【INTERVIEW】nemo asakura & 結川ユイ『haruno yuki EP』


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そう、俺のプロデュース作品(笑)

— :今回の制作はどんな感じで進行したんですか?
N:制作はもう簡単です。僕がトラック作って結川さんを秋葉原に呼んで、スタジオに入ってボーカル録音して。
— :じゃあデータでやり取りではなくスタジオでレコーディングした訳ですね。秋葉原をフィールドとして…。
N:自分がよく知ってるスタジオが秋葉原にあるんで合わせてもらって。
— :以前に結川さんをゲストボーカルに迎えた時もそんな感じで制作を?
N:そうそう。
— :既に確立されたやり方だったと。
N:やり方はその時の状態でベストだと思うものを選べばいいんですけどね。一番最初にレコーディングしたスタジオが酷かったんで…。
Y:(笑)
N:他のバンドがドラム鳴らしてる音が入ってきちゃって。
— :音録れないよ、みたいな?
N:まあ普通に録ったし、音は技術的に消せるからいいんですけどね。少しでも環境いい方がいいから。
— :技術的に消す手間って結構なもんじゃないですか?
N:もう、音ぶつけちゃえばいいんですよ。低音がうざいなら低音に別の音ぶつけちゃって。
— :流石ですね(笑)結川さんはそんな環境でボーカル録りってどうでした?
Y:割と自分で録る時も似たような感じだったので。
N:全国流通のCDって言っても雑誌に載ってるようなでかいスタジオで俺がこんなごっついミキサー使って…ってイメージ持つかもしれないけど、作り方としてはその辺の高校生がやってるような機材レベルとスタジオの作業レベルでやってる感じでやってるんで。
— :私が知ってる他の方のイメージもそんな感じですね。あまり高い機材買ってはいないけど頭使ってやってるという。
N:できる環境になってきたってのが。今回もコストは非常に低く抑えていて。ボーカルの依頼料とかイラストレーターさんの依頼料以外にはほとんどお金かかってないよ。流通にかかる費用とかは山岡さんに任せてるんで。
— :ああ、イラストレーターさんの手配とかもnemoさんがやってるかんじなんですね。
N:そうそう。もちろんレーベルからの仕様に合わせたものはそうするけど。
— :パッケージ全部ひっくるめてnemoさんの総合プロデュース作品て事ですね。
N:そう、俺のプロデュース作品(笑)
— :勝手にデータでやりとりしてるもんだと思ってました。
N:できるならそれでもいいんだけどね。
Y:私が自宅でボーカルを録る環境にないので…。
N:うちは面と向かって作業した方が。「ここはこういう感じでお願いします」とか言えるし。あんまり言わなかったけどね(笑)
Y:結構指示があってやりやすかったですね。
N:「もうちょっと伸ばしてー(語尾⤴︎)」ぐらいの勢いで(笑)
— :結川さんは東方等でボーカルやる時と今回とでやり方違いは感じました?あと、東方等ではボーカルの注文のつき方ってどうです?
Y:東方のボーカル録る時も直接会ってスタジオで録る事が多くてそんなに変わらないですね。
— :今回「Apple girl」で作詞されてますけども、その辺の作り方も東方さんに参加した時の作詞の感覚と変わらなかったですか?
Y:あれは本当に軽い気持ちで…。
N:「作詞してみたいんだよねー」みたいな事を言っていたので「1曲どう?」みたいな感じで。
Y:CD入るとは思ってなかったので軽い気持ちで言ったんですが、不思議な感じです。本当に初めて作詞をしたんですが、素敵な曲をつけていただいて。
— :詞先って事ですか?
Y:そうですね。
N:その方がやりやすいかなと思って。自分はどうやっても作れるので。
— :東方さんに参加した時も作詞されていたと記憶してるんですが、そちらよりも今回の方が先?
Y:東方はもっと後で、割と最近なんですよ。
— :こちらの方が作詞は先だった?
Y:全然早いですね。歌を録ったのは想像されている以上に早いですね。
N:一番最初がどこかっていうと結川さん東京来てすぐぐらいですよね。
Y:ですね。
— :そんなに早かったんですね。「Apple girl」以外の曲はnemoさんの作詞になるんですが、今回は全部日本語で作詞されてますよね。
N:日本語ですね。
— :今までも日本語で作詞された事はあると思うんですが、今までにあったエモさというかデスさという…。
N:「お前ら殺してやる」みたいな(笑)
— :言葉選んでたのに(笑)nemoさんの詞の世界ってだいたい死ぬか殺すかみたいな感じじゃないですか。
N:誰かを殺したかったのかな。わかんないですけどね(笑)
— :今回はそういう要素少ないですよね。
N:普通に考えてさ、自分が作った曲で「お前なんか殺してやるわ」みたいなの人に歌わせられないでしょ(笑)そこは商品価値ってのをつけたかった。マイナスの要素ってのを消したくて。せっかくね、声の綺麗な方に歌ってもらうわけですからそれに見合う…曲調とかキーも結川ユイさんに合わせて。そういうのができるんだぞ、俺はっていうのを見せたくて(笑)
— :その発言は載せちゃっても大丈夫ですか?(笑)
N:もうなんでも載せてくださいよ。何か言われてもtwitterでは「俺テレキャスターだし」で済むし。
— :ずるいね(笑)そうやって作られた曲ですが結川さんはどうでした?
Y:あ、すごく歌いやすかったですね。
N:それも試行錯誤を経てでしたけどね。低いところや高いところは結川さんの歌ったのを聞いて合わせたつもりなんですが、実際にやってみたら違った箇所があったので、実際やってみてテストを重ねて「こういう感じがベストかな」ってところまでようやく持って行っって。
— :nemo asakuraの普段見れない気遣いの結晶がこのEPなわけですね。
N:貴重でしょ?(笑)
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もわっとじわ〜っと余韻に浸れる1枚になっています。

— :でも今回の作品を一通り聴いて歌詞を追ってみて思うのは、抑えた表現をしつつ表現性はnemo asakuraそのものなんですよね。
N:抑えたというよりはやり方を変えたってだけですね。
— :nemo asakura色はむしろくっきりしてる。タイトルチューンの「春の雪」から既に歌詞にもギターにもエモさが爆発していて…。
N:元々あの曲は企画でボーカリスト探していた時にオーディション用に作った曲なんですよ。色んな人…もちろん結川さんにも歌ってもらったんですけど、技術的に「これぐらいは歌えてほしいな」という。耳に残りやすくて覚えやすいんだけど、実際に歌ってみるとそんなに簡単でもない節回しっていう。
— :歌い出しの部分からかなりひねってますよね。
N:捻ってるね。なかなか難しいのにちゃんと歌えてる。
— :捻り方の中に(草野)マサムネを感じるというか。
N:元々どんな女の子でも難なく歌えるキーかなって所を考えてどんなんかなと思ったらスピッツだなと。
— :ああ、その辺は意識してやってたんですね。では1曲目の話が出ちゃったので2曲目「must be there」について。
N:「must be there」はね、相当昔からあった曲で。あれ、高校位に作った曲。そのままふわふわしてたんですけどいい機会かなと思って今回使いました。
— :今回の収録曲の中では少し異色ですよね。全体の中ではあまりエモくしてないという。
N:完全に音楽の事をよく知らなかったやつが作った曲だよね。
— :そういう意味ではアクセントとして機能してる気がするんですよね。聴きやすいナンバーとして。
N:曲の構造としてはシンプルだし、難しい事やってないしね。
— :なるほど。それでは3曲目「Apple girl」は?
N:この曲は先ほど話した感じで。結川さんが作詞したいって言うからじゃあお願いしますよっていう。詞を作ってもらって曲をつけてって手順で。
— :nemoさん今まで詞先でやったことってあります?
N:自分で作る時はよくやりますね。
— :人の作った詞に合わせてっていうのは?
N:人の作った詞は初めて。
— :自分の作った詞にトラックがついたものを聴いた時、結川さんはどう思いました?
Y:自分が作詞をした時に想像していたメロディーとは全く違ったものでした想像を超えてましたね。こんなに爽やかになって帰ってくるとは思っていなくて。
— :nemoさんの爽やか要素の発現ですね。
N:いやあ、あれは普段通りまんまですよね。あんまり詞に寄せるとか考えてなかった。自分でギターを弾いて歌詞に合わせて歌っていってという…。
— :最後に「夕暮れ過ぎて恋花火」ですね。



N:あれは良くできたなと(笑)あれが一番最後に作った曲なんですが、あれがこのEPの集大成みたいな曲になっていて。キーも寄せたし、曲調も彼女の声に合わせたサウンドで作って。で、実際歌ってもらってMixして完成したものを聴いて「うん、これだな」と。
— :nemoさんの満足度が高かった?
N:曲が長いというか間延びしてるかもなという以外は完璧ですね。
— :今まで自分が作ってきたトラックの中で順位をつけるとしたらどの辺りに位置する曲ですか?
N:今まで作ってきた曲も100や200じゃないからなあ…ただ、あのEPに入っている曲の中では間違いなく1番ですね。
— :結川さんとしてはいかがですか?
Y:最初にデモをもらった時の出だしからの衝撃が一番強くて…。
N:俺が裏声で歌っているデモが(笑)
Y:いや、それは…(笑)でもnemoさんの歌声の方が自分的にはしっくりくるぐらいでしたね。聴きすぎちゃって(笑)とにかくあの中では一番好きな曲ですね。
— :最後にこの音源を聴いてくれた方、これから聴こうとしている方へのメッセージをお願いします
N:感傷の深淵に触れよ…。
Y:結川は本当に素のままストレートに歌いました。爽やかさの中にある女の子の切なさや強さ、甘酸っぱさを感じていただけると嬉しいです。nemoasakuraサウンドがとっても心地よくて、4曲聴いたあと、もわっとじわ〜っと余韻に浸れる1枚になっています。是非、視聴で満足せずにCDを手に取っていただきたいです!


インタビュー/テキスト sabadragon(@sabadragon)



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2016.4.9 21:00

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