【INTERVIEW】Theムッシュビ♂ト (2/2)



kari

フライングEP: we can(not)fly』
1.ソニックウェーヴ/Sonicwave
2.翼をください/You Can (Not) Advance
3.スタンドアローン/Stand Alone
http://mayoware.seesaa.net/article/414009048.html
アートワーク:中川一

つけてみそかけてみそ


こちらは『【INTERVIEW】Theムッシュビ♂ト (2/2)』になります。
>>「【INTERVIEW】Theムッシュビ♂ト (1/2)」からお読みください!


カップリングナンバー


02


sabadragon:

「ソニックウェーヴ」以外の作品についてもお聞きしたいのですが、まず「翼をください」をカバーとして選曲された理由をおききしてもいいでしょうか。

Theムッシュビ♂ト:

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破」のラストシーンのオマージュです。
自分は熱狂的なエヴァオタなんですけど、劇場で見た5年前からずっとカヴァーしたかったんです。
見た人にしかわからない話ですけど、あの内向的なシンジが「綾波、来い!」って言って、綾波がそれに応えるシーンは、恋愛弱者にとってはほんとに感動的な場面で、シンジも綾波もどっちも勇気を持って大事な一歩を踏み出してるじゃないですか。
コミュニケーションに怯えて、相手と触れ合わなかった人同士が一歩踏み出して結ばれるのってほんとに美しいことだと思って、あのシーンに対する憧れと決意を形にしたくてカバーしたんです。
それと、この曲って凄くポジティブだけど、それだけに絶望的な気分のときにも効くんですよ。「希望を渇望してる」感じが大好きで。

sabadragon:

あー、なるほど。
ではピアノの弾き語りというスタイルもそこからという事ですね。

Theムッシュビ♂ト:

そうですね。
「原曲」(敢えてそう言いますが)である林原めぐみさんのヴァージョンをできる範囲でコピーしようと思いました。
中盤で音源全体がモノラルになって、またステレオに戻るっていう演出も「原曲」の通りです。

sabadragon:

次に「スタンドアローン」ですが、こちらはアルバム収録予定ではない楽曲という事ですか?

Theムッシュビ♂ト:

そうですね。
この曲は2014年の3月のライブで披露した曲で、作ったときは割と何となく作ったんです。
アルバムに入れようとかリリースしようという「役割」なしで。だからタイトルが「スタンドアローン」なんですけど、文脈関係なく「自立した価値」を持つものって強いじゃないですか。
恋愛感情も同じで、最終的にはEP全体のテーマを「自立した価値」へと収斂させたくて今回のEPに収録しました。収録されたことで結局「役割」を与えられてしまいましたけどね(笑)

sabadragon:

「スタンドアローン」というタイトルは今作で対話という強さを持つための自立という意味合いだと思っていましたから作られた時期を聞くと結構意外ですね。
この曲の歌詞や「翼をください」等の収録曲、「ソニックウェーヴ」の存在は割と一貫したテーマ性を持っているように感じますが、やはりモードの変更というのはその時期( 2014年3月)あたりから始まっていたんでしょうか?

Theムッシュビ♂ト:

モードチェンジの芽は出てたと思います。
開花はそこから暫くしてからですけど。

ぶっちゃけた話をすると、「スタンドアローン」を作った時期が、その「好きな人」を好きだなと自覚し始めた時期で、そういう時期って気持ちは強くはないけど、ある意味純度は高いと思うんです。
「ソニックウェーヴ」は情報が多くなってとっ散らかったものを無理やり力技で形にした感じですけど「スタンドアローン」は凄くまとまってる。
歌詞の文字数も少ないし音も整然としているんですよね。どこかで「あの頃」の落ち着いてて純度の高い感じを取り戻したいって思ったのかもしれないですね。
それで3曲のラストに入れた?みたいな。

仰る通り、3曲に一貫性はありますね。その一貫性を強調する為にシングルではなくEPとして「フライングEP: we can(not)fly」というタイトルにした訳で。共通するテーマは「空を飛ぶこと」です。空を飛ぶようなポジティヴさ?みたいな。

sabadragon:

面白いぐらい符丁があって面白いぐらいそれが伝わるEPですね。

Theムッシュビ♂ト:

何かほんと細かいところまで整合性がないと気持ち悪くて(笑)
だから寡作なんですよね(笑)ぽんぽんリリースできない(笑)

今後の活動について


04


sabadragon:

しかしここからアルバム制作の作業が待っているわけですよね?
やはりアルバムもこのモードで行かれるんですか?

Theムッシュビ♂ト:

そうです、このまま行きます。
というか、ややネタバレですけど、「ソニックウェーヴ」が5thアルバム「彼氏のマストアイテム」のラストのトラックになるんですが、「FIT」のあとから「ソニックウェーヴ」に至る思考と現実のプロセスをもう一度辿ろうと思っています。それを全体を通してエンターテイメントとして再構築したいなと。
現時点で既に楽曲は出揃ってて、曲名も曲順も決まっているので、あとは多少整合性を整えて、編曲と録音というプロセスになります。ゲストアーティストへのオファーもしてて、早い曲は来月レコーディングが始まります。
アニメやドラマに例えたら最終回までのプロットができてて、それに沿った脚本が上がりつつあるという状態ですね、今は。

sabadragon:

リリース時期やリリース形態などは決まっていますか?

Theムッシュビ♂ト:

時期は秋頃目処にしていて、プレスCDでのリリースを考えています。

sabadragon:

ということは秋のM3での販売が目標という事ですね。

Theムッシュビ♂ト:

そうですね、秋M3になりそうですね。
あと、どれだけの方が覚えておられるかわかりませんが、去年7月の「所信表明」で「5thと6thの2枚同時リリース」を公言しましたが、今年は5thだけのリリースになりそうです。
そこは不徳の致す限りですけど。

sabadragon:

6thに関しては構想などはありますか?

Theムッシュビ♂ト:

アイデアはあって、アルバム名も決まってますが、まだ黙っておきます(笑)

sabadragon:

わかりました、ではそのあたりはまた情報公開時に(笑)

Theムッシュビ♂ト:

ですね(笑)
ただ一つ言えるのは、5thを完成させる頃にはもう脳みそは6thに向かっているので、「5th完成で一区切り」にはならないということです。

sabadragon:

最後にリスナーの方にメッセージなどあれば。

Theムッシュビ♂ト:

リスナーの皆様へ。

このEPには「ソニックウェーヴ」のカラオケトラックが入ってるので是非歌って下さい。
歌うときのコツですが、最後の「君が君が君が君が君が君が君が君が君が世界で一番大好きだよ」のところで「君が」1回につき1カット、好きな人の顔とかエピソードを思い描いて歌うといい感じになります!
リスナーの皆様が笑顔になれますように!

sabadragon:

本日はありがとうございました!

Theムッシュビ♂ト:

こちらこそありがとうございました!

以上でインタビューは終わりであるが、このEPに込められた「Theムッシュビ♂トのモードチェンジ」という大きなテーマが浮き彫りになり、来るべきアルバム・さらにその先のアルバムに向けた視野を浮き彫りにするインタビューになったと思う。
また、彼の愚直そのものと言っていいスタンスがそのまま現れているのも印象深い。
この意気込みやスタンスをどう捉え、どのように彼を評価するかは音源を聴いたリスナーそれぞれが判断してみて欲しい。

また、彼はこのEPのリリース後の3/5(木)に大阪 難波ベアーズにてライブを行う。
このEPとインタビューで何かがひっかかった人は是非現場で彼のライブを目撃してみる事をお勧めしたい。

『305の日』
3/5(木)難波ベアーズ
ACT:チコピドー / 佐伯誠之助 / Theムッシュビ♂ト / No.305
Open 18:30 / Start 19:00
Adv ¥1,500 / Door ¥2,000

2015.2.15 1:50

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