【NEWS】サイケデリック・フォーク プロジェクト HeatMiser 活動休止の発表と最後の楽曲「祝福」を公開「漂った船は漂着し、いまはこの穏やかな港で、心身を休めたいと思います」
慶應大学生の礒尾奈加子による、サイケデリック・フォーク プロジェクト HeatMiserは14日、活動の休止を発表した。
また、その発表と同時に最後の楽曲となる「祝福」をSoundCloudで公開。
この楽曲はHeatMiser初となる日本語詞の作品となっている。
また、活動の休止と上記の楽曲について礒尾奈加子からは以下のコメントが届いている。
HeatMiser 終幕のお知らせ
いつもHeatMiserを応援してくださり、ありがとうございます。
14歳から作曲をはじめて、こうして多くの方に作品を手に取っていただき、ライブに足を運んでいただき、私を支えてくださる本当にたくさんの皆様のおかげで今日まで音楽を続けて参りました。心より感謝申し上げます。
セカンドアルバム「When I’m drifting in the morning
(私が漂っていた朝に)」のジャケットは、私が20歳の頃、朝焼けの中で見た、バラナシのガンジス川のほとりを水彩画で描きました。まだ薄暗い早朝に船を出して、少しづつ登る太陽に向かって進んでいくと、だんだんと明るくなっていく水面がとても美しくて、澄んだ肌寒い風を受けながら船をただ流れるままに漂わせていたことを思い出します。
私は今まで、出来ない事までやろうとしたり、出来るフリをしてみたり、無理をしながらもそれなりに音楽を続けてきました。
しかし3年程にレーベルと揉め、大きな借金を返済せざる負えない状況になったことが心身に負担をかけるきっかけとなり、その後倒れて入院するなど、不安定な時期を過ごしました。それから、自分を騙し騙しやってきたつもりではいましたが、一旦ここで、HeatMiserとしての活動は休止したいと思います。
思うような活動ができず、プライドばかり高く、実力が伴わない私だったかもしれませんが、それでもこうしてたくさんの方に音楽を通じて出会えて、支えていただきました。皆様に重ねてお礼を申し上げたいです。
ここからは与太話ですが、人生とは何を成し遂げたのかということではなく、いかに自分を許せていけるかにあるのではないかな、と思います。自分と向き合い、未完成な自分の姿を認め、時に人に支えてもらいながら、余裕のある時には人を支えながら、そうして生きていくほかないのでは、と思います。私は昨年友人を自殺で亡くしました。改めて生き抜くことの困難さを思いながら、しかし、-
命そのものが意味を持つというのなら -
苦悩の中に一つの課題を見出しそれに応えていくことが、音楽や執筆のような創造的な価値を実現する機会のない生活においても、人間の精神の自由を彩るのだ、と思います。
漂った船は漂着し、いまはこの穏やかな港で、心身を休めたいと思います。
春を待ちながら 2019年2月14日
礒尾奈加子
P.S 「祝福」を、天国にいる大谷将悟に捧げます。
2019.2.14 12:00
カテゴリ:NEWS タグ:folk, HeatMiser, JAPAN, psychedelic
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