【INTERVIEW】『Trace Of A Dream』/ rakia
基本的に楽しみながら作る事によって、結果良い方向に導かれると思います
- –: M3「Tears」ではボーカルにHiroeさんをフィーチャーされています。Hiroeさんを起用しようと思われたポイント、またこの「Tears」について聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
- rakia: Hiroeさんは都内のライブハウスに足を運んだのがきっかけです。とてもハスキーな声で普段はスタンダードなJazzを歌われている方ですが、敢えてウィスパーボイスでトライして頂きました。
「Tears」は儚い世界のリリックですが、危うい感覚、情感のニュアンスを見事に表現して頂きました。聴き所はビートのタイトさ、ウィスパーボイス、ピアノのラインです。
更に「Tears」は今回のアルバムのアートワークを手がけているmisayo yonaiさんの個展に赴いた際、yonaiさんから頂いたパステル画をモチーフに制作しました。
- –: M5「Dimples」M7「Moments」ではボーカルにLayla Tomomi Sakaiさんをフィーチャーされています。Layla Tomomi Sakaiさんを起用しようと思われたポイント、また各曲について聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
- rakia: Layla Tomomi SakaiさんはThe IslandというEPをリリースされていて、以前からチェックしていたヴォーカリストです。そこに至るまで「Dimples」の質感にマッチするヴォーカリストを随分と探しまして、いわばブルーアイドソウル的な声の持ち主としてベストな方だと思いました。
「Dimples」の聴き所はエレクトロ寄りなビート、Layla Tomomi Sakaiさんのブルーアイドソウルなボーカルスタイル(特にサビのコーラス)、T.Pのソロや後半のブレイクです。
「Moments」の聴き所はポリリズム的なリムショット、ビート全般、Layla Tomomi Sakaiさんのクールなボーカル、トリッキーなサンプル処理です。
- –: M8「Silence, Warm & Bright」ではボーカルにTakara Arakiさんをフィーチャーされています。Takara Arakiさんを起用しようと思われたポイント、またこの「Silence, Warm & Bright」について聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
- rakia: Takara Arakiさんは昨年ParanoiaというEPを発売されていて知りましたが、Takara Arakiさんの持つブラックミュージック的要素、トリップホップ寄りのダークネスやアーティストイメージとは真逆なアプローチをしてみたらどうだろうと。ライブを拝見させて頂きつつ、キー設定を吟味して制作期間の終盤の11月に差し掛かって「Silence, Warm & Bright」を制作しました。敢えてウィスパーボイスでトライ頂いたところ、完璧に融合しました。
「Silence, Warm & Bright」の聴き所は時間的変化に富んだシンセの音色、Takara Arakiさんのリリックの世界観、柔和で優美なボーカル、オケ全体のテクスチャーです。
- –: M10「Chirderen」はそのタイトル通り子供のヴォイスがとても印象的でクールなダウンテンポですね。この曲を創られるにあたり何かイメージしたことはありますか?
- rakia: 「Chirderen」は昨年の5月のイベント用に書き下ろした曲です。自分で無造作に引いたローズのフレーズや、ベーシックなエレクトロニカのビートを基軸にVJ Hello1103さんの幾何学的な映像に似合う様にアプローチしました。
普段からフィールドレコーディングしておりますが、近所の保育園の子供達が歌っている素材を分解~再構築したところ、キーや、アクセントが見事に合致して結果として複雑なアンサンブルになりました。
- –: 楽曲制作に対するアプローチや、楽曲制作で常に意識していることは何ですか?
- rakia: 悠然とした心構えが必要だと思います。基本的に楽しみながら作る事によって、結果良い方向に導かれると思います。
- –: これまでに影響を受けたアーティストを教えて下さい。
- rakia: ビョーク、Kraftwerk、レイ ハラカミ、などです。
- –: 最近のお気に入りのアーティストや作品を教えて下さい。
- rakia: Jon Hassellの一連のアルバム、TakeLeaveのInner sea、 Prefuse 73のSacrificeです。
- –: フィーチャーや共演など、今後一緒にやってみたいアーティストはいますか?また、今後どのような創作を続けていきたいですか?
- rakia: 今まで通り、ボーカリストをフィーチャーして制作して行きたいです。舞台音楽も並行して制作しております。
- –: これからの音楽シーンについて、特にフィジカル、配信、ライブなど、アーティストの視点でみる今後や将来像的なところを教えて下さい。
- rakia: ライブならではの醍醐味、スリリングな臨場感って現場でしか味わえないと思いますが、時代性を考慮しますとクラブやライブハウスに行かずして配信したものを今いる場所で楽しむ……それはアリだと思います。
音源も定額ストリーミングサービスの台頭により、フィジカルなメディアの必要性も二極化してる感じがします。悲観するのではなくレコードや、CD、カセットなどを優れたオーディオシステムで聴く「マニアック」な聴き方も見直されるので無いでしょうか?アートワークも含め、パッケージングされた音源をインテリアとして部屋に並べるのは楽しいですから。ターンテーブルにレコードをセットして、針を置く……その過程が楽しかったりします。
『Trace Of A Dream』/ rakia
2019年3/13リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.: PFCD87
価格:¥2,200(税抜)
【Track List】
01. Trace Of A Dream
02. Passage
03. Tears
04. Winter Flower
05. Dimples
06. White Night
07. Moments
08. Silence, Warm & Bright
09. Sky
10. Children
11. Sea Of Stars
12. Alone
13. June
タワーレコード
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2019.4.7 12:00
カテゴリ:INTERVIEW, PU3_ タグ:JAPAN, rakia
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