【REVIEW】「やってみろ」 / 死神紫郎 言葉には責任を。有言実行の死神が世間を焚きつける。

死神紫郎アーティスト写真

フォーク歌手/ラッパーの死神紫郎が、6thシングルとなる新曲「やってみろ」をリリース。
口だけ人間……スポーツ選手らにヤジを飛ばす素人を痛烈に批判し、“見ているお前こそ やってみろ”と焚きつける、シンプルかつ強烈なインパクトを持った1曲だ。

SNSに飛び交う無責任な言葉たちを真正面から斬る、鋭くもユニークなリリックには、死神紫郎のアーティストとしての信念も込められている。
というのも、死神は17年以上フォーク歌手としての活動を積み重ねてきたが、2021年に突如ラップの世界へと飛び込み、MCバトルにも出場してきた。
勝算の有無など関係なく、まずやってみる。画面越しにバトルを眺めるのではなく、実際に戦ってみる。
そうした挑戦の積み重ねで、音楽キャリアの幅を広げてきた人物なのだ。

そんな死神紫郎が言うからこそ重みのある、“やってみろ”の5文字。ストレートな批判のリリックは、裏を返せば、死神の中に燃えるエネルギーが込もったエールにも感じられる。“お前がサッカー選手になれ 決定機をぜってぇ決めてみろよ”。
無謀な夢に対しても“やってみろ”と、いささか乱暴に背中を押してくれるのだ。ティーザー映像に映る、力強い毛筆で書かれたリリックを見ていると、なんだか教室の壁に貼られていた将来の夢を思い出してしまう。

真正面から切り裂く鋭い言葉と、泥臭いまでの実践力。死神という名からは想像できないほど、死神の熱い魂がジンジンと感じられる本作。さて、私たちも行動しなければ。

テキスト:南明歩


「やってみろ」 死神紫郎アートワーク
「やってみろ」
/ 死神紫郎
2025年10/26リリース
フォーマット:デジタル配信
レーベル:429646 Records
マルチリンク



2025.10.26 19:00

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