【NEWS】former_airline アルバム『Postcards from No Man’s Land』収録曲「Insane Modernities」のMVを公開
久保正樹によるソロ・プロジェクトformer_airlineは13日、MV「Insane Modernities」を公開した。
本楽曲は2020年10月にCall And Response RecordsからカセットとBandcamp経由でデジタルリリースされたアルバム「Postcards from No Man’s Land」収録曲。
映像はブエノスアイレス在住でアメリカ人インディーフィルムメーカーJeff Zorillaが2017年来日時にスーパー8mmフィルムで撮影して制作されたもの。
東京での生活の混乱と混沌を現代的かつCovid-19パンデミック前のノスタルジーとして表現されている。
【former_airlineコメント】
・アルバムについて
これまでリリースしたアルバムには特にコンセプトはなく、全体の仕上がりから無意識に統一感が見えてきて、そこから後づけでテーマが決まっていたのですが、今回ばかりはパンデミックを無視することができず、制作過程からformer_airlineなりに時代と共振するつもりで音を意識的に選びました。それが最も顕著に現れた曲が “Geometries of the Imagination”です。
このアルバムは、コロナ以前の2019年終わりに作った楽曲とコロナ以降に自宅にこもって録音した音を組み立てた楽曲で構成されています。〈まだ変わる前の世界〉と〈もう変わってしまった世界〉との移り変わりを連続的に記録し、無人地帯からの空虚な響きが取りもつ不安定な世界とのつながりを憂い、ポストカードにしたためたようなものです。それはノスタルジックな過去でもなく、夢見がちな未来でもない、超現実的で虚ろな「いま」を幻想的に照らし出す試みでした。
ちなみに最後のトラック”S.Sontag in the Psykick Dancehall”はサイキックTVのアシッド・ビートを意識して作った曲ですが、完成直後にジェネシス・P・オリッジが亡くなってしまい、図らずも彼に捧げる曲となりました。
・MVについて
アルバムの中で一番最後に作った曲であり、全体的にゆるやかに流れるアルバムにスピード感を加えるために、完成間近に急きょ差し替えることにした曲です。結果、アルバムの中でもっともキャッチーな曲になったような気がします。
レーベル・オーナーのイアンさんから監督の作品を教えてもらったとき、”Insane Modernities”の壊れた世界とハンマー・ビートのリズムに、監督の特異なフィルターを通したぼやけた都市イメージの連続、速度のあるカットアップの組み合わせはきっとうまく混じり合うだろうと感じました。コロナ以前の荒涼としながらも楽観的な東京を切り取った膨大なシーン。小津の静けさとも、ヴェンダースの熱気とも異なる奇妙なオリエンタリズム。色彩の揺らぎ。光と影の残像。序盤の温かみさえ感じられる人々を中心とした鮮明な映像から、徐々に物質的な様相を帯びて霧深いカオスに向かっていく展開は、まるで猥雑なファンタジーのようです。
『Postcards from No Man’s Land』
/ former_airline
2020年10/28リリース
フォーマット:カセットテープ+DLコード/デジタル配信
レーベル:Call And Response Records
カタログNo.:CAR-44
価格:¥1,500(税抜)
【Track List】
A-01. In Today’s World
A-02. Geometries of the Imagination
A-03. Insane Modernities
A-04. On the Sea of Fog
A-05. Dubby the Heaven
B-01 Paint This December Blue
B-02 Destroy What Destroys You
B-03 Walking Mirrors
B-04 S. Sontag in the Psykick Dancehall
2021.1.14 19:00
カテゴリ:NEWS タグ:CALL AND RESPONSE, former_airline, JAPAN