【INTERVIEW】『Made In Hope』/ House Of Tapes

2013年の1stアルバム『Trip Science』以降〜2017年の『NU TEARS』まで7枚のアルバムと4枚のEPを、またSwamp Sounds名義でイギリスの音楽レーベルBearsuit Recordsからスプリットアルバム『Swamp Sounds & Uncle Pops』を2017年にリリースとこれまでオンラインのみでリリース、その実験的な要素を絡めた楽曲がPitchforkなど海外音楽メディアでも取り上げられてきたHouse Of Tapesこと名古屋の電子音楽家Yuuya Kuno、今回2018年3月16日にPROGRESSIVE FOrMより初のCDアルバム『Made In Hope』をリリースした本人にインタビューを試みた。

僕なりのポップ感を楽曲に込めることは、常々意識しています

–:このアルバムを作るに当たって構想はあったのでしょうか?
House Of Tapes(以後House):ポップかつアンビエントながら、ビート感もあるアルバムを作るというのが念頭にありました。
ポップ感は僕の中で大事な要素です。それは人それぞれで大きく違うので、音楽制作者それぞれの色の違いが強く出るとしたら、ポップさだと思っています。僕なりのポップ感を楽曲に込めることは、常々意識しています。
あとは楽曲に合ったビートですね。僕が作るビートは複雑ではないですが、曲にベストマッチしていると思っています。



–:アルバムタイトルに込めた意味は?
House:【音楽は生きる希望になり得る】という意味と、【House Of Tapesは希望で出来ている】というダブルミーニングです。
世界は争いばかりで、政権は腐敗している。世界的に良いことが無い中で、それでも音楽は生きる希望になり得ます。なぜなら僕が音楽を希望にして生きているからです。
そしてこの音楽が誰かの希望になれば、それだけでいいと思っています。
–:アルバムのハイライトは?
House:3曲目の「Another Sky」と6曲目の「Chill Out」です。
「Another Sky」ですが、皆、違う感情で空を見上げていても、空を見て思う感情は似ていると思うのです。
と同時に、違う場所で違う空を見上げていても、空が語ることは同じだとも思っていて。そんな空への想いが込められています。
「Chill Out」はタイトルの通り、安らぎや心地よさを追求した曲です。この曲を聴いてチルアウトして欲しいです。
–:「Another Sky」はMVもありますね。MVを作られたディレクターをご紹介頂きたいのと、完成したMVの感想を聞かせて下さい。
House:MVを作ってくださったのは、札幌在住の映像作家Akiho Endoさん(@aki_sergeant)です。完成したMVは、空をモチーフにしていて、僕のイメージ通りで素晴らしい出来です。
ご覧いただけると嬉しいです。



誰かの心に響く、良い曲を作っていきたいです。

–:ー改めて『Made In Hope』収録11曲をそれぞれ簡単にご紹介下さい。
House:
01. Illminate…満点の星空の下、仰ぎ見る流星群のような彩りを持ったエレクトロニ
カです。
02. Antidotes…力強いビートが印象的で「解毒剤=Antidotes」のような展開の楽曲で
す。
03. Another Sky…「誰かがどこかで見ている違う空」を想起させる楽曲です。
04. Last December…光に包まれるような恍惚が味わえる楽曲です。ポストロック的で
もあります。
05. Heart Leaf…じんわり心温まるエレクトロニカです。
06. Chill Out…安らぎや心地よさを感じられる楽曲です。
07. Miracle…キラキラしていて可愛いエレクトロニカです。
08. Snow Flake…天から優しく降る、白い雪の情景が浮かぶ楽曲です。
09. Other Side…力強いリズムとノイジーなパートが特徴的な楽曲です。
10. Either Or…アルバム中、もっともダンサブルでノイジーな楽曲です。
11. Crystallized…ノンビートで、結晶が乱反射し、光り煌めくような楽曲です。



–:地元名古屋で精力的にライブを主催してらっしゃいますね。
House:Nagoya-Elektronic-Fes(通称ナゴエレ)を主催しています。東海地方の有望な電子音楽系アーティストの方々に出演していただいています。
例えば、愛知の電子音楽家の至宝 【nabateä】さん、エレクトロポップバンド【SWEESWEESWEETS】さん、三重のシーンを代表するトラックメイカー【katafuta】さん、東海地方を代表するテクノ・マエストロ【Gutenberg】さん、日本を代表するVJ【つかさハニー】さんなどの方々です。
–:今後の活動の展望は?
House:ナゴエレを通じて、東海地方には素晴らしい電子音楽アーティストがいるということを、もっと知ってもらいたいです。
音楽制作に対してのスタンスは変わらないです。誰かの心に響く、良い曲を作っていきたいです。
–:あなたにとって音楽とは何ですか?
House:僕にとって音楽は…血液のような存在…全身を巡る、愛おしい血液。なくてはならない。
そして、生きる希望です。




『Made In Hope』/ House Of Tapes
2018年3/16リリース
フォーマット:CD
レーベル:PROGRESSIVE FOrM
カタログNo.:PFCD76
価格:¥2,100(税抜)
【Track List】
01. Illminate
02. Antidotes
03. Another Sky
04. Last December
05. Heart Leaf
06. Chill Out
07. Miracle
08. Snow Flake
09. Other Side
10. Either Or
11. Crystallized
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2018.4.26 12:00

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