【SELF LINER NOTES】武田理沙 『Pandora』


写真:栁澤和美

Disc-2

01. 嗚


これは記念すべき初発表曲です!
作曲して発表するのが怖くて何も出来ていなかった2017年2月、突如やり場のない怒りに支配されて嘔吐しながら勢いだけで作ってサンクラに投下した、当時の曲名は「夜明けの吐瀉物」(笑)
これは絶対に2枚目の1曲目に収録したかった。
まず何も決めずスタジオでドラムを怒りに任せて叩きまくり、良さげな所だけ切り取ってシンセ被せました。
サンクラverはもっと長いですが流石に違和感あったので最初の部分だけ採用しました。

02. 尋常に狂う


これは1曲目「嗚」の連作のつもりです。前半の適当に録っていた部分からどう発展させるか悩んでいたのですが酔って駅で吐いている時に後半のメロディを思いついたのでとても滑稽な感じで収録しました。つまり嘔吐第2弾という事です……(笑)
後半部分の歪ませまくったリードシンセの叫びがお気に入りです!中盤に山手線で録った音を細切れにして入れてます。
このドラムはスネア側のコンデンサーマイクの音のみです(設定ミスしました)。
しかし、奇跡的にモノラル感が合ってるというか、綺麗に2chで録っても結局潰したくなってしまうのでこれで良いと思っています。
03. 業


私の中の燃えたぎる怒り、悲哀、憎悪そのものみたいな曲でとても気に入っています!(笑)
作る前からどこに配置するか決めていて、テンポ遅めのジョン・ゾーンぽい曲を作ろうとして見事そうなりませんでした。作ったのは去年の12月です。
途中のシンセソロ、中盤どうしようか悩んでる最中に適当に弾いたらそれが地味に良くて、そのシンセソロに沿って展開させました。ソロ明けはベースラインをC#とCでユニゾンさせていて地獄みたいになってます。これもドラム録る時設定ミスってスネア側の音しか録れてないです。


写真:栁澤和美



04. 涅槃


前曲の業(KARMA)と連作っぽくなりました。業のエネルギーを断ち切り輪廻を止め涅槃に入るような。これはインドのアニメーション作家Ishu Patelの「死後の世界」という作品がイメージの元になっています。
Ishu Patelのアニメ、どれも好きです。
最後のドラムソロもっと長かったのですが流石に削りました。聴いていると途中で眠くなる曲No.1です。


05. 寄生虫


これはドラム録音の最終日に物凄い開放感の中即興で叩いたドラムに、PC使ったソロライブの際頭の中レインボーになっている状態で即興ループさせていたえぐいシンセの音を重ねました!ある意味即興感溢れていて、涅槃と弟切草の間にちょうど良い……。
しつこいですが元のドラム原型はほぼこのテイクです!




最終日にやっと理想的なマイクの位置が見つかり、ドラムの音だけだとこの曲が一番好きな気がします。
上記の、PC使ったソロライブは久里洋二の「寄生虫の一夜」というアニメーションに音楽つけていくという内容でした。


06. 弟切草


こういう曲を作る予定全くなかったのですが、偶然選んだクラビの音で即興で弾いてみたらかなり自然に展開浮かんできました。更にクラビに似た、無機的な音を4種類くらい重ねています。現実と夢の狭間で救いがなくなっていく様子を演出したかったんだと思います。
07. 孤高の厭世家


もはや2枚目のどこかにブルースぽい曲を入れたかったというだけの理由で作りました。上京してからブルースセッションやライブにドラマーとして頻繁に参加していたので、この機会に自分なりのブルースを追求してみたかったのです。
ドラムはとにかく疾走感が欲しかったのでクリック聴かずに、曲を一度頭に叩き込んでからライブやってるつもりで叩いて録音しました!ライド側は普通のボーカル用マイクを。後々の編集が大変でしたが他の音重ねるのとにかく楽しかった……。
マスタートラックにvinylプラグイン入れて更に歪ませてます。


写真:栁澤和美



08. 革命前夜


これはもう、ある意味自分の一番根元にある本能的なものを掘り起こした感じになりました。曲に殺されるなんていうのは物理的には有り得ない事ですが1枚目の「Cursed Destiny -I have opened the Pandora’s box-」同様、作る過程で余りに感情が爆発しすぎてそれに近い状態になっていた気がします……。
次曲の「ラスト・モーメント」と繋がっていて、一貫したテーマは「自分を変えるために自身に膨大なエネルギーを与え、その過程で肉体が耐えられず滅びてしまうが精神は人間を超越した絶対的な存在になる」というような感じです。
美しさや癒しの象徴でもあるピアノやフルート等の楽器を、それを保ったまま攻撃的な印象を全体のバランスが崩れる限界点まで加える目的はありました。 とにかく壮大な感じにしたくて色々悩みましたがある意味様式的な構造に収まった気がします。放置してたら1時間くらいの長さになっていた可能性が……。
09. ラスト・モーメント


革命前夜が精神世界の描写だとしたら、こちらは目に見える世界の情景かも知れません。アルバムの出口、後奏曲のつもりです。また新たな歩みを進める為に30年間を一度葬り去りたいが未知の世界の膨大さに絶望しているような像もあります。

特典音源

おまけ. 【特典音源/Core of the REVERIE】
これは「アンダルシアの犬」を観ながら即興で弾いて作った曲です!!
あの、皮膚のすぐ下を虫が這い回っているようなおぞましさ、気味悪さ、そしてある種の快楽をどうにかして曲にしたかったのです!(笑)
アルバムに収録するつもりでしたがどちらの盤とも違う空気感だなと思い、特典音源に回しました。このタンゴに使われるような楽器のアンサンブルとても好きです! 即興で弾いたものですが、観ながら何度も弾いているので特徴的な部分は毎回似通ってます。ちなみにライブでも弾きました↓





『Pandora』/ 武田理沙
2018年8/8リリース
フォーマット:CD 2枚組 / デジタル配信
レーベル:MY BEST! RECORDS
カタログNo.:MYRD124
価格:¥2,500(税抜、CD)
【Track List】
Disc-1:
1. at daybreak,
2. Island
3. Pagoda 2018
4. Idle brain is the devil’s workshop
5. NagaRaja
6. Cursed Destiny -I have opened the Pandora’s box-
7. a time of thaw
Disc-2:
1. 鳴
2. 尋常に狂う
3. 業
4. 涅槃
5. 寄生虫
6. 弟切草
7. 孤高の厭世家
8. 革命前夜
9. ラスト・モーメント

作曲、編曲、録音、演奏、プロデュース:武田理沙
ミキシング:武田理沙、佐藤優介
マスタリング:中村宗一郎

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2018.9.29 12:00

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