【INTERVIEW】僕とジョルジュ — part2 — 佐藤優介 & 金子麻友美

僕とジョルジュ



姫乃たま、佐藤優介(カメラ=万年筆)、金子麻友美によるユニット「僕とジョルジュ」。
8月にアルバムをリリース、11/29(日)には町田のまほろ座 MACHIDAでワンマンディナーショーが行われる。
その作曲とサウンド・プロデュースを担った2人に話をうかがってみた。

『僕とジョルジュ
ディナーショー』
2015年11/29(日)東京 町田 まほろ座 MACHIDA
ACT:姫乃たま / 佐藤優介 / 金子麻友美 / 澤部渡 / 井上 拓己 / シマダボーイ / and more.. 
スペシャルゲスト:山崎春美
Open 19:00 / Start 20:00
Adv ¥2,500 / Door ¥3,000(1ドリンク+1フードオーダー)

最初はフレンチがテーマという事だったので、それに寄せてやりました

–まずこれを作ることになって作曲の発注を受けた時、どんな感じでしたか?
金子麻友美(以下k):姫乃さんは以前から知ってました、陰ながらファンでしたから。
kaneko_mayumi

–一緒にやりましたね、マーライオンの演奏で。
k:12月、去年の。ぱいぱいでか美さんのインストア(HMV渋谷レコードショップ)に無理矢理マーライオンを押し込んだやつ、姫乃さんと3マンでした。
–その前から知ってた?
k:マーライオンが自分の知り合いにアイドルがいるんすよ、と自慢してたので気になって1回見に行きました。
–では、今回の作曲のポイントを1曲ずつお願いします?
k:最初はフレンチがテーマという事だったので、それに寄せてやりました。
–当初10曲作ろうと。佐藤さん5曲、金子さん5曲の予定だったかな。
k:「42歳」は『ミヤシロ』がヒントになりました。
–宮代?何だっけ。
k:ゴーメナサイーって。
–パシフィック231ですね、ヒントだらけのすごいアルバム。
k:そうです。それのリズムを拝借しました。
–でもレコーディングの時にめっちゃボサノヴァになって出来上がったみたいな。
k:確か澤部さんがアコギを弾いてくださったんですけど、そのギターがボサノヴァっぽかった。
–録音初日?
k:初日しかいなかったじゃないですか、澤部さん、2日目に倒れちゃったから。
佐藤優介(以下s):全然覚えてない。
–それで雰囲気が決まったてことか。
k:「変な恋」は……。
–もろゲンズブールですよね。
k:そうです。
–「ジュ・テーム」、ね。
k:オマージュです。デュエット曲。
–これのコーラス指示があったんだよね、イントロはフランス語入れてます。
k:ハナモゲラ語ですけど。
–タモリの寺山修司のモノマネみたいな感じ、津軽弁がフランス語に聞こえるってやつ。
k:いえいえ、ローマ字読みしただけ。ゲンズブールの検索して出たやつを繰り返してローマ字で読んでました。
–「週末」は?
k:これは暗い曲にしようと思って、気持ち悪い感じにしました。
–デモのベースがデカかった。
k:それがなお気持ち悪いやつで、後で差し替えて。
–フラ・リッポ・リッピ、参考にって送ったんですね。
k:「さよならを数えて」は戸川純さんがカバーしてる「さよならを教えて」のオマージュです。
–フランソワーズ・アルディ。
k:途中でイモ欽トリオのノリが良いんじゃないかってなって。
–レコーディングのときにね、振り付けして歌った方が良いってなってね。
k:謎の意味の分からないタム入れて、ピュンピュンみたいな。
–ピュンピュンは必要。
k:「秋の檸檬」もデュエットになって。「無造作紳士」のオマージュです。
–:それ、自分の曲でしょ?
k:ゲンズブールです。
–金子さんのアルバム(『はじまるマジカル』)になかった?
k:「無防備天使」です。太田裕美さんです。以上です。
–すいません。
k:いえ。

フランスギャルのベスト盤が20曲入ってるからそんな感じにしてくれって。

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–佐藤さんは?
s:最初、フランスギャル、60年代のフレンチポップみたいな路線でって言われて。だからゴーゴーっぽいの、「無邪気な少女」を最初に作ったんですけど、この曲が出来てなんだか満足しちゃった。あとは好き勝手にやろうと。その次にできたのが「迷子」で。ドビュッシーみたいな感じで歌もの作れないかなって。結構気に入ってます。
–「片目の仔猫」、これは澤部(渡)さんか。すごくいい曲ですよ。
k:アレンジがちょっと、みたいな。
s:ディレクターの人が変えようって。
k:同時録音じゃなきゃいけないって。澤部さんの曲なのに私がギター弾いて一緒に姫乃さんが歌いました。
–結果、良かった。
k:この曲の冒頭の雷、最高ですよね。
–シマダボーイが言ってたけど、アルバム(実質上の)1曲目「恋のすゝめ」がシングルのA面で、雷の音でB面が始まる、後の21曲は全部B面だって……。
s:「観光案内人」は短いやつだっけ?
–シマダボーイのパーカッション。
s:ちょっとマーチングっぽいのやってみてようって。
–現場では使い道ないだろうって感じだったけど、ミックスのときシンセが入って、いいフレーズで。
s:伊福部(昭)オマージュです。
–いい曲になりました。
s:録ったものは全部使うぞって。
–「ないしょ」ってどうして出来たんだっけ?
s:短い。歌詞は2行だけですね。短い曲が好きなんですよ。これ、CMのつもりだから番組の途中の。15秒か30秒とかでインパクトがあるのが好きなんです。
–「クーデター完遂せず」は?
s:シマダボーイ1人で8トラックぐらい重ねて 後でシンセを被せました。これもCMシリーズ。
–続けて。
s:「恋のジュジュカ」は実は昔作ったトラックで。作ったっていうかアフリカの子供達の歌なんですけど。
k:初耳です。
s:子供たちがこう歌ってるんだけどそれが5拍子なんですよ。いい歌で。それをシンセに置き換えただけなんですけど。これは山崎春美さんがすごいです。
–あれ、ミックスのとき、あの固有名詞消した?言ってはならないやつ。
s:残してますよ。
–「今夜」は?
s:ピアノのやつだ、これもCM系。わりと気に入ってます。シマダボーイのパーカッションが良い。……、「君とデート」って何だっけ…、あ、これもCMです、俳句みたいな。 
–和風で。
s:これも有りモノですけどね。
–「健康な花嫁」、これはちゃんとしてる。
s:学生の頃作った曲です。カントリー風。次の「テレビは砂嵐」は輪唱モノをやりたくて。これも伊福部オマージュ入ってます
–「巨大な遊園地」はいいメロディばかり。
s:Aメロがジョン(レノン)で、Bメロがジョージ(ハリソン)、サビがポール(マッカートニー)。Bメロが気に入ってます。
–録音の最終日、片付けようかってとき何か足りなくて、ジャックタチの「ぼくの叔父さん」みたいな曲を作ってほしいと言ったよね。それでバス停までの帰り道にピチカートVっぽいインタールードのどっちかがほしいって。
s:録音が終わったとき、大丈夫かなこれ?ってムードが全体に漂ってたので。
–全く需要がないものだった。
s:じゃあ1曲でもリード曲がほしいなって、入口としての曲が。
–出口もなかったから。
s:カルデサック、出口なし。
–袋小路なんです。そして「恋のすゝめ」、驚いた。
s:自分でも初めて作るタイプの曲でした。
–姫乃さんから歌詞がきたときは…。
s:感動しました。これ以前にも素晴らしい歌詞が続々と来てたので、それがモチベーションになったし。よかったです。

インタビュー/テキスト 金野篤(DIW)

 

→『【INTERVIEW】僕とジョルジュ — part1 — 姫乃たま』へ

2015.11.26 11:50

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