【NEWS】窪田渡(ex.空気公団) シングル「貿易風/寒冷前線」4/6より配信開始 ミックス&マスタリング、アートワークまで1人で完結させた作品

窪田渡(ex.空気公団)によるシングル「貿易風/寒冷前線」を自身が主宰する霞レコードより4/6にに配信開始する。

本作は第2期空気公団終了後の2019年よりソロ活動を開始した窪田渡がによるシングル、アルバム含めて通算4作目となる作品であり、2022年第1弾作品。

収録曲は「貿易風」「寒冷前線」の2曲。
「貿易風」は初期NONA REEVESメンバーOYAMANGAによる楽曲「Blues Bar 8」にインスパイアされて作られたインストルメンタルの楽曲。
「寒冷前線」はギターサウンドに窪田の淡い歌声を乗せた、ニューウェイブ感溢れる楽曲となっている。

今回も作詞、作曲、編曲だけでなく、ミックスやマスタリング、アートワークも含めリリースに関わること全て窪田1人の手で行われている。


「貿易風/寒冷前線」
/ 窪田渡
2022年4/6リリース
フォーマット:デジタル配信
レーベル:霞レコード
*AppleMusic、Spotify、AmazonMusic、OTOTOY等主要配信サイトより配信開始


【窪田渡によるコメント】
2000年代が過ぎ、2010年代が過ぎ、2020年代も2年が過ぎようとしています。「世紀末」という言葉が奇妙な終末思想と一緒に語られていた時代からすでに20年も過ぎようとしているのです。

ある時点の過去からすると輝いていたはずの、そして別の視点では思わせぶりに悲観視されていた未来は、当然の如くそんな些細な予想など軽々と覆して見知らぬ姿で次から次へと目の前にやって来ます。同じ場所に居るつもりでも、同じ場所には居られない。そもそも地球は公転し、かつ宇宙は膨張しているのですから、広大な座標軸の上で同じ場所に居られるわけがなく、同じ場所に居る感覚は錯覚に過ぎないと、つくづく思い知らされます。

音楽にはある程度のマナーや形式があります。それを世間体と言うのであれば、それに合わせるために四苦八苦した苦労の様子が、1つ1つの楽曲に「個性」として反映し、世に出て行っていた気がしてなりませんが、一方で意地悪く言ってしまうと、完成したそれらの作品は結果的に「個性」というよく分からない自分縛りのマナーに影響され、大きく広がるどころか、逆に収縮してしまうとも言えます。そしてその先には「同じ場所」という錯覚の世界が、つまりとても恐ろしい世界が広がっている……。

OYAMANGA氏の楽曲「Blues Bar 8」に大きくインスピレーションを受けて作った「貿易風」というインストルメンタルの曲は、まさに自分にとっての「ブルース」であり、そんな「同じ場所」から離れた曲になっているのなら、とても救われる事だと思っています。

時間や場所を超えてさえしまえば、恐ろしい位に世界は簡単に変わってしまう。20年前に想像していた世界はどこかを超えない事、旅立たない事を前提として想像していた、相変わらずの世界を想像していたに過ぎなのかもしれませんが「相変わらず」なんて幻想に過ぎないと思わされる事が多々あります。

この世界からあの世界に移りゆく人、この世界にまだ残る人。どちらも「相変わらず」ではなく、どちらも「相変わらず」1日が始まる。そんな様子を歌ったのが「寒冷前線」という曲です。

遠くに停滞する寒冷前線を飛び越えさえすれば、単に地理的に離れただけに過ぎないのに全く違う世界が存在するという、そんな境目を寒冷前線に見立てて歌ったものの、実際は境目を表す線など存在せず、探したとしてもどこにもなく、けれども、いつでもどこにでも存在している気がします。

未来が想像つかないのであれば、いつかはその境目を目にできる未来がやってくるのでしょうか。そんな境目を眺められる旅ができるのであれば、さぞかし興味深い旅になりそうです。

2022.4.5 15:00

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