【INTERVIEW】『Trace Of A Dream』/ rakia
ソリッドなリズム・メインキングとポップかつ叙情性をともなうメロディーセンスが光るエレクトロニックサウンドを特徴とするプロデューサー塚原啓によるソロ・プロジェクトrakia、2016年10月リリースした1stアルバム『Eclectic Color』以来約2年半振り、5名のボーカリストを収録13曲中11曲でフィーチャーしその表現力を格段に広げた2ndアルバム『Trace Of A Dream』に関し、本人にお話を伺ってみた。
特に今回はウィスパーボイスにこだわって、各ボーカリストのブレスの質感が一番美しく響く様にアプローチしました
- –: まずはリリースおめでとうございます!今回の『Trace Of A Dream』はボーカルが前面にフィーチャーされていて聴き応えといい全編凝縮された素敵な曲が満載ですね。まずはrakiaさんの作曲を含む創作への発想の源的なところを教えて下さい。
- rakia: 有難うございます。私の場合、旅行、美術館巡りをして気分が高揚したり感動することで創作の「エネルギー」が充填されるイメージです。
- –: 本作『Trace Of A Dream』で聴いて頂きたいポイントを教えて下さい。またトータルのコンセプト的なポイントはありますか?
- rakia: ボーカルのメロディーラインですね。特に今回はウィスパーボイスにこだわって、各ボーカリストのブレスの質感が一番美しく響く様にアプローチしました。
アルバムのコンセプトは『夢の跡』というタイトルの高岡正子(日本画家)さんの絵画を観たのがきっかけです。霞みがかった雪の風景画ですが、スケール感と同時に深い心象風景が表現されていて今回『Trace Of A Dream』というタイトルトラック制作に至りました。
- –: 2ndアルバムである本作『Trace Of A Dream』と、1stアルバム『Eclectic Color』での類似点または相違点といったポイントはありますか?
- rakia: 前作との相違点はDAWを最新のシステムに移行した点でしょうか。自分らしいメロディー、楽曲のキーやスケールは自分の癖みたいなものがあるようで、本質及び根本的な部分は変わらないと思います。
- –: では各曲についてお聞かせ下さい。M1「Trace Of A Dream」M6「White Night」M9「Sky」ではボーカルにmarucoporoporoさんをフィーチャーされています。marucoporoporoさんを起用しようと思われたポイント、また各曲について聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
- rakia: marucoporoporoさんは都内のライブハウスで偶然にもパフォーマンスを観る機会がありまして、ギターとルーパーを組み合わせた一種の神掛かった独特な歌唱法に惹き込まれました。その普段の素敵な歌唱を敢えてウィスパーにシフトして頂いたらどんな風に導かれるのか……とても興味深く曲を書かせて頂いて、のちにトライアル的に歌って頂いたら完璧に融合しました。
「Trace Of A Dream」の聴き所はmarucoporoporoさんによるウィスパーボイス、ピアノのオブリ、ビートのバランス感覚です。
「White Night」個人的に作曲と同時に変則的な効果やプログラミングにこだわりました。聴き所は、イントロのシーケンスパート、marucoporoporoさんのウィスパーボイス(特にサビの箇所)、タイトさを意識したビートです。
「Sky」聴き所は全体的な「浮遊感」です。marucoporoporoさんのヴォイスを粒子状にリアルタイム加工して、イントロ~間奏に配置しておりますが、歌メロの融解した感覚が上手く表現できたと思います。
- –: M2「Passage」M4「Winter Flower」M11「Sea Of Stars」M12「Alone」ではボーカルにSmanyさんをフィーチャーされています。Smanyさんを起用しようと思われたポイント、また各曲について聴き所など簡単にご紹介をお願い致します。
- rakia: Smanyさんはsoejima takumaさん、yuichi NAGAOさん等の作品を通じて以前から存じておりまして、Smanyさんのリリックの世界観、歌唱、声そのものの質感が大変素晴らしく、諸々確信しておりました。
「Passage」はベーシックなピアノのアルペジオをモチーフとして、発展させつつSmanyさんの歌唱を想定してサビメロのピークから逆算して制作に臨みました。聴き所はウッドベースのラインと5/8解釈のリズム、Smanyさんの歌唱、marucoporoporoさんのコーラスです。
「Winter Flower」は豊川稲荷神社付近で冬場の桜を目の当たりにして、おぼろげにアプローチしました。聴き所はピアノのラインと自分的にハードなビート、Smanyさんの耽美的なボーカルです。
「Sea Of Stars」はアンニュイでポップなアプローチを試みました。聴き所はSmanyさんの浮遊感のあるボーカル、柔らかいリリックと硬質なバックトラックがうまく拮抗している雰囲気です。
「Alone」はアンビエント寄りなインストでモチーフを作りました。ピアノの音色でコードと同時ににメロディーを書いたところ、やはりmarucoporoporoさん若しくはSmanyさんの声が似合うのでは?直感で思いました。
聴き所はSmanyさんによるリードボーカル、marucoporoporoさんにはコーラスのパート、伸縮するリズムパートです。
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『Trace Of A Dream』/ rakia
2019年3/13リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.: PFCD87
価格:¥2,200(税抜)
【Track List】
01. Trace Of A Dream
02. Passage
03. Tears
04. Winter Flower
05. Dimples
06. White Night
07. Moments
08. Silence, Warm & Bright
09. Sky
10. Children
11. Sea Of Stars
12. Alone
13. June
タワーレコード
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1 2
2019.4.7 12:00
カテゴリ:INTERVIEW, PU3_ タグ:JAPAN, rakia
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