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【REVIEW】Take a Walk / Madoka


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最近では御伽の森レーベルのコンピ参加やTanukineiri RecordsからのEPリリースがあったMadokaが、自身のbandcampを通じてEPを発表した。新鮮で澄んだ空気のような柔らかな生の楽器を中心とした音作りは、これまでの電子音を中心とした音響作りから変化しているように感じた。自然体でありながら、とても繊細さにあふれた作品だ。

1.Wind
アコースティックギターのアルペジオと柔らかなピアノの音色、メジャーコードのやさしいワルツ。中盤から入るトイピアノやフィールドレコーディングの空気を含めたゆらぎが美しい。後半、ギターによる旋律がはじまると楽器の役割が大きく入れ替わっている事に気づく。重なりあう音、リコーダー、太鼓、鳥の声。タイトル通りやさしい自然音が楽曲を駆け抜ける。

2. Hummimg
再びワルツでピアノとギターがコードを差し出すと、これに乗っかるようにトイピアノが旋律を奏でる。トイピアノ自体は過去の作品でも使われていたが、鍵盤を弾く指先の空気までパッケージされていて音響がとても印象的だ。シンプルな構成の中で音を重ねる様は、冒頭の曲と同様だが、より軽快なアプローチになっている。

3. Explore
SSW的な淡いギターのアルペジオ、これに合わせてスタッカートのピアノが揺らぎを作りながら寄り添うようにシンプルなメロディーを奏でる。続いて、トイピアノ。ミニマルな構成を優しく包み込むコード進行、四拍子を刻むパーカッションが次第に楽曲をエンディングに向けて引っ張っていく。最後は湿り気を帯びたフィールドレコーディングに導かれながら楽曲を終える。

4. Thinking
EPの中ではもっとも冒険的なフレーズにとネオクラシックの要素を兼ね備えた楽曲。ピアノが奏でる軽快さと不思議さを合わせ持つメロティーにギターが乗っかってテーマを奏でる。そしてゆっくりと中間部になだれ込むと、コードを変えながら同じテーマが変奏される。その繰り返しの中で折り重なるリズムは深いエコーとデッドの両方からトラックを支える。

5. Calmness
最後の曲はExplore同様にギターのアルペジオだが、ややメランコリックなコード進行で、冒頭の曲ともつながる柔らかなピアノの旋律が楽曲を包み込む。ギターとピアノのシンプルな組み合わせを中心とした仕上がりを経てリズムトラックが姿をあらわす。EPの中ではもっともリズムが強調されている一方でもっとも陰影を持った曲だ。静かに、そっと終えるエンディングも印象的だ。

どの音もとても自然な録音状態で、楽器の音色をとても上品にパッケージしている。その音色を追うだけでも楽しめる。シンプルでやさしいコード進行を追いかけてみるのもよい、旋律が次第に重なりあって楽曲のレンジを広げていく様を楽しむのもよい。自然体であるというのは意識すると実は中々出来ないことだろう。それを上手くパッケージした結果、様々な楽しみ方が出来るEPに仕上がった。


テキスト:30smallflowers(@30smallflowers




2014.12.21 14:08

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