【TALK】伴瀬朝彦アルバム『エモノ』発売記念トーク・ショー「エモノガタリ」


あの人は歌詞見ながら叩くんですよ。歌詞がないと叩けない、そこを信頼してます。

——:曲順はすぐ出来ました?
伴瀬:迷わなかったですね。作りながら決めてたんですよ。アルバムに足りない曲はどういうタイプで何曲目に入るとか、何曲かは最初からそういう作り方をしました。「パラレル・ストーリー」は「6曲目がない」というから作りました。
——:あの曲は、ビートルズへのストレートなオマージュを感じます。
伴瀬:気づいたらそうなってました。
——:あと「ジプシーブギー」などもそうですが、リズムの多彩さ面白さが今回すごくよく出ていると思うんです。
伴瀬:これがやりたかったわけです。みしま服部のコンビでリズムだけで楽曲が成立するものにしたかったんです。ひとりで録った『カリハラ』ではそれが出来なかったんです。やりたいことがグルーヴとかじゃなかったから。今回は奇抜なアイデアを持ち込むんじゃなくて、歌モノとしての気持ちいいリズムと気持ちいいグルーヴを目指して、レコーディングに向けての練習の中でテンポ感や間の空け方とかを作っていきました、みしまさんのドラムは歌モノには最高なんです。あの人は歌詞見ながら叩くんですよ。歌詞がないと叩けない、そこを信頼してます。
——:ミックス作業の面ではどうでしたか? 2人のやりとりとか。
片岡:その前に録り方の話で、普通とは違うやり方が今回ひとつあったんです。行程の問題があって、服部さんのウッドベースはスタジオではなくて、服部さんの自宅で自分で録ったんですね。僕たちは他のことをやりながら、そのときに服部さんには別にベースを録ってもらってました。
伴瀬:そうでした、ギターをスタジオで録ってるとき同時に服部さんは家で録ってて。
片岡:「今、服部さんのデータが届きました! じゃあ差し替えよう」って。
伴瀬:後処理が大変だった部分もありましたけどね。
——:同時進行で? それは面白いですね。
片岡:それは、あまりないパターンでしたね。あと、ミックスに関しては僕が一度作ったものを伴瀬さんに聴かせて、あーじゃないこーじゃないとやりとりしながらアップデートしていくやり方なので、そんなに変な話はなかったです。
伴瀬:あった方がよかったんですけど、順調にいきました。録り音の時点である程度の理想を作っていきましたからね。
片岡:田島さんのギターはフレーズも音もかなり追い込んで作りましたね。決め決めで進めました。
——:伴瀬君はギタリストでもありますけど、このバンドでのもうひとりのギタリスト田島さんには、曲を構成する上でどのようなことを求めたんですか。
伴瀬:一番多くを要求しましたね。もちろん彼のアイデアも多くて、話し合いながら作っていきました。このアルバムではギターのフレーズがキーワードになるものが多いし、大事なところでした。今回はダブル・エレキギターをやりたくて。ふたりの味を同時に出せるのがるといいなと考えてたんです。
片岡:歌の録り方で思ったことがあったんですけど、一般的にボーカルは一番目立つところなので、どのマイクを使うかが重要なんですが、伴瀬さんのここへのこだわりは強かったですね。僕はきれいに録れる、値段で言うとまあ高価なものを選んだところ、伴瀬さんは「この(マイクの)音が一番だ」と、ごく一般的なものを選んだんです。もちろん録りながら試していったんですが、最終的にやっぱり今日も持ってきたこのマイクになりました。これ、9800円なんですけど(笑)。これが面白かったですね。



伴瀬:宅録のときもこれだったんですよ。どう録れるかわかってるから。感覚的に「こう歌えばこう録れる」とわかるんです。見慣れない高価なマイクだと歌い方も変わってくるんじゃないかな。
片岡:確かに違いました!
伴瀬:他の多くの仕事でいろんなマイクの前に立つんですけど、見たことないすごいのだと違うテンションになりますね。
片岡:エンジニアとしては、(今回選んだ)こっちのマイクで良かったというのはありました。マイクによって歌い方が変わったのも感じたので、そこは伴瀬さんの音色を重視しました。
——:なるほど、使い慣れたマイクとの距離感が絶妙に出たわけですね。
伴瀬:そこは一番聴いてほしいところです。
——:では最後に、ふたりに聞いてみたいんですが、『エモノ』の中で一番好きな曲はどれですか?
片岡:「水をぶっかけて」ですね。説明は難しいんですが、伴瀬さんの渋い味が一番出ている曲だなと思いました。
——:伴瀬君は?
伴瀬:アルバムを作り終えた立場としては、またいい曲をもっと作りたいというのも正直なところですが……この中では「針と糸」ですかね。こういう小曲っていうんですか、小さい曲のいいのを量産したいですね。大スペクタルにするんじゃなくて。2分くらいのいい曲だけ詰まったものを次は作りたいです。

2019年3月8日 阿佐ヶ谷Rojiにて



聞き手/まとめ:松永良平(まつながりょうへい)
1968年、熊本県生まれ。ライター/編集。雑誌/ウェブを中心に記事執筆、インタビュー、CDライナーノーツ執筆など。



伴瀬朝彦 BAND LAND
『エモノを探して』ワンマンライブ
2019年8/12(月・祝)武蔵野公会堂
ACT:伴瀬朝彦バンド【伴瀬朝彦 (Vo./Pf./Key./Gt.) 服部将典(Ba.)、田島拓(Gt.) 、みしませうこ(Dr.)】+ ゲストミュージシャン【遠藤里美(T.s)、上運天淳市(A.s)、松村拓海(Fl)】
Open 16:00 / Start 16:30
Adv. ¥3,000 / Door ¥3,000(+1d)
・一般発売
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問い合わせ:アオイスタジオ 03-3585-6178(平日10時~17時)




『エモノ』/ 伴瀬朝彦
2019年3/6リリース
フォーマット:CD
レーベル:MY BEST!
カタログNo.:MYRD128
【Track List】
1. エモノ
2. ぬけがら
3. ジプシーブギー
4. 針と糸
5. フューリーフューリー
6. パラレルストーリー
7. 水をぶっかけて
8. 哀愁ロボ
9. 夢のあと
ディスクユニオン

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2019.7.23 12:00

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