【INTERVIEW】『all sheep sleep in yours』/ soejima takuma
通常の制作とは視点を変えながら書くので、新しい発見が常にあり楽しくやれています
- –:オープニングトラック「artifical rain」はゲーム『あめのふるほし』に向けた書き下ろし曲との事ですが、ゲームミュージックを書き下ろすという作業は普段の曲制作と比べて違いがありましたか?また、スマートフォン用とアルバムに収録したものとではマスタリングは変えているのでしょうか。
- soejima:アルバムのマスタリングは中村公輔さんにお願いしてますが、アプリ本作は『あめのふるほし』『からっぽのいえ』共に自分でマスタリングしています。というのもアプリ内で使用する音源の圧縮形式だとマスタリングで変わる微妙なニュアンスは伝わりにくいうえに音楽もあくまで演出の一要素に過ぎないので、費用に対する効果が得難いと判断しました。制作自体はアプリ作者のところにょりさんと何度も打ち合わせをし、ゲームの意図、仕掛け、登場人物の心情など細かい部分まで理解し、何度も本人に確認しながら慎重に進めているので、普段の制作とはかなり変わってきます。
- –:他にも『からっぽのいえ』収録曲「where i am」や『あめのふるほし』書き下ろし曲「artifical rain」が収録されていますが、これらのゲームにはどのような経緯で曲提供を行う事になったのですか?
- soejima:共通の知人がいて偶然1stアルバムを渡す機会があったのですが、後日、正式に依頼して頂きました。
- –:ゲーム以外にも楽曲を提供していると思いますが他にはどのような場所に提供をしていますか?
- soejima:最近ではVRイベントやモダンバレエの向けの楽曲なども書いています。最近はありがたいことにこういう機会が増えていてクライアントさん毎に求められるものが変わってくるので、打ち合わせをして、何度も書き直しながらイメージを共有します。通常の制作とは視点を変えながら書くので、新しい発見が常にあり楽しくやれています。
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- –:Onuki Makoto(M2 & M7のゲストボーカル)さんとsoejimaさんが参加するSEA LEVELやについてですが、バンド内でのsoejimaさんの立ち位置はどのようなものでしょうか。
- soejima:SEA LEVELはもともと僕が福岡に住んでた頃、一番好きだったバンドでよくライブを観に行ってたのですが、東京に拠点を移す前くらいにSEA LEVELの音源制作に携わることになり、メンバーが各々好き勝手に作った素材を僕のほうで整理してミックス・アレンジメントの最終調整などをやっていたのですが、出来上がった音源をSEA LEVELとsoejima takumaのコラボ作にするのかSEA LEVEL単体の作品にするのか扱いに困ってしまって、せっかくならメンバーに入れてくれと僕の方からお願いして加入しました。とはいえメンバーは僕を除き全員福岡に住んでおり、ライブには僕は参加できないので実質プロデューサー兼ミックスエンジニア的な役割を担ってます。
- –:SEA LEVELやabelestのカセットをリリースしているcollective nounの活動についてですが、どのような事をきっかけにカセットテープでのリリースを中心にしたレーベルをやろうとしたのですか?
- soejima:SEA LEVELと音源を制作してるときにちょうど国内外でカセットテープのリリースが盛り上がってる最中で僕もテープを作る方向で動くとメンバーには最初から話してました。データ配信中心のインターネット音楽で小規模ながらフィジカルを見直す動きが出てたんですね。collective nounを始動する前後は僕自身Bandcampで何本も海外からテープを個人輸入したり、ヤフオクでジャンク品のカセットウォークマンを買って自分で修理したりしてて、テープやそのプレーヤーのフォルムや不便さに異常なほど魅入られてたんです。インターネット音楽の市場は他のものに比べるとかなり狭いので、50本とか100本とか小ロットからプレスできるカセットテープがCDに比べて重宝されたのが実情と思いますが、今の時代の珍しさも相まってかなり面白いカウンターカルチャーになってたと思います。せっかくなので僕もSEA LEVELを取っ掛かりにレーベル(collective noun)を立ち上げて3つほどカセットテープの作品をリリースしました。このときのプロモーションの手法や試聴・売上のデータなどは本当に今でも参考になってて、最近は自分の活動がかなり忙しいので新しいテープ作品に着手できてないのですが、近い将来また始動していきたいと思っています。
- –:次回以降の作品でコラボレーションしてみたい人やジャンルがあれば教えて下さい。
- soejima:1st、2ndと多くの方に協力して頂いて作品を作ってきたので、今度は逆に自分自身で自分だけの完全なソロ作品を制作してみたいと思っています。もちろんまた制作していくうちに考えが変わるかもしれないですが、完全なインストアルバムをまだ作ったことがないので次作には絶対と言わないにしても必ずいつか実現したいです。
自分だけの完全なソロ作品を制作してみたいと思っています
インタビュー:sabadragon
『all sheep sleep in yours』/ soejima takuma
2017年6/16リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.: PFCD69
価格:¥2,000(税抜)
【Track List】
01. artifical rain
02. a sheep made in heaven
03. tomorrow world
04. in a cube
05. relation
06. where i am
07. numbers
08. ecole
09. unknown words
10. contact from…
11. white queen, black queen
12. heilsham
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2017.6.30 19:00
カテゴリ:INTERVIEW タグ:electronic, JAPAN, koji itoyama, post classical, progressive form, sea level, soejima takuma, あゆ巫女, 線描, 香月