【NEWS】シューゲイザー・デュオ The Otals E.P.『The 100 Things』リリース

The Otalsアーティストイメージ

The OtalsによるE.P.『The 100 Things』が2/12にリリースされた。

une FAXxxxxx(ジューン・ファックス)と Marina Timer(マリーナ・タイマー)の従兄妹2人によるシューゲイザー・デュオ The Otals。

2024年8/4に活動開始から実に3年の時間を経て初のライブにしてワンマンライブ『To The (Blue) Moon And Back』、その直後の同8月に制作を開始し9月の上旬には全ての楽曲が完成していたという今作は、初ライブの勢いをそのままに詰め込んだ7曲入りのE.P.。

前作『Destroy My Memory』でのエレクトロとJ-popをテーマに『セカイ系』物語を描くというドラマチックでスケールの大きい作品作りとは異なり、バンドサウンドを中心に据えたシンプルな楽曲とアレンジが目立つ、ある種オタルズの原点回帰と捉えることができるかもしれない。

しかし、冒頭に収録された「ムテキノユウエンチ」は、攻撃的なベースラインと歪み切ったボーカルによるダーティーなサウンドと、曲中で突然リズムとメロディが急加速するカオティックなナンバー。歌詞も破滅的なカジノでの一夜を描いた暴力的なもので、既存のオタルズのイメージとは大きく異なる挑戦的な新基軸となっている。
さらに、ドラゴン少女との友情を描く「ドラゴンなんだって」や、離散した家族への気持ちを娘の視点から描いた(と考察されている)「ウチは泣きそーです」、停滞した雰囲気が充満した車中でのやり取りを描いた「このまま、海まで」など、これまでのオタルズのイメージであった「甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガール」的な物語からは少し距離をとり、よりバラエティに富んだ色使いが見られるバンドの世界観を外側に押し広げた楽曲が中心となったEPだと捉えることもできる。

サウンド面もシンプルになり、前作までよりファズギターやドラムの存在感が強く、よりフィジカルなイメージが強調されている。
エイトビートとパワーコードというあまりにシンプルなアレンジメントが彼らのルーツであるインディーポップや00年代のオルタナティブと紐づいていることは想像に難くないが、ポップソングの方法論が一般化し、コードやリズムが複雑化し続けている現代において、対局をなす無骨なアレンジはむしろ新鮮。
それでいて感情に身を委ねるような激しいものではなく、ある種の穏やかさや少し冷めた青年の視点を持ったオタルズらしいカラフルな物語が宝物のように詰め込まれた「懐かしくも新しい」1枚に仕上がった。


『The 100 Things』The Otalsアートワーク
『The 100 Things』
/ The Otals
2025年2/12リリース
フォーマット:CD/デジタル配信
【Track List】
1.ムテキノユウエンチ
2.ドラゴンなんだって
3.ウチは泣きそーです
4.このまま、海まで
5.秋を急かす100のこと
6.リズのきもち
7.電気軌道よ春を行け
8.アリスとイヴ(Physical Only)
マルチリンク




『The Dizzy Heart』
2025年2/28(金)新代田 LIVE HOUSE FEVER
ACT:The Otals
Ticket SOLD OUT!!
感染症に関する表記(FEVER)

2025.2.13 18:00

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