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【INTERVIEW】Gi Gi Giraffe『Gi Gi Giraffe』



僕自身が「誰になりたいか?どういう存在になりたいか?」と言われると、中田ヤスタカさんみたいな存在になりたいなと思っている(山本)


草野:今回ファーストアルバム『Gi Gi Giraffe』を聞いてみて、僕としてはすごく良くまとまった作品だなと思ったんですが、これまでのストックしていた楽曲からピックアップしてきたんでしょうか?
山本:そうですね。『Home Made Works』で収録していた楽曲をリメイクするとともに、いままで作ってきたデモ曲をピックアップして作りました。個人的な感触としては、自信作か?と問われると・・・難しいところですね(笑)
草野:たぶんそれは、違う方向からびっくりされると思います。この作品、やはりスゴイと思いますよ。要は、バンドとしてベストな曲がズラっと並んでいるという感覚はちょっと実感としてないということですよね?
山本:そうですね、それは言えてると思います。今回スタジオ・レコーディングを経験してみてわかったのが、スタジオでレコーディングすることに慣れていなかったんですよね。今までの宅録だと、リラックスした格好でテキトーに弾いていてガーッと録っていく感じだったんですが、レコーディングって弾くものが決まっている上で、何テイクも録っていく。その作業自体は新しいものが出てこないので僕自身ストレスを感じましたし、かなりモヤモヤしている状態でもあって、今のところこの作品が良い作品かは全然わからないんです。初めてのレコーディングで、色々な方に迷惑をかけたりもしたので、そういう点も含めて次の作品の機会につなげたいですね。
草野:なるほど。僕自身はかなりまとまりのある一作だと思います。音そのものを聞いていくと、Mac Demarco、シャムキャッツ、スカートをおもいだすインディ・バンドらしい質感だけども、フォーキーであり、ロックであり、ブルースでもある。ワンジャンルに収まりが効かない多様性を見いだせるし、その多様性が魅力的だなと思いましたね。
山本:ありがとうございます。
草野:まとまりがあるなと思った一つの理由として、このアルバムには曲間がほとんどないこと、パっと切り替わるように次曲へと繋がっていく、まるでDJのミックス音源のようで。かなり意図的ですよね。
山本:それは意図的ですね。曲が終わって2秒あって、次の曲が始まって終わって、また2秒あって・・・というと普通すぎるなと思ったんです。なら曲の短さを生かして矢継ぎ早にいこうと思ったんですよ。30分があっという間に終わって、もっかい聞きたいなと思わせられればうれしいですが。
草野:さっきにも言ったようなジャンルに拘らないサウンドではあるので、バンド・ミュージックという基本的な形のまま、才能が爆発しているような感じでもありますよね。
山本:確かに、これまで僕が好んで聴いていたのはバンド・ミュージックばかりなので、本当に自然とそうなりましたね。ちょっと違う話になるんですが、僕自身が「誰になりたいか?どういう存在になりたいか?」と言われると、中田ヤスタカさんみたいな存在になりたいなと思っているんです。色んな音楽を、バンド形式に拘らずにやれたらいいのになぁとも思っていて、初期のcapsuleみたいなバンドっぽい質感をDTM打ち込み系の音楽でもできると示してくれて、すごく好きなんです。ドラムを自分で叩くにしろ、DTMで打ち込むにしろ、そこの曖昧な境界がすごく良いと思っています。
草野:この作品を、CDショップの棚に入れようとする時、「POP」とか「ROCK」の棚には入れられないんですよね、「BLUES」でも「FOLK」でもない、「Gi Gi Giraffe」としか言いようがないサウンドが今作には確かにありますね。いまおっしゃった所はかなりはいってきているんじゃないのかな?とも
山本:そうだとうれしいですね(笑)
草野:「Naked Girl」のソロにしてもそうで、ロックバンドらしいけど、ブルージーだし、ジャズっぽい長ったらしさもある。他の曲でも非常に伝わってくるんですが、どの楽器フレーズもハネていて、リズミカル。ボーカルもラップっぽいですもんね
山本:そのボーカルスタイルでいうと、The White Stripesのジャック・ホワイトがまさにそうですよね。初めて聞いた時にほんとラップっぽく聴こえてきたし、歌下手な自分でもこういうスタイルがあるんだなと教えられましたね。
草野:ボーカルについても、一つなにかアイディアが潜んでいそうです、ほぼすべての曲で声を2つ以上で重ねていますよね?これは意識的だなと思えたんですがいかがでしょう?
山本:これは確かに狙ってやっていて、もしかしたら一番のこだわりなのかもしれないですね。The BeatlesのJohn Lennonが『Revolver』の頃にこういう処理をしていたんですけど、どうしてもいまの僕のボーカルでは、1声だけだと浮ついて聴こえてしまうので、2声にして面白い感じにしたかったし、ボーカルじゃなくて効果音のように響いたら面白く聞こえるんじゃないのかな?と思ったんです。
草野:先程中田ヤスタカさんの名前が出てきましたが、ボーカルにエフェクトをかけていくという行為によって音楽を印象的づけるミュージシャンが非常に増えていて、Bon IverにKanye WestやFrank Oceanなどなどいますし、それと近しい感覚・・・それこそ声すらも一つの楽器のように響かせたいというのは今作の音像からは伺えます。山本くんの個人性を歌声から消していることで、今作にまとまりを生んでいると思います。
山本:ライブ中では、ずっと僕のボーカルにディストーションをかけていて、ディレイを時々使ってダブリングを狙ったりします。あまりいないですよね(笑)。
草野:山本くんからして、このアルバムでここを聞いてほしいという点はありますか?
山本:「Picture」を好きな人が「Ever Ever」を聴いたらどうなんだろう?と思います、僕は「Ever Ever」のようなクソインディーローファイ野郎なんだぞ!というのを感じてくれればうれしいですね(笑)
草野:さきほどリズムについての話もしましたが、やっぱりリズムの点は作曲中にも意識しますか?
山本:8ビートでも16分音符は意識したビート感とかは意識して作ってますね、あと打ち込みあるあるだと思うんですけど、ちょっとしたミスでも面白かったり良いなと思えたら、それを生かしつつ制作しますよ。メンバーに音源を渡して練習させるというより、「こういう感じを守りつつも自由に演奏してね!」という風には伝えてますね、完コピしても面白くはないと思います。
草野:今日お話し聞いていると、山本さんの中ではアドリブありきで音楽制作しているように思えますね。ライブでもやはりそうですか?
山本:アドリブめちゃくちゃ好きですし、どちらかというとそちらのほうです。ライブで「Naked Girl」やるときは直前3分近くはメンバーとセッションをするんですけど、実はそこが一番の楽しみだったりしますもん(笑)
草野:今後のライブ活動が増えていくと思いますが、リーダーとかコンポーザーというより、どちらかというとギタリストとしての自分が全面に出ていく感じを見てほしいですか?
山本:フロントマンとしてキッチリとこなさなくちゃいけないですしね、暴れる所は任せろって感じに全開ででいきますよ
草野:最後に、これはインディでもメジャーでもかまわないですが、「この人らは僕と同じ感じでやっているな」と思えるバンドや人物はいますか?
山本:Tempalayですね。僕と同い年だし、ブルースが好きというのも僕に近い感じをうけますし、ヘンテコなモノの良さを上手く出せていますよね。今年のインディバンドの作品で一番良いと思ったのがTempalayの『From Japan』なんです。彼らは日本語詞でも音楽好きにも好まれるし、全然そうでもない人にも好まれるような音楽をやれていると思っていて、逆に僕らは英語詞を歌っていたりするので、彼らを超えられそうにないなぁ・・・とも思えますね。

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2016.11.16 12:00

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