【INTERVIEW】錯乱前戦『あッ!』


「いま仰ったように、本当に音がすげー良いんです。実はこのときに使ったギターは……」(成田)

–:自主音源「あッ」について話をしていきたいんだけども、タイトルは聞くまでもなく、村八分のあの名作からの頂いてるんだけど、CDジャケットになる紙を、CDを包むように手折りにしているこの感じ、この色合といい、込められている音楽といい、昔のロックバンドへのリスペクトをすごく感じられる。ほんとにDIYな感じがして、めっちゃくちゃ好みです……ってみんな見つめてどうしたの?(笑)
成田:久しぶりに見たなーっと思いまして。
佐野:オレは毎日見てるわ(笑)物販担当なのでどうしても見ちゃうんですよ。
天野:これ、本当に一つずつ手折りにしているんですよ。
–:すごくDIYですよね。
佐野:最初はぜんぶ手で刷っていたんですよ。200枚くらい作って、すぐに無くなっちゃったんですよ。
天野:びっくりしたよね。
佐野:2週間とかでぜんぶ売り切っちゃったしね。で、CDはバンバン増販していこう!ということで一気に作って売っていきましたね。手すりでやっていたのをコピーにして、どんどんジャケットを作っていったんです。
–:じゃあ僕が持っているこの自主盤は?
森田:第3期くらいじゃないかな?
佐野:そうだね。コピーで作ってるんで、たぶんそれくらいだと思います。
成田:ちゃんと手で刷っていたのは最初の最初でね、色は緑だったはずですよ。
森田:そうそう、緑色でした。
成田:大阪京都に遠征にいったとき、ジャケットの紙がない!ということになってしまって、途中で和紙を使って代用したこともありますよ(笑)
天野:大阪京都の限定モデルだよね(笑)
森田:でももうそろそろ廃盤にするかもしれないね。
–:いやぁ、すごい面白い話ですわ、それは(笑)『あッ!』を作ったきっかけは?
佐野:そこはもう、「音源ないんですか?」と聞かれることが増えていったのと、物販に置くものがなくて寂しかったからですね。「すいません、無いんです」と答えるのは心苦しかったです。
–:さきほどの話から聞くと、去年の年末くらいから作ったんでしょうか?
佐野:そうですね、ちょうど12月頃から動き始めて、2月には売り始めてました。
天野:3曲だけだったし、実はすぐ終わったもんね。
佐野:1日でぜんぶ作ったんだもんね
成田:そうそう、全曲1発録りです。
–:個別で録ったわけじゃないんだ?
佐野:そのままバーンと録ったんです。浪人中のモーリーも呼んで、5人でやりました。
成田:「いま来れる?」って感じで声かけたんですよ(笑)ベースはライン録り、ほかはマイクを立てて録りですね。スタジオは吉祥寺のPENTAです。



–:なるほど。PVやライブなどで「こういう音か」と感じてはいたけど、自主盤を買って、「ロッキンロール」のイントロのギターリフを聴いたとき、ちょっと声出たくらいにびっくりしたんですよ。出音はカッコいいし、何よりギターは真ん中でドンっと鳴ってるのが、あまりにもピッタリだったんです。
成田:実はこのときに使ったギターは、山本がメルカリで1万で買ったビザールギターなんですよ。いま仰ったように、本当に音がすげー良いんです。ミドルがめっちゃ出て、ハイもかなり強く出るんで、なぜかスッカスカに聞こえて、歪みのかかり具合もスゴく良いんですよ。
–:いやーなるほどです。あまり聴かない感じのギターの音色だと思って感心していたんです、そういうことだったんですね。
成田:このときは佐野ちゃんのベースも、リサイクルショップの傘立てにささってたプレベなんですよ、俺が見つけて買ったんですけど。
–:いくら?
成田:5,000円です。
一同:(笑)
成田:なので、合計15,000円ですね(笑)竿ものはみんなこれで録音してます。
森田:ぼくの音は、みんなと別録りになってます、ビザールギターを使ったんですよ。
–:なるほど。ここでみんなに答えてほしいんだけども、音源も作り上げていて、ライブ活動も好調だけども、「カッコいいライブをやる」ことと「カッコイイ曲を作ること」、いまはどっちに力を注ぎたいですか?
天野:すごく難しいですね……ちなみになんでその質問を?
–:ライブ活動でいいライブをやったり、音楽で通じあえる仲間が生まれて、良いヴァイヴスを貰っているのはすごくよく分かるんです。そのヴァイヴスを新たな曲にこめて、それをライブで披露していく、そういう好循環のための、最初の一歩が踏めてないなって話しながら思ってたんですよ。どうなんでしょうか?
成田:うーん、いまメインでやっているのは「カッコイイライブ」「気持ちのいいライブ」ですよね、でも「かっこいい曲も作りたい」と思ってます。正直、音源制作期間を作って、色々と曲を作っていきたいと思っているくらいなんですよね。いまはライブの予定が沢山決まってて、移動時間もそこに入るわけで、スタジオに入って曲を作る時間がまったく取れていないんです。2週間くらい時間をとって、スタジオに籠もってガンガン曲作りしたいですよね。
–:みんなも同じだったりします?
森田:単純に忙しいんですよね、ほんとに。成田が言ったように、曲を作る時間がないんですよね。
成田:そうして、スタジオで作った良い曲を、ライブでよりカッコよくやりたいですね、やっぱり。
–:ありがとうございます。ちょっと違った角度の話だけども、思い出せるなかで、高校時代にどれくらいのオリジナル曲をバンドでやったの?
成田:そんなになかったんですよ。ライブで1回しかやらなかった曲、いまでもやってる曲、お蔵入りした曲も含めても、20曲はなかったとおもいます
森田:一桁くらいじゃない?思い出せないだけかもしれないけど
成田:あっても15曲とかじゃないかな?
–:高校3年間で勉強もしながら、バンドとしてもオリジナル曲を作ったりライブしたりと、同時活動をしてきてるわけなんだ。曲を作るとき、だれがリーダーになって作るの?
成田:その曲の元ネタを持ってきた人が中心に作るんですけど、いまのところぼくか山本がかなり多いので、2人で中心になって作ることが多いですね。デモや弾き語りを聴いて、一旦バンドで通して音を出してみてから、「ここをこうしたほうがいいんじゃないか?」「ここのフィルはこういう感じで……」と意見をいうのは山本が多いです。誰が持ってきた曲でも、山本の意見やアレンジが大きく残りますね。
–:なるほど。これは素朴に思うことなんだけども、これまで何度かライブを見させてもらって、音源も聴いてみて、パンクバンドでバッチリやっていくというのはわかったんだけど、「パンクばかりじゃ飽きるし、他の違った曲をやってみよう」とか、そういうのはないのかな?。もっとオールディーズに攻めたり、単純にBPMを落としてみた曲をやったりとか。
佐野:ぼくは思ったこともなかったですね。
成田:たとえばストーンズでいうと、ミドルテンポで踊れるような曲をやってみたいなと思ってますよ。でも、僕自身そういう曲を思い浮かばなくて、パンク調の曲は僕が作ったものがかなり多いんですよね。




–:なるほどね。結果から見てみると、パンキッシュな曲が生まれてしまう、パンクになってしまうって感じなんでしょうね。
森田:うーん……そこのところは考えてみたこともなかったですよ、言われてみるとそうだよねという感じで。
–:こういう曲をやりたい!って各々思ってはいるんだけど、曲が来て、バンドで一旦合わせて、そこから色々とアレンジで変えていって、「よし、これでオッケーだ!!」といって出てきた楽曲が、総じてパンクな楽曲っていう流れ、オレはすごいことだと思う、みんな意識してなかったわけですよね。
森田:そうなりますね(笑)
–:そこに加えて、バンドとして音楽をやるプレイヤーとしては、「やりたいことがやれてればオッケーだ」という意識でやっていくわけじゃない?その上で、この5人で明確に出てくる音に統一感あるというのはすごいことだと思うし、それは高校3年間で培ってきたものなんじゃないか?と思うんだけども。
天野:どうなんだろうね。
成田:高校の頃は、激しめな曲をやるバンドが多くなくて、もっとこう……イントロがアルペジオで入ってサビで明るいって曲をやるバンドばかりだったんです。僕らみたいにロックンロールやパンクをやるバンドは……大人とかが「こういう音楽やる人いなかったから良いよね!」とを言うんで、みんなウンウン頷いて、チヤホヤされていたというのもあると思います。ただ僕の感覚だと、高校の頃はヴァーン!!と大きい音でやったら盛り上がるっていう感じだったんですけど、今はもっとバンドグルーヴみたいなのをもっと出せたら良いなと思います。
–:なるほどね。そこに気づいたのが大きいと。
成田:音楽の聴き方が高校の頃から大分変わってきている……というのも、大きいとは思います。昔だったらヴァーン!とデカくてカッコイイ音が鳴っていれば満足だったけど、今だと「ここのギターとベースの絡み方がヤバイな」っていう風に聴くようになってきましたし、実際ぼくのギタープレイや弾き方も変わってきています。それはみんなもきっとそうだと思いますし、それは良い方に変わってきてると感じてます。
–:なるほどです。もしも今後生まれるであろうファーストアルバムを想像したとき、どんな音になるのか、すごく気になります。
森田:このEPに入っているのは、僕らの中でもハイパワーな曲にはなりますね。
成田:歪んだギターの出音がすげぇうるさくて、短い曲が揃ってるしね。
森田:アルバムになるとしたら、もっと幅広い曲が揃うと思います。ロックンロールらしさが出てる曲とかね。
成田:そうだね。ここまでストレートなパンク曲だけじゃなくて、もっとバンドグルーヴが効いた曲が多くなると思います。
–:ありがとうございます。山本君が来る前なんだけど、実はもう次で最後の質問になります。ここまで短い間だけど、ものすごく濃い活動をつづけてきたわけで、後ろも脇目も向かずにやってきたわけだけども、錯乱前戦で今後どんなことをしてみたいですか?
森田:海外に行きたいですね。もちろん旅行じゃなくて、ライブをしたり、レコーディングをしたりして、海外で活動してみたいなと思いますよ、漠然とですけど。
佐野:ぼくが勝手に思っているだけですけど、別に大きくなりたいとかは考えてないです。今までもなんとなく形になってきたようなバンドなので、その時々、その瞬間、ただいまやりたいことを……一回一回のライブとかがそうですけど、一つ一つの行動をもっとしっかり見極めて活動していきたいですね。
成田:僕はもっと余裕をもっていきたいなと思ってます。お客さんも増えてきて、バンドでやりたいことや、目標や、お手本になるようなバンドさんも、色々と見つけられた時期を過ごしたと思うんです。それを目指そうとライブをやってる俺たちがいて、それをみて喜んでくれるお客さんがいて……でもそれは僕らが頑張ってるからだと思うんです。
–:なんというか、背伸びしている感じ?
成田:頑張って、体当たりをしにいっている感じですかね。さっきの話にもなりますけど、ミドルテンポでバンドのグルーヴとかアンサンブルとかを求めたいと思ったとき、『余裕が足りない』と思ったんですよ。『ぼくたちがカッコイイロックバンドだ!!』という勢いでドンっとぶつかった上で、そこに余裕が加わったら……もっと……
–:いいバンドになれる?
成田:そうですね、いいバンドになれるんじゃないかと思います。だから今はもっと遊ぶ余裕みたいなものがほしいですよね。
天野:ライブするとき、登場した瞬間から、お客さんが大歓声で湧いてくれるような、そういうバンドになりたいと常に思ってます。先のこととかはわからないですけど、ロックンロール・ドラマーとしてステージ上でカッコよくドラムを叩けて、サウンドがカッコイイ。鳥肌を常に立たせるような、そんなバンドで居続けられたと思います。

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2018.11.9 22:00

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