【REVIEW & INTERVIEW】Lycoris / mus.hiba
2014年10/9。
mus.hibaのEP『Lycoris』が分解系レコーズからリリースされた。
http://bunkai-kei.com/release/bk-k_045/
mus.hibaに触れた人間にとって、そして彼の楽曲に魅了された人間にとってこのEPは一つの事件だった。
mus.hibaを聴く時、ほとんどの人は彼のサウンドの美しさと優しさについて言及する。
時にそれは「フェミニン」という言葉で表現される。
それは雪歌ユフの持つ声質のせいでもあるだろうし、柔らかさを感じるBPMや音のチョイスのせいもあるだろう。
それほどmus.hibaと言えば雪歌ユフというイメージがあった。
しかし今回彼はメインのボーカルに雪歌ユフを使っていない。
様々な女性アーティストをゲストに起用し、メインボーカルを肉声に任せた作品となっている。
ゲストボーカルのラインナップはレーベルメイトのsmany、ブルックリンのAbigail Press、ポエムコアのowtn.、Nori。
当初雪歌ユフを使用しないと聞いた時にどのようなサウンドが出来上がるのかと想像を膨らませていたが、そのサウンドはこれまで以上に彼のサウンドと音楽性の輪郭を際立たせている。
ここまでテキストを書き進めた所で彼がどのような経緯で今回の企画に辿り着き、どのように今作を作っていたのかに想像を巡らせていたらふと
「本人に聞いた方が早いのでは?」
と思い立ち、indiegrabで初となるインタビューに乗り切ってみた。
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ーご自身の簡単な紹介をお願い致します。
mus.hiba:
東京在住のmus.hiba(むしば)です。
ーアーティスト名の由来をお聞きしてもいいですか?
mus.hiba:
musicて言う言葉と自分の本名からとった言葉を足してつくりました。
ー活動を始めて何年ぐらいになりますか。また、音楽を作りはじめた切っ掛けは何ですか?
mus.hiba:
四年弱くらいだと思います。ニコ動でボカロを聴いてて、自分も作ってみたい!と思ったのが切っ掛けですね。
ー今まで聴いてきた音楽と最近よく聴いている音楽を教えてください。
mus.hiba:
今まで聴いてきた音楽はRage Against the MachineとUnderground Resistanceですね。最近よく聴いてるのはMister Liesです。
ーオンラインでのライブを多くこなすmus.hibaさんですが、オンラインでのライブとライブハウスやクラブでのライブはどのように違います か?
mus.hiba:
クラブは音が全然違うのでそれはとても楽しいです。オンラインのtiny chatでやる場合だと音がとてもチープになるんですがそれもまた面白いと思います。オンラインでやる場合でもクラブでやる場合でもなるべく自分の部屋で音楽作ってる時の様な気分でやりたいと思ってますね、自己満足で自己完結みたいな感じです。
ー今回のLYCOLISは女性ボーカルとのコラボレーションが行われていましたが、どのような経緯でそのような内容になったのですか?
mus.hiba:
女性ボーカルとのコラボは前からやりたいと思ってて、UTAUを使わない音源にしようと思った時にまず思い付きました。それで自分がコラボしたいと思った人に声かけて曲を作っていきました。
ーLYCOLISの制作は今までの曲作りとどのような点が違いましたか?
また、その後の曲作りに影響は出ましたか?mus.hiba:
ボーカルがきっちりしてる所が違いましたね、UTAUで自分がつくると楽器っぽい感じになるので。ポエトリーリーディングは初めて作ったんですけどまず歌詞が先にあってその言葉のまとまり毎に音のイメージを考えて作ったのでいつもと発想の仕方が全然違くて面白かったです。自由な感じですね。
ー様々なアーティストとコラボレーションしてみての感想をお願い致します。
mus.hiba:
ビートメイカーとコラボするのは難しいなって今は感じてます、あんまり向いてないと思いますね。歌を歌う人や楽器を弾く人とのコラボレーションがいいです。
ー今一番コラボレーションしてみたいアーティストは誰ですか?
mus.hiba:
特に誰っていうのは今はいないんですけど、さっきも言った様に歌を歌う人や楽器を弾く人とのコラボしたいですね。
ー12月にリリースされる1stアルバムはまたUTAUが中心になるようですが、UTAUはmus.hibaさんにとってどのような存在でしょうか。
mus.hiba:
2010年か2009年くらいにニコ動でボカロをよく聴いて、それで自分も作ってみたいと思ってDTMを始めました。音声ライブラリは作曲をするきっかけとなった存在です。
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このインタビューからもこのEPはmus.hibaというアーティストが今までとは異なるステージへと表現の幅を広げる作業をしている過渡期の作品であり、彼にとっての今後の方向性への指標となる作品である事は間違いがない。
また、一方でインタビュー内にも話題が出て来たが、mus.hibaは12/10にnobleからアルバム『White Girl』をリリースする。
12/10リリース
『White Girl』mus.hiba
CD
NBL-213
¥2,000 (without tax)
1. Slow Snow
2. Darkness
3. Ring
4. Magical Fizzy Drink
5. White Flash
6. まぼろし
7. Doll
8. Moonlight
9. ☃
10. Sofa
11. ひとり
まだ発表されている以上の情報が無いため、完成像については想像する以外には無いが、発表済みの楽曲も含む内容となっておりmus.hibaの世界が集約された内容になっているという期待が持てる。
レーベルのyoutubeアカウントではトレーラーも公開済みなのでそちらを聴きながらゆっくりとリリースを待つ事にしたい。
テキスト・インタビュー:sabadragon(@sabadragon)
2014.11.30 3:33
カテゴリ:INTERVIEW, REVIEW タグ:chillwave, JAPAN, mus.hiba, noble, 分解系レコーズ
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