【INTERVIEW】VANILLA.6 オオクボーイ 12/3(土)にEPリリース & 渋谷LUSH主催イベントに向けて


既存の音楽ジャンルを名乗ったところでその看板に誇りも拘りも持てないと思ったんです。それなら自分で看板作っちゃえっていう軽い気持ちで「NEW POP」と定めました。

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–:そもそもVANILLA.6というバンドはどのようなきっかけで始まったのですか?
オオクボーイ:VANILLA.6を始める以前にやっていた前バンド、The Marbleが解散して、すぐに「早く次の活動を始めないとな」って考えてたんです。でもちょうどその時かなり精神が参っていて、半分ヤケクソみたいな気持ちで「すっげえかっこいいバンドやろう!かっこよすぎてちょっとこっ恥ずかしいくらいのバンドにしよう!じゃあ化粧してヒールブーツ履かなくちゃ!」って、徹夜三日目みたいなテンションで始めちゃったんですよね。化粧してヒールブーツ履いてるポップバンドなんか周りにいないし「ヴィジュアル系やってるの?」ってよく聞かれたりして、傍から見ても正気じゃなかったでしょうね。まぁそれ以来今もずっと正気には戻れていないんですけどね。
–:以前やっていたバンドについて少し掘り下げさせてください。確かThe Marbleの解散は、VANILLA.6初の音源「90’s Milan」公開(2015年6月)とオオクボーイさんソロ名義のEP『Pray For Today』がリリースとほぼ同時期でしたよね?
オオクボーイ:すっごく辛い時期でしたね。前バンドThe Marbleは十代の頃から僕の青春を全部注ぎ込んだバンドで、その解散がデカかったんです。とてもいいバンドだったんですけど家庭に入るやつもいれば僕は音楽で上を目指したいって思っていたり、年々メンバーの環境や将来像にギャップが生じて2015年3月に解散しました。それから心に穴が空いたみたいに何も手につかなくなっていました。何か始めないとって焦る気持ちとは裏腹に体が全然動かないみたいな。責任とか自分自身から逃げまくって引き籠っていろんな人裏切る形になって、ほんとダメだったし苦しかった。
そんな時にthru the flowersのボビーさんから「ソロで出さないか」って話を頂いたり、Post Modern Team.の岸田さんからサポートの依頼を受けたり、周りから機会を与えてもらって生き長らえていました。本当に毎日クソみたいな気分で、それでも曲作ることだけは続けていました。そんな中6月になんとか気力を振り絞るようにして出した曲が「90’s Milan」でした。その時は、この一曲でこんなにも注目してもらえるようになるなんて思っていませんでした(笑)。






–:現在のメンバーたちの加入のきっかけなどをきかせてください。
オオクボーイ:メンバーを集めようと思って、まずシンセボーカルのANNAに声をかけました。ANNAはもともとバイト友達で、マブい女だなと思っていたので誘ってみたんです。VANILLA.6を始めるまでANNAは完全な音楽素人だったのに二つ返事でOKしてくれてびっくりしたのを覚えています。
その直後に当時サポートしていたPost Modern Team.のツアーでギターのAzeleと出会いました。アメリカ人だしイカツイし鼻ピアスだし関西弁だしおもしろいなと思って誘いました。デモ曲を気に入ってくれてすぐ加入してくれました。
その後、酔って街歩いてる時に肩がぶつかって喧嘩になったのがベースのKOHEYでした。お互い音楽をやってると分かって打ち解けて、立飲み屋でジンジャーハイを奢ったら加入してくれました。
ドラムのTKは最初サポートメンバーだったんですけど、うちのバンドのアットホームな環境に当てられてヌルっと加入してくれました。
ほんとびっくりするくらいスムーズに次々メンバーがそろっていったので、まるで桃太郎になった気分でしたね。
–:めちゃくちゃドラマチックな話が混じってますね(笑)。「NEW POP BAND PROJECT」というコピーはVANILLA.6発足当初からあったと思うのですが、このコピーにはどのような思いがこもっていますか?
オオクボーイ:“NEW POP”っていうのは造語です。僕達の音楽って何だろうって考えたんですけど、ニューウェイブでもシティポップでもないし、仮にそういった既存の音楽ジャンルを名乗ったところでその看板に誇りも拘りも持てないと思ったんです。それなら自分で看板作っちゃえっていう軽い気持ちで「NEW POP」と定めました。
VANILLA.6は音楽を作って売るだけじゃなくて、音楽を中心にデザイン、ムービー、ファッション、メディアとかいろんな分野のいろんな能力と役割を持った仲間と共謀して新しいポップカルチャーを作るような動きにしたいなと思っています。そういった思いから「NEW POP BAND PROJECT」と名乗っています。
–:VANILLA.6の特徴の一つに音楽、ビジュアル共に「スタイリッシュであること」があると思っています。スタイル…格好良さと言い換えても良いと思うのですが、その辺りに対する意識についてお聞かせください。
オオクボーイ:むしろ僕はVANILLA.6の音もビジュアルもスタイリッシュな奴らに対するコンプレックスの裏返しのようなものだと思っています。感覚的にやっているのでそれ以外の言い表し方が分からないですが。ただ、僕個人について言うと思いっきりかっこつけようとはしていますね。例えば「ァタシまぢブス↓↓」って言いながらキメ顔の写真をSNSにアップする女ってすげえブスじゃないですか。根性が。当たり前だけど人前にモノを晒しときながら保険かけてるってダサいと思うし、僕はそうはなりたくないんです。逆に、自分から「私、可愛いやろ」くらい言っちゃうお前口裂け女かよ的な女性って潔くて本当にかっこいいと思うんです。かっこつけてるのにかっこいいって、無敵じゃないですか。僕はそうなりたいので、誰から見ても「コイツめっちゃかっこつけてるな」って思うくらいのスタイルを心掛けています。
–:最後に、『VANILLA NIGHT vol.2』を観に行こうか迷っている方に向けてメッセージがあれば。
オオクボーイ:「VANILLA NIGHT vol.2」行こっかな〜って迷ってるあなたへ。出演は今インディシーンで一番ヤバいバンド6組。全バンドがかっこいいのはもちろん、それぞれ違った形の至高のポップミュージックが楽しめます。早耳リスナーマストチェックの今一番チェックすべき旬のバンドばかりで、今年最後のインディロックパーティと呼ぶに相応しいイベントになります。音楽好きからオシャレガールズ/ボーイズ、パーティ野郎、お酒好きまで皆、ぜひ期待して遊びに来てみて下さい。きっと最高な夜になりますよ。待っています。

インタビュー/テキスト:sabadragon(@sabadragon)


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『VNLGRL』/ VANILLA.6
2016年12/3リリース
フォーマット:デジタル配信
レーベル:セルフリリース
価格:¥800
【Track list】
1. Getover
2. Old Friend
3. VNLGRL
4. Euphoria

VANILLA.6 prsents
『VANILLA NIGHT vol.2』
2016年12/3(土)渋谷Lush
ACT:VANILLA.6 / For Tracy Hyde / Cattle / 17歳とベルリンの壁 / Fun House. / Mississippi Khaki Hair
Open 17:30 / Star 18:00
Adv ¥2,500 / Door ¥2,800(+1d)
【Time Table】
18:00〜18:30 17歳とベルリンの壁
18:45〜19:15 Fun House.
19:30〜20:00 Cattle
20:15〜20:45 Mississippi Khaki Hair
21:00〜21:30 For Tracy Hyde
21:45〜22:15 VANILLA.6

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2016.11.27 21:00

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