【INTERVIEW】変わる変わる変わる。『A.O.S/血漿』



濱野祐輝(Vo. / Gt.)と青栁昇太郎(Dr. / Cho.)によるロック・バンド「変わる変わる変わる。」。両A面EP『A.O.S / 血漿』を2017年4/21にリリースし、5/1から配信・流通を始めている。今回、二人に楽曲作りへの向き合い方や最初に出会った時の話についてインタビューを行った。

誰よりも自分に聞いて欲しい

―:「変わる変わる変わる。」の楽曲を聴いて、本人たちに聞きたかったのが、ズバリ誰に聴いてほしいと思っていますか?
濱野:女子大生。
―:ん?え?どうして?
濱野:昔から女子大生が好きなんで。
一同:(笑)
―:本当に「好きだから」っていう理由?
濱野:いや、女子大生を好きなのは嘘じゃないけど、正直、誰にとかは考えてないです。ほんとに、ただただ、自分が聴きたい曲を書いています。
―:では、一番に聴いて欲しいのは自分ってこと?
濱野:あー……自分に聞かせるために書いているっていうか、そういう曲が多いですね。
―:「自分に聴かせたい曲を作る」ということだけど、どういうときにそういった曲が出てくるんですか?
濱野:どういうときにっていうのはなくって、普通に生活していてメロディーが浮かんできて、浮かんでくるものはだいたいかっこいいんです。「誰かこういう曲やってくれないかなー」と思うんですけど、誰もやってくれないから自分で作るという感じですね。せっかくバンドやってるんで。出来上がったものを青栁だけじゃないですけど、みんなに聞かせて、ブラッシュアップしていって、っていう感じですね。
―:青栁さんは楽曲をもらって、編曲などどういう気持ちで取り掛かるんですか?
青栁:7割から8割は僕らで作っていて、あとの部分はプレイヤーに任せるっていうスタイルが多いんです。僕としては、結構頑固だから「いいじゃんいいじゃん」って軽く言われると、許さないですけど。
―:やっぱり譲れないところは譲らず、こだわりたい、と。
青栁:うちはサポートメンバーが変わることが多いから、なかなかいつも同じように、という感じでは作れないんです。そのうえ、納期とか時間とかが迫ってきて、関わっている人達全員がMAXにやりたいなって言うことを出来ないなって感じます。ただ、今回の2曲はサポートメンバー全員が得意な曲調だったので、みんなで作りたい物を作れたんじゃないかなと思いました。
―:『A.O.S』と『血漿』を作ったきっかけってなんでしょうか?
濱野:作るぞと思って作ったことがなくって、書きたいから書くみたいな感じで。『血漿』の方は日記のように書いたっていう感じです。ちょっと嫌なことがあって、それを単純に出てきた言葉を歌詞にした、みたいな。
―:その嫌なこととは……?
濱野:ギリ言えないです。(笑)
―:嫌なことの発散、みたいな感じですか?
濱野:そうですね。ストレス発散法みたいなところがあります。だいたい、歌詞は日記で、曲は自分が好きな曲を書くみたいな気持ちですね。
―:『A.O.S』の方はどうだったんですか?
濱野:たまに「何かのために歌詞を書こう」と思うことがあるんですよ。ドラマとかアニメとかを見て、「もし、プロデューサーからエンディングテーマを依頼された」という設定で作るなんてことをしていて。
青栁:『堂々巡りのその果てに』とかそうだよね。
濱野:そういうシリーズと、あとは人のためにじゃないですか、人をモチーフにして書くことがあるんです。『MEME』とかそうなんですが。元サポートメンバーのベーシストに向けて書いて。『A.O.S』も青栁に向けて書いた歌詞です

受け取るための鍵が必要




―:今回の2曲、『A.O.S』と『血漿』は難産でしたか?
濱野:もともとは前からあった曲で、『A.O.S』はメロだけで言うなら、20歳頃からずっとあった曲ですし。
―:温めていた?
濱野:温めていたというよりも歌詞、どうしようかなって。メロが結構キャッチーだから、歌詞に困っていました。
青栁:これ、やり方が汚いんですよ。この歌詞、『変わる変わる変わる。』のDropBoxにこっそり上がってて。メロとかなく、歌詞だけ。歌詞を見たときに、ソッコーで電話して「お前な!」って。
濱野:よくわかったよな。「青栁の曲だよ」って言うつもりなかったのに。
青栁:その前に『そんなこと』っていう曲があって、そのときも「お前さぁ……」って。(笑)
濱野:そのときは、青栁に色々あって……。
青栁:交換日記かよ。(笑) その時期、丁度僕が長く付き合っていた彼女と別れて。
濱野:「お前、大丈夫かよ」って。
青栁:今まで一番長い歌詞が上がってて「うわーメッセージ性の塊だよ」って思った。でも、何の先入観も持たずに読んでいても、「あれ? もしかして、これは俺のことかな?」って思いはじめて。
―:濱野さんはバレないと思ってやっているんですか?
濱野:バレないと思ってやった。でも、『そんなこと』については時期が時期だったし、言おうかなって思ってた節もあったんだけど、『A.O.S』はバレないと思った。でも、青栁ぐらいだよ、誰かを軸にしたもので気付かれるの。
―:ということは、青栁さんはある程度歌詞の内容について、自覚している部分もあった、と。
青栁:まあ、察しが良いですからね。濱野にかけた電話の第一声が「殺すぞ! 何してくれとんじゃ!」ですから。(笑) 「こういうことするからお前は気に食わんのじゃ!」って。(笑)
―:どこで自分のことを書いている歌詞だと気づきましたか?
青栁:ど頭ですね。だいたいこういうことを言うヤツって、70%ぐらい俺だなって。途中「浅はかに期待するから すぐ裏切られる事になるのでした」って歌詞の部分で俺だったらいいのにって思いましたし。だって、可愛くありません?
―:では、『血漿』の方ではどうだったんでしょうか?
青栁:『血漿』で覚えているのは、4、5年前になるけど、前のバンドが解散してからまたやろうってなったときにあったんですよ、「この曲をやるから」って感じで。歌詞を読んで、その時の濱野の状況を知ってたから、「まあ、そうなるよね」って。(笑)



―:お二人はなんだかんだ言っても近いですよね、考え方というか雰囲気というか。
青栁:根本は似たもの同士だなって思います。日本全国歌詞書いている人は理解出来ると思うんですけど、鍵になる受け取り方を持っていないと、受け取りきることができないなって。逆を言うと、その鍵さえ持っていれば、その人の伝えたいことをがっつり受け取ることが出来ると思う。歌詞に寄っては、鍵が最初から空いている歌詞とかもあって。それこそみんなに共感が得られ易いような。濱野の曲って、鍵がないと読めない曲が多くって、それがインディー感だと言われればそれまでなんですけど。(笑)
―:それは濱野さんの書く歌詞に物語性、文学性があるからだと思います。
青栁:何であれ起承転結はすべてに存在していて、ただその鍵となる立場というか見方がないと読めないなって。僕は誰よりも近い位置にいて、歌詞を読み解けているから、一番贅沢なリスナーなんですよね。もちろん、たまにわからないこともあるんですけどね。それこそ、『A.O.S』がすぐに自分のことを書いているなって思ったのも、いつも喋っているからこそだと思います。
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二度とこんなヤツと会わねぇ



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2017.5.11 22:00

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