【REVIEW】青春のアルバム by角谷翔平(the chef cooks me / レミ街)、荒木正比呂 (tigerMos / レミ街) 、深谷彩 (レミ街)
the chef cooks meに電撃加入が発表された角谷翔平、彼がベースを担当するレミ街のブレイン荒木正比呂、そしてレミ街のディーヴァ深谷彩の3人それぞれに自身のルーツといえる作品を選んでいただいた。
なおthe chef cooks meは4月リリースの『回転体』アナログ盤を引っさげ5月から東名阪ワンマンツアー、レミ街は4/3(日)に名古屋で高校生ブラスバンドを伴ったホールコンサートを行い、会場で新作『GIANT』を販売する。オーケストラとエレクトロ・ミュージックが有機的に溶け合った新しいポップスとなっている。
今後ますますの活躍が期待される彼らの原点について興味深い話が聞けた。なお、アルバムのタイトルをクリックするとi tunes / Apple Musicのリンクが開くようになっている。
Jamiroquai 『The Return Of The Space Cowboy 』
スチュワート・ゼンダー、彼のベースラインをどれだけコピーしたか。
中学時代、主張しながらメロディアスに歌うフレーズに魅了されっぱなしでした。
ほんとに癖になるアルバムですね。
中でも「Manifest Destiny」「Space Cowboy」はふとしたときによく弾いてます。
彼は脱退してしまいましたが、Jamiroquaiは今もよく聴いていますね。
(角谷翔平 the chef cooks me / Olive E Castor / レミ街 / soulkids)
Sting『Ten Summoner’s Tales』
中学のときにすり切れるくらい聴いていました。
もともと「The Police」が好きだったのもあり、自然とStingの音楽にはまっていき、今思えば、歌に対するベースのアプローチはStingから学んだものがほとんどだと気づかされました。
数ある中からなぜこのアルバムかというと、初めて4拍子ではない曲(Seven Days 5拍子)を意識して聴いていたりだとか、映画「Leon」が好きでエンディング曲に「Shape Of My Heart」が使われていたりと、とにかく好きな曲が多いです。
なかでも「Fields Of Gold」は定期的に聴きたくなります。
今でも僕の中で、まったく色あせない不動のポジションに君臨し続けています。
(角谷翔平 the chef cooks me / Olive E Castor / レミ街 / soulkids)
PHONEM 『ILISU』
エレクトロニカ。イングランド出身のElliot Perkinsによるソロユニット。当時の記憶によると言語学者でもあるんだそう。
4曲目のEuphratesばかり聞いていたのだけれど、トルコのとある環境問題に対するコンセプチュアルアルバムである事が蛇足に感じるほどこれは素晴らしい曲。
最初いくつかの無秩序な波が起こり、竜巻の成り立ちのように弱い音の重なりが徐々に合わさって力を増し、抵抗できず溺れ、そして穏やかに浜辺に足が着いて終わる。その境目は思い出せない。抱擁のような感覚。球体のような音楽。
音色の力というものを強く意識させられたアルバムで、当時かなり聞き込んでひとつひとつの音を分析してました。
(荒木正比呂 fredricson / tigerMos / レミ街)
坂本龍一『1996』
96年リリースの作品。坂本龍一はトリオが好きで、2012年にリリースされた「THREE」も発売日に買いました。
とある番組で「この世のすべての音楽が集約されてるアルバム」みたいな紹介のされ方をしてたけど、そのコマーシャルにもまんまとやられてました。
日本には確実にいいメロディを作ってしまうような、本当に凄い人がいるんだなあと思って憧れます。そして嬉しい気持ちになります。そして焦ります。
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは僕の一番好きな映画監督で、同じく本当に凄い人がいるんだなと思わさせられる人。
その両者が手を組んだ2016年4月公開の新作も楽しみです。
(荒木正比呂 fredricson / tigerMos / レミ街)
ACO『LADY SOUL』
彼女のアルバムは10代の私にとってどれも衝撃的かつ思い入れが強いのですが、なかでも教科書的な1枚としてこれを選びました。
98年発売「LADY SOUL」。田舎の中学生だった私は、カーステレオから聞こえた「揺れる体温」に心奪われマキシシングル(カップリングはボビーコールドウェルのcome to me カバーが収録)を買いに走った記憶があります。この曲は「LADY SOUL」1曲目に収録。
今でも全曲余裕で歌えるほど。何度も何度も、歌詞カード穴があくんじゃないかってくらい当時の私は夢中だった。中でも「眠れるネコ」「こわれそうよ」は幼い私の、失った恋から立ち直るには十分な効力を発揮してくれた。改めて聞いても胸が苦しくなります。
ソウル、R&B、といった要素も大好物ですし、参加アーティストが初代ウェザーリポートのメンバーがいたり今調べるととんでもない豪華メンツ。名古屋出身でこんな女性シンガーがいるのだと、中学生の私はドキドキしたものです。
(深谷彩 レミ街)
2016.3.9 19:00
カテゴリ:REVIEW タグ:JAPAN, NAGOYA, the chef cooks me, レミ街