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【REVIEW】.senior skip day / Kid Yumi



Kid YumiことTheotis Essexは、ミシガンを拠点に、ChiptuneやHiphopを軸に活動するアーティストだが、Fernvndoやnekubiとのコラボをはじめとした縦横無尽なコラボレーションでトラックを増やしている。今回、自身のsoundcloudから配信された「.senior skip day」はKid Yumiらしいダッキングアプローチに加えてレイドバックしたサプリングスタイルが印象的な作品だ。

1.wake
冒頭の淡いノイズが短くフェイドアウトするとすぐにブレイクビーツによって同じテーマが示される。ごく簡単なカットアップにエレピを乗せたシンプルでメロウなループミュージックは今回の作品のコンセプトを示している。

2.lazy
ハイハットの揺らぎが従来からのKid YumiらしいHiphopテイストだが、やはりここでもエレピのコードは9thが印象的なメロウループを提示する。トレモロとダッキングによって淡さとタイトさを織り交ぜた空気は、冒頭のwakeの上モノと似たアプローチながらリズムトラックによってこれを心地よく使い分けている。

3.games
トラックの冒頭に一瞬のChiptune的なフレーズが登場するが、すぐにブレイクをはさんでサンプリングと思われるホーンセクションのラウンジオーケストラ風フレーズループに切り替わる。Kid Yumiの新境地。トラックは短く、ホーンサンプリング以外に目立ったフレーズは登場しない。ごく簡単に組まれたシーケンスの中でラウンジ的な要素を全面に打ち出しながらゆっくりとフェイドアウトしていく。

4.music
ジャジーなギターによるコードカッティングとアコースティックピアノの組み合わせご心地よい。リムショットを活かしたブレイクビーツと時折登場するヴォイスサンプリングで従来のスタイルも踏襲しつつ、中盤からのコードチェンジとピアノのオブリが印象的なトラックに仕上がっている。

5.sleep
最後は、リードシンセとSE風の電子音、エレピに囲まれた穏やかで美しいこのトラックでエンディングを迎える。リズムトラックがミュートする中盤以降の展開はパッドに覆われたエレピのオブリがとても美しい。wakeにはじまり、sleepに終わるコンセプトを締めくくるに相応しいトラックだ。


Kid Yumi自身は必ずしも明らかにはしていないが、おおむねコンセプトをもってトラックは組まれておりそれらは、これまでの作品と比べるとメロウな要素が目立っている。そしてとても美しいコードがシンプルなループの中に配置されている。全5曲、いづれも1分前後の短くシンプルでラフスケッチのようなトラックばかりだが余韻をしっかり残す作品に仕上がった。

テキスト:30smallflowers(@30smallflowers

2015.5.5 14:09

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