indiegrabロゴ

【INTERVIEW】THIS IS JAPAN『DISTORTION』

tijm_001a_fixlow

関東、特にここ東京には多くの音楽シーンがある。
ここindiegrabでは、多岐にわたる音楽シーンの中でも、よりディープなものを届けてきたと思う。
彼らTHIS IS JAPANは、東京における音楽シーン・・・いわば東京のロックシーンの中でも異質の存在だったようにみえる。
インタビューした当日は、メンバーが明かしたように『バンドが誕生した』日。
5年間で積み重ねてきた彼らの成長記となった今回、彼らが描いてきた成長線は、
オワリカラやSuiseiNoboAzらによる『Tokyo New Wave』から始まり、さらなる変化を遂げていることをはっきりと口にしてくれた。
東京のロックシーンのネクストステージは、彼らのような変化で始まるのかもしれない。
ぜひ読んでいただきたいインタビューだ。

オレが映画にのめり込むきっかけになったのは『タクシー・ドライバー』なんです(杉森ジャック)

今回発売された新作『DISTORTION』から1ヶ月、先日はTHIS IS JAPAN企画の「NOT FORMAL vol.2」があり、ライブでの反応も受け取れることも多いかと思いますが、ざっくりとどのように感じていますか?
杉森ジャック(Gt/Vo 以下杉森):ウケている、というより、伝わっているな、というのを感じますね。
this is かわむら(Dr 以下かわむら):方向性が一つバシっと出たからね。
THIS IS JAPANの楽曲や音楽の点に触れる前に近しい話題からお聞きしたいのですが、映画のタイトルを引用した楽曲がありますが、どんな映画が好きでしょうか?。


杉森:このなかだとオレが映画を一番見てるんじゃないのかな。オレが映画にのめり込むきっかけになったのは『タクシー・ドライバー』なんです。それまでは映画って大衆娯楽的なものなんだと思っていたんですけど、『タクシー・ドライバー』は大衆向けとかそういうのではなく<オレこういうのが好きなんじゃ!お前らどうだ!>というのを提示されたように感じたんです。そういった流れで『ゴッドファーザー』や<アメリカン・ニューシネマ>のような、映画のなかでも自分のやりたいことをやりきった<オルタナティブ>な作品があるということに気づけて、そういった作品は多く見てますね。
フランス映画はどうでしょう?
杉森:フランス映画は、自分の中で完結している感じがするんです、「わたしはこうです」で止まってる感じというか。オレはもうちょっと踏み込んで、「オレたちはこうだぜ!おまえらどうだ!?」っていう距離感が好きです。なのでオレはゾンビ映画とかも好きなんです、「わたしこうなんだけど、大丈夫かな・・・?」みたいなね(笑)
問いかけてくる感じですね(笑)「死霊のはらわた」とか?
杉森:「死霊のはらわた」は好きですね。「悪魔のいけにえ」も好きで、最近はホラー映画が好きですよ。
koyabinさんはいかがでしょう?
koyabin(Gt,Vo 以下koyabin):ぼく変な映画しかみないんです、ヒューマンドラマみたいな映画は見ないんですよ。
杉森:この前、たしかそんな話したよな。
koyabin:そうだったね、「ノッティングヒルの恋人」とか「ブリジット・ジョーンズの日記」みたいなのは見ないんですよ。
杉森:こ映画を架空世界体験型アトラクションみたいに感じてるんじゃないのかな
ベタにいうと『スターウォーズ』とか?
koyabin:基本SFは好きですけど、もうちょっと違くて。スタンリー・キューブリック、デヴィッド・リンチ、デヴィッド・クローネンバーグとかが好きなんです、頭おかしいなこれ!とか言って楽しむと。
杉森:映画に刺激を求めているんだよね、共感ではなくて。感情を押し付けるものより、ザクっとドライな作品が好きで。
koyabin:うんうん、そうですね。

シンガーソングライターがいない、それがこのバンドのバランス感に大きく影響を与えてるのかもしれない(杉森ジャック)

バンドの始まりは、大学のサークルからだったということですが、当時はどんな風に絡んでいたんですか?
杉森:オレとかわむらが同じ学年、2つ下にkoyabinとベースの水元がいました。サークル自体がコピーバンド主体のサークルだったんですが、固定メンバーで活動をつづけるんじゃなく、ワンショットで1回組んで1曲やったら解散して、次は違うバンドで組んで・・・というような感じだったんです。
4人でやるようになったのは、大学を卒業したあとからだったんですか?外バンで組まれていたとか?
杉森:外バンっていう言い方、すごく懐かしいですね(笑)オレは外バンも組んで曲を作ってやっていたんですが、そのバンドが空中分解してしまったんです。「なんかやりてぇなぁ・・・」と思ってかわむらとkoyabinに声をかけて、最後に水元に声をかけて以来、今年で5年目ですね。
かわむら:実は今日(インタビュー当日)、5年目の誕生日なんですよ、THIS IS JAPANにとっての。
おめでとうございます!。そんな日にインタビューを受けていただいてありがとうございます。
かわむら:なんにも覚えてなかったんですよ。
杉森:先日のライブが終わって今日一日ポカーンと過ごしていて、言われるまで気づかなかったしね。
koyabin:スタッフに言われるまで、全然気づきもしなかったんですよ。
かわむら:言われてもピンとこないですよ(笑)
杉森さんが3人を集められたということですが、その時までになにか共通していた音楽があったんですか?
かわむら:この4人でコピバンを組んだのは一回だけなんです。それがFugaziだったよね。そこで一つの共通見解はあったんだと思えます。
杉森:いかにコピバンとはいえ、クオリティに差が出るもので、このメンバーのときにはあまり良くなかったけど、このメンバーのときはビシっとくる!みたいな感触がコピバンでもわかるんです。このメンバーにあと1人メンバーがいたんですが、その5人でFugaziをやったときは物凄くビシっと決まったし、楽しかったんですよね。
かわむら:そんな感じで4年ほどやっていると、相手に趣向も分かるし、どういうプレイをしたいかもわかってくる。
杉森:オレとかわむらは100個くらいコピーしたよね?
かわむら:それは多いね(笑)、50くらいじゃないかな。
杉森:まぁそれくらい密にやっているんで、かわむらはオレがどういう音楽が好きでどういうプレイをしたいのかもわかってくれていると思っていたし、koyabinにしても水元にしても、コピーしているバンドが俺ら2人と被ったりしているから、悪くはないというのはわかっていたので、声はかけやすかったですよ。



ということは、このバンドが始まる最初のタイミングを考えてみると、9年近い時間が有るわけですよね。
杉森:かわむらとやり始めたのは考えると9年くらい、水元とは一緒にあまりやる機会はなかったけども。
水元(Ba 以下水元):僕はkoyabinとブッチャーズやナンバガを一緒にやることがあったので、そこから多分声がかかったんでしょうね。
少なくとも6年くらい互い見てきているんですね。曲作りでは杉森さんとkoyabinさんが主導していくんですか?。
杉森:僕らの場合、最近ではオレが原案をもってきて、かわむらとkoyabinと3人で「これがいい」「こうならどうだろう?」と色々と考え、水元にベースラインを作ってもらって完成させる、という感じになってますね。なのでバンドのイニシアティブという点では全員が限りなく平等になっているんじゃないのかな?とも思ってますね。
一人がプリプロで作って、「アイディアはこんな感じだから弾いて!」とメンバー全員に投げて、集まったものを再構成し調整をして作る、という作曲のバンドも多いと思うんですが、それに比べると非常にバンドマンらしい作りですよね。
杉森:オレが原案をもってきた段階で、「この曲はこういう音が鳴る」というのがほぼほぼ誤差なくメンバー3人に伝わる、このバンドはそういうバンドなんです。他のバンドだと、「こうだ!」と言って出すと他の人の意見とか入ってくると邪魔なものになってしまうかもしれない、このバンドの場合「こうだ!」と出すと「それだよね」という答えが3つ返ってくる感じです。
かわむら:制作進行上、それが一番早く進むしね。
koyabin:『このフレーズで』というものじゃなく、『この感じ』というものをデモから受け取って、自分にとって弾きやすいものにして弾く、という感じですね。
杉森:逆に一人で悶々としちゃって良い曲にならないことが多いですね。元々オレはギタリストでずっとやってきて、このバンドをやるということでkoyabinと共にボーカルを始めたので、元々はボーカル不在のバンド。たぶん、元々弾き語りでずっとやってきた人は「オレがこの曲を一番わかってる」「自分の曲を邪魔されたくない!」という自負や創作的なエゴも出でくるんだと思うんですよ。
koyabin:シンガーソングライターがいないということにもなるよね。
杉森:そうだね。シンガーソングライターがいない、それがこのバンドのバランス感に大きく影響を与えてるのかもしれないです。
・・・そういえばという感じでふっと思ったんですけど、なぜTHIS IS JAPANというバンド名だったんでしょう?
杉森:大学の卒業旅行の帰りだったかな。
かわむら:「オレらのコピバンも終わりだなー」みたいな話になったとき、杉森が「オレ、バンドやろうと思うんだけど」って急に言いだしたんです。そして「バンドの名前は、THIS IS JAPANか、Project Jack Knifeかだ!」と言ったので、「THIS IS JAPANで」と即答して、そこから決まってます(笑)
杉森:さっきの映画の話にも近しいんですけど、バンドっていろんなスタイルがあるじゃないですか?そのなかでも真面目に真摯に感情をぶつけられるよりも、ちょっとシニカルな感じが好きなんです。「THIS IS JAPANってどこまで本気で言ってるんだろう?」と思わせるという感じで、それは聞いてみて判断してください、みたいな感じでね。
かわむら:そういう「意味わかんない」というのは良いなと思うね。最初の頃はアメコミのTシャツを着てやったりしてるし
杉森:JAPANって言いながらアメリカンな感じを出したりしたからね。まぁなんだろ、あんまり意味がないってことですよ(笑)





次ページ「最初は、1年に1回で友達20人くらいの前でやれればいいなと思ってたくらいだった」

Tweet about this on TwitterShare on Facebookshare on TumblrGoogle+

1 2
2016.10.21 12:00

カテゴリ:INTERVIEW タグ:,