりポップさを出したかったのもあり歌い方も変えました。具体的にいうと思いきり歌ったというか。この曲で新たに歌い方のバリエーションが増えました。今までリリースしてきた曲の中ではこういう歌い方をしたことが無い故にもしかすると異色と印象づけられるのかもしれません。制作過程は違うものの、これらの曲をアルバムの軸と言っていただくのは嬉しいですね。
ありがとうございます。そして、これがアルバムタイトルになりました。
f:そうですね。Star Cocktailという言葉を作ったのが音楽活動をしていた初期の頃で、なんか良いなぁと、常に頭の片隅にあった言葉でした。今回のアルバムタイトルを決めるときに直感で浮かんだのもありこのタイトルにしました。楽しみながら作ったアルバムなので、ぱっと見て楽しそうな響きかも、と思ったりもしました。

︎「皆で作り上げていくことって素敵なことだなぁと
改めて感じています」

ayaさんは常にアートワークを手がけていますが、今回のアルバムは印象として、とても抑制の効いた世界観とそれに呼応するモノトーンの写真、それに合わせて言葉はとても絵画的で広い世界を散りばめているようで、実際にはとてもパーソナルな世界を歌っているようにも感じました。アートワークでその辺りを意識されている部分はありますか?
f:アートワークは今回、レーベルオーナーのnikさんをはじめカメラマンの小川さん、ヘアメイクをしてくださった酒井さん、イズミさん、映像作家のミヨシさんたちと皆で話し合って完成したものなんです。
アートワークそのものも、とても時間をかけたんですね。
f:衣装のディテールや色、ヘアスタイルのイメージも細かく意見を出し合いながら進んでいき、撮影では寒い中早朝からサロンで、夕日の沈む前の海で、夜は六本木ヒルズのイルミネーションの中で撮影しました。数百枚の写真の中からジャケット写真を選び、タイトルのフォントや色味も納得いくまで決めていきました。皆で作り上げていくことって素敵なことだなぁと改めて感じ、一層思い入れのあるアルバムになりました。

︎「自然の現象、ファンタジックな世界感と
叙情感を結びつけました」

星や夜空、宇宙、といった広い世界と、わたし、という存在、どちらも考えてみればとても捉えることの難しい、大きな世界と、繊細な心の感情を 含んでいるように思います。ある種のプライベート感覚というか、心の中、心象風景というような。これらはayaさんにとっては日常的なものなので しょうか、それとも特別な、あるいは非日常的なものなのでしょうか?
f:メロディーの歌詞やタイトルに取り入れている雨や月や星などの『自然の現象、宇宙観』+アイスクリーム、ブレスレット、ドレスなどの『ファンシー、ファンタジックな世界感』(ex.アイスクリームが大好きすぎてアイスクリームも私を好きなの、というIcecream Holic)+日々生きる上で感じる、愛する気持ち、迷い、自我、楽しさ、リラックス、といった『叙情感』を結びつけました。
いいエピソードですね(笑)。それは音作りもやはり同じような世界が背景にある訳ですね。
f:音作りに関しても同じく、自然の現象、宇宙観として霧をイメージしたMoon,Fog Moonのベースシンセサイザー、水の雫をイメージしたCardinal Pointのミニマルなシンセサイザーフレーズ、叙情感としてリバーヴやディレイを多用したギターNear The Rainなどです。
もう少しこの辺りについて聞かせて下さい。アートワーク、言葉、歌、声、音、あらゆる表現を通じて、つまりとても多様な方法で、それが最後に一つにつながっていくというような世界観で創作をされているような印象を受けました。実際にお話を伺ってやはりそのように感じます。作品を作る時、一番最初にイメージとして湧き出てくるものは、どんなものでしょうか。言葉、絵、メロディーなど、何がきっかけで作品が膨らんでいくのでしょうか?
f:創作するときは何も考えないで楽器に向かうことが多いです。何も浮かばなければその場でやめて、没頭するときは時間を忘れて気がついたら3時間過ぎているということもあります。普段日常でメロディーが浮かんだ時はボイスメモに録音して、ギターコードから作ることもあれば歌いやすい音階を鍵盤で合わせてシンセサイザーの音色から決めていくこともあります。そこからベースとなる音作りをしていく中でその曲のカラーや情景が浮かんできます。
とてもピュアな創作のスタイルなんですね。
f:何もない状態から作る時は、始め1音をギターや鍵盤で鳴らした時にイメージを膨らませていきます。美術館や博物館、海外旅行に行ったり、映画を見たりすることが好きで、印象に残る景色や作品は数多くあります。そのような複合がイメージとして浮かぶこともあるかもしれません。

︎「今回はダンスミュージック寄りの楽曲、弾き語り、とバリエーションを増やし新たな一面を表現できたと思います」

曲作りの方法や言葉に隠された意味など色々とお伺いできてとても良かったです。ここで、もう一度「fraqseaの」ayaさんという視点からみて、リスナーの皆さんにあらためてお伝えしたいことがあればお聞かせ下さい。
f:今回はダンスミュージック寄りの楽曲、弾き語り、とバリエーションを増やし新たな一面を表現できたと思います。星のようにちりばめられた曲たちをアルコールと一緒に飲み込んでも良いし、歌詞の中にある言葉を自分に当てはめていただくのでも、なんでも自由に楽しんでいただけたらと思います。
たしかにそういった自由さがとても上品にパッケージされていると感じます。
さて、最後になりましたが今後のfraqseaとしての活動予定があれば教えて下さい。
f:4月にリリースパーティーの予定があります。まだ未定ですが、いくつかリリースのお話があるので楽曲作りもまた始めています。
まだこれからの展開も楽しみですね。今日は、ありがとうございました。

インタビュー 30smallflowers(@30smallflowers)


Star-Cocktail
『Star Cocktail』/ fraqsea
2016年1/17リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo:PFCD54
価格:¥2,000(税抜)
実店舗限定購入特典:PROGRESSIVE FOrM 2016のNEWミックスCD(80分弱収録)+歌詞カード
【Track List】
01. 曖昧果実
02. Love Tonight
03. Icecream Holic
04. My Own Way
05. Cardinal Point
06. Always With U
07. Take Me Away
08. Star Cocktail
09. Nothing
10. We’ll Go To See The Sea
11. Moon, Fog Moon
12. Near The Rain

All Music & Lyrics by Aya

Additional Production & Mixed by Tetsuya Hikita+NIL
Mastered by KASHIWA Daisuke at Studio FLAT

Photography & Design by Satoshi Ogawa (3104 GRAPHIC)
Hair by Sakai (OFF)
Make by Izumi (OFF)

2016.1.30 12:00

【NEWS】yuichi NAGAO 新曲『Whte Wind』、アルバム収録曲『Northern Cross』公開

9月にアルバム「Phantasmagoria」をリリースしたyuichi NAGAOは15日、新曲『Whte Wind』とアルバム収録曲『Northern Cross』をPROGRESSIVE FOrMのsoundcloudに公開。
『Northern Cross』については12/15~12/25の18:00まで限定でフリーDL可能となっている。
また、yuichi NAGAOは12/23(水・祝)に恵比寿KATA(LIQUIDROOM 2F)で開催される『MOMENTS with Phantasmagoria and WORKERS』への出演が決定している。




Phantasmagoria
『Phantasmagoria』/ yuichi NAGAO
2015年9/18リリース
フォーマット:CD/デジタル配信
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo:PFCD50
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. Nostalgia
02. Jewel Eyed Girl
03. Orb
04. Procyon
05. Vega
06. Northern Cross
07. 真夏の夜の夢
08. Star Rain
09. Merry-Go-Round
10. Journey To The Stars
11. Promise
12. Sea Of Memory
※実店舗では初回出荷分として、PROGRESSIVE FOrMのMixCD2枚と特製ステッカーをセットにした特典をプレゼント

配信用ボーナストラック
Star Dancer
Virgo
amazon


『MOMENTS with Phantasmagoria and WORKERS』
2015年12/23(水・祝)恵比寿KATA(LIQUIDROOM 2F)
ACT:yuichi NAGAO / Mulllr / Pawn/梅沢英樹 / Nyolfen / LLLL / hajimeinoue
Open/Start 18:00
Adv ¥1,000 / Door ¥1,500(w/1d)
前売り購入:
http://pform.thebase.in/items/2427252

2015.12.18 11:38